アーカイブ:2020年9月

カタルの軌跡と名目時代の到来

まもなく…誰に目にも明らかに「名目時代」の確立相場が開始されます。今回のコロナ禍は、日本経済にとって…非常に大きな「神風」でした。皮肉なものです。どうしても…動かずに、抜けなかった「流動性の罠」から、ようやく離脱する事が出来ます。

この30年間のNYダウ平均株価の推移

もう…明らかです。先ずは、カタルが「希望」を胸に抱き、歩合セールスとして上京した時から現在のNYダウ平均株価を観て下さい。

如何でしょう? これが「名目経済」の国の株価推移です。所得には、労働を対価として得るお金があり、それと同時に蓄えたお金を投資して、そのリターンを活かす資産増加による所得があります。この二つが市場経済では、円滑に回る事が大切なのです。

ところが…日本経済は労働対価で得るお金は重要視しますが、資産運用によるお金を「不労所得」と呼び…蔑視します。

投資と言う大切な行為を否定して経済運営がなされてきました。結局、この壮大な実験に、終止符を打ったのが、電通の高橋さんの自殺です。彼女は母子家庭で非常に優秀な女性だったのでしょう。確か…東京大学の卒業です。何しろ就職最難関の電通の壁を、突破したのです。しかし彼女は、「過労とストレス」で自殺を選択しました。

何が、彼女を自殺に追いやったのでしょう。我々、日本人は、よく考えないとなりません。きっと…お母さんは、苦労に苦労を重ね…わが子を育てたのでしょう。

そうして。日本一と言われる「電通」に就職が決まったのに…その新入社員を自殺にまで追い込む劣悪な職場環境が、日本でトップとされる企業まで及んでいる実態を露呈する事件でした。2015年12月の事です。

安倍政権の誕生でわが国は実質時代と決別して、名目時代に舵を切ります。しかし…なかなか実質時代の環境は、変わりませんでした。先ず、日本株は期待感から理想買いをします。その動きが2012年末の安倍政権誕生を見越した株価波動のスタートです。

そうして日銀は量的緩和を実施しますが、なかなか…その効果が波及しません。既に、長い「失われた時代」で、経済は「カチンカチン」に硬直していたわけです。しかし、この電通の高橋さんの自殺により、我が国の劣悪な労働環境が動き始めました。ヤマト運輸の方向転換などは…記憶に新しい所です。

463兆円もの…我が国の「内部留保」の意味が、この「コロナ禍」で、これから明らかになります。今は、まだ完全に「流動性の罠」から抜け出せている訳ではありませんが、本日の日経新聞に「益利回り」(株式の利回り価値)の話が載っており、「イールドスプレッド」に言及しています。

この話は、カチンカチンに凍っていた硬直した経済が、ようやく「雪解け」を迎える現象を示しています。

このスクランブルの解説は、動かなかった資金が正常に動き出す話です。皆さんは、表面的な現象しか見てないから…社会現象を観て、その現象が何故、生まれるか?…と言う「市場性の整合性」が、見えないのです。全ての事件、社会の事象は、その事が起る「切っ掛け」が背景に存在します。

電通の高橋さんは、苦労をして育ててくれたお母さんの悲しみを知って居た筈です。しかし…自殺しか選択肢がない彼女の決断が、何故、生まれたのでしょう。 その決断を生む社会環境が、何故、そこに存在したのでしょう。

通常、高収入が保証されている誰もが、羨む会社に就職したのですよ。それにも拘わらず自殺しか道がない現実が実質時代の「極み」であり…実質時代の転換点です。

日産自動車の大衆車のマーチが、日本からタイに生産基地を変えたのが、2010年初めです。この現象は我が国の空洞化現象の頂点を示す現象です。あの時に、我が国の空洞化が止まったのです。1989年から2010年…。

しかし、それから5年して高橋さんの自殺が起ります。

何も「振り込め詐欺」なんか…、若者も加担などしたくないですね。でも普通の努力では通常の就職が出来ないほど…劣悪な環境だから、仕方なく詐欺に加担する若者が誕生するのです。

これが実質時代の「清貧思想」論者の政策です。携帯電話の馬鹿らしい待ち時間、様々な書類の提出、個人情報保護法などの馬鹿法律を作った清貧思想論者たち…電子カルテ一つ実行に移せない悪法です。この法律の為に、金融機関は僅かな振り込みも出来なくなり…利便性がドンドン失われ、金融機能は麻痺をします。

確かに…悪戯に情報を悪用する輩も居るでしょう。しかし…その法律により縛られる馬鹿な制度が沢山あります。自分のお金が自由に動かせない、何故、簡単な作業なのに…携帯電話の移管がスムーズに行かないのでしょう。その度に…書類が必要になります。無駄な確認作業が、必要になるのです。いつしか…社会もガチガチのマニュアル社会に変貌し、日本はドンドン劣化しています。

今回のデジタル庁創設で、人間の利便性が勝るかどうか…分かります。先ずは個人情報保護法など改正が必要なのでしょう。株価はその事を読んでいるから…米国株は弱くても日本株は23000円を割れないのです。このデフレの関門である22750円を上回っている事実を、よく考えねばなりません。

自分が実際に120万円の極貧生活をした事がないから…他人の痛みが分からないのです。カタルは2年間連続で、この極貧生活をしています。もう株屋では何をやっても食えないから、IRをテーマにした会社を興して転職を決意したのです。1999年2月に会社を設立しました。最初は有限会社ですが…。1998年の春にこのIRNETの前身である「株式市場 日本を考える」と言うサイトをスタートさせました。

開設当初のホームページ

でも根が「株好き」ですからね。

日経平均株価の月足推移

同時にスタートしたITバブルでカタルの収入は2000万弱に膨らみ…10倍以上になりました。だから、この転職の決意が揺らぎます。ですが…やはり駄目でした。不良債権処理が必要以上に嵩むのです。そうして「みずほ」が倒産すると言われて10万円(100円)の株価が割れます。2003年の5月でしたかね? 

