アーカイブ:2022年9月3日

相場の焦点

今回の米国株は意見が大きく割れています。たぶん…久しぶりの本格的な「下げ相場」と言う認識でしょう。その調整過程はナスダック指数で説明をすると…昨年11月から3月までが「第一波の下げ」で…3月の戻り相場から下旬の反騰場面から、6月までが「第二波の下げ」相場で…6月から7月、8月と反発しています。今回はこの8月の中旬から、「第三波動の下げ」相場になるか?

ナスダック指数の日足推移

 それとも…この6月の第二波動の下げ相場で、調整局面が既に終わっているか? 意見が割れます。果たして…今回の下値の分岐点が6月の安値を下回るかどうか…。この分岐点探しが、今の相場の焦点の一つです。カタルは9月21日のFOMCまでに…この分岐点が決まると思っています。

ナスダック指数の週足推移

株価波動論で有名なのは「エリオット」の株価波動論です。この説から、株価波動を見るなら、リーマンショック後から2021年の11月まで「3つの上昇波動」が形成されており、そうして調整局面に入ったという解説です。この説なら…ナスダック株価指数は6月の安値を下回る3つの下げ波動から…一つの株価の下げ波動が完結されるという説があります。

でも…このリーマンショックを「起点」にするか? これも意見が割れます。

ナスダック指数の月足推移

ITバブル崩壊を「起点」にしても良いし…その前の場合もあるでしょう。株価波動論の解釈も難しいのです。故にカタルは、両方の株価の動きを視野に入れて…相場展開を考えています。

この短期の下落過程のCを、現在は形成していると思われますが…必ずしも6月のbの安値を下回るとも言えません。この辺りの解釈は悩みます。下げ波動を3月の反発点を「転換」点と捉えていますが、この反発が短いので…分岐点は8月かも知れません。色んな考え方があります。(分岐点の解釈は様々です。)

株屋と言うのは、様々なケースを頭に描きながら…どんな展開になっても大丈夫のように対応策を練ります。このような株価波動論と共に…今回は雇用統計値が予想より良くても株価が下がったという事は…景気動向よりインフレ面、つまり金利上昇懸念に対して…株価が反応している訳です。

でも時間の推移で観方は、180度大きく…変わるのです。景気動向を主眼に考えるなら、大きな景気後退には至らずに調整が完了すると見方もありますから、景気の強さを確認できる指標に対して…株価が上昇しても良かったはずです。

でも金曜日の雇用統計値の反応は、統計値が良かったにも拘わらず、株価は下がりました。つまり景気動向より、金利に相場の焦点の重さが増しています。でも…原油価格動向などを観ると、おかしな反応に思えます。だから…早晩、株価は反発するという考え方もあります。

このように…雇用統計と金利水準、そうして、物価動向に大きな影響を及ぼす…原油価格などに対する株価の反応を観て、市場動向の「焦点」が、今は何処に在るかを…探るわけです。今はインフレが鎮静化に向かい、景気動向が焦点と観るか…人件費や住宅費が上がり、インフレが継続するから金利動向が焦点か?

基本的にインフレと景気動向の端境期で、「揺れる株価」と言う認識が正しいのでしょう。

カタルは当初、下値の確認相場は「不可欠」だと考えていましたが…8月24日、25日の動向を観て相場観を修正しよう試みましたが…再び従来路線の「下値確認型」相場に、頭の相場(未来の株価)を戻しました。

そうして木曜日の相場の安値は11546で…7月26日の11533の安値水準まで来て…割らずに反発した相場を観て…金曜日は高いかな? と期待していましたが…陰線を引いたので、月曜日に下値を破る可能性もあります。

そうすると…6月の下値説も怪しくなり…次の分岐点は11000前後の位置の攻防になります。正直に言えば…下げ過程が続き「弱い相場観」を認識させられています。ですが…米国株は、ある意味で当たり前の展開です。

しかし日本株は「法人企業統計」が示すように…この4―6月期は過去最高の経常利益の28兆3181億円なのです。前年同期比で17.6%増ですよ。日本株は「別格」基準が当たり前の認識でしょう。前年度の内部留保は484兆円から 、さらに 6.6%も増えて516兆円ですよ。前年度の純利益は63兆0071億円ですが、うち配当金は29兆8649億円です。配当性向は47%なのです。

日本株は米国と違うのです。株価波動と経済統計と株価の反応を観て「相場の焦点」を探る展開は続きます。カタルはインフレから既に「景気動向」に、「相場の焦点」は移っていると思っており…更に次のステップである「新常態」(ニューノーマル)、「新しい時代」を相場が感じる可能性を述べています。

何処に相場の焦点を…「自分が認識する」か…で、銘柄選択や株価を買うタイミングが変わるのです。

こんな事を考えながら…これから会員レポートを書こうと思っています。ですが…夜遅くに帰ってきたために…既に会員レポートを書く時間もなく、日曜日の夜に掲載する予定です。

本日は会員レポートの「前座のレポート」として、公開ページで、「相場の焦点」に対する考え方を、株式教室にて…さわりを書きました。明日の会員ページはこの考え方を、更に掘り下げものを書こうと思っています。それでは…また明日。

あいにくの雨でしたが…カタルは高橋治の世界のおわら「風の盆」の帰りです。



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