カタルは、「みずほが倒産するなら、何をやっても駄目」と思い…全顧客に銀行株を大推奨します。この狙いが当たり、当時3億円しかなかった預かり資産は、アレヨアレヨ…と言う間に…40億円に膨らみ、自分自身の年収も1億円を超えます毎月、500万から2000万ほどの給料です。

上京以来、初めて銀座の一流クラブに通う毎日でした。毎日、20万円程度のお金でも使うのは大変です。でもこっちも人間ですから、相手は毎日変わりますが、カタルは同じですからね。お金など…そんなに「馬鹿遊び」をしない限り、大きく減りません。そりゃ、シャンパンタワーなどの「馬鹿遊び」をすれば、一晩で1000万とか使えるのしょうが…。それでも20万ずつ、毎晩、使っていれば…銀座のホステスから、ネクタイなどの中元やお歳暮などが会社に届きます。

しかし世の中は、上手く行かないものです。リーマンショックになり…おまけに税務署から特別税務官様のお出ましです。当時は、ビスタニュースと言う会社を興し…銀座に構えており…毎月300万程度のお金が消えます。でも稼ぎが毎月500万以上だから、何とかなると思っていました。税務署様のお出ましで追徴をされ…予定納税をする段階になり、毎月300万円程度の税金を納めるのです。これではいくら頑張ってもお金は足りません。

税金を払うために…働くようなものです。

故に…当時は年収が、それでも1000万程度あったのですが…追徴された税金を月賦で返しサラ金の返済などでお金がなく、仮に相場が良くなって、また稼いでも同じ事…と思い、歩合外務員生活に終止符を打ったのが2010年の年末です。

当時、日銀が金融緩和に動き、相場で稼げるだろうと思っていました。1000万もあれば…1億や2億は簡単だ…と思ったのです。

ところが…なかなか動かずに、2年が経過して…生活費で投資するお金はなくなり、かみさんの「ひも稼業」です。

でもかみさんの稼ぎは、家賃にもなりません。仕方なく、カタルは新聞配達を始め…日銭を稼ぎます。楽しかったですね。あの生活、体を動かせば…良いのです。でもあの世界も酷い劣悪な労働環境です。仲間の多くは、まともにお金を貰えずに…働かされています。末端生活と言うのは、本当にひどいものです。でもカタルは20万程度に抑えて満足していました。

でもあまりに条件をコロコロ変える馬鹿所長で、アホらしくなり…辞めます。それでも半年間、続きました。そうして体力が出来たのです。

その年に槍ヶ岳と富士山に登りました。前から憧れの槍ヶ岳、素人のカタルでも大丈夫でした。2016年にお婆ちゃんのお金を拝借して、スタートさせた短期運用の資金200万円でのスタートです。他にもあったのですが…。ようやく…投資家稼業と言っても、僅かなお金です。とても「投資」と言うレベルの話ではありません。でも時間の経過で世の中は、何とかなるものです。

ようやく日本経済も、まともな政策運営になるのでしょう。

ざっと苦節30年を語りました。「失われた時代」と一言で言いますが…この1年、1年は大変なのです。仲間に毎月、生活費を50万円ずつ借り歩く生活も大変ですよ。最後はサラ金の社員とお友達関係です。彼が、泣きつくのです。ノルマが達成できないから…と、仕方ないから、カタルは必要のないお金を借りました。そうして彼のノルマを助けました。色んなことがあります。

投資稼業に転職し、この11月で丁度10年になります。ようやく「原資」が出来ました。…と言うか、まだ僅か1000万や2000万などの金額ですが…。

これを10倍にすれば、1億や2億になります。相場もようやく「流動性の罠」から脱出をします。しかし…「不思議な」巡り合わせです。コロナなどの世界的な疫病騒動が、日本経済を転換させるのです。まさに「神風」です。

本当に…世の中は、面白い巡り合わせです。

「ピンチはチャンス」と言う言葉を、今年ほど痛感する年はないでしょう。あのコロナ禍の時に、カタルは追証で、かみさんの「なけなし」の定期預金を解約して毎日50万ずつ、銀行から引き出して300万を準備していたのです。その話が、今年3月の話ですよ。僅か6か月足らずの期間です。

22750円のデフレの関門から、いよいよ来年は完全離脱をして…米国株の様な右肩上がりの名目時代に復帰します。昔の日本と同じ世界に戻るのです。

たぶん…多くの人は。「名目時代」が、どんな世界か…もう忘れたでしょう。ようやく…やって来ますよ。楽しみにしていてください。あと1年か、2年程度の時間があるなら…カタルの30年間の苦労も報われるでしょう。

清貧思想論者など…蹴散らして、名目時代様のお通りです。ハハハ…。楽しみ、楽しみ。また明日。



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