昨日は新興国(BRICS)の経済の回復度合いを観て頂きました。ロシアは経済制裁が続いていますから遅れていますが、基本的に…世界経済はリーマンショックの影響が消え、自律的な成長過程に入っているのでしょう。
昨年の相場を、想い出して貰うと分かりますが…前半は「ダリオ時間」が流れていました。カタルが「ダリオ時間」という言葉を使っている意味は…世界トップのヘッジファンドを率いるレイ・ダリオ氏が、一昨年に指摘した「解説」ことを示しています。その意味は…
1929年の世界大恐慌から立ち直ったかに見えた世界経済が、景気が回復した…と当時の政策担当者が勝手に思い、早目に金融の引き締めを行った結果、再び、世界経済が大きく落ち込んだ過去の失敗事例と、同じ可能性が、現在のFRBの政策次第では、あり得ると「警告」を発したものです。つまり彼は、FRBが「テーパリング」を急ぐと…折角の経済回復が、再び失速すると述べたのです。これをカタルは「ダリオ時間」と呼んでいます。
日本のバブル崩壊も同じですが…一度、折角、貯めこんだ内部留保を吹っ飛ばすと…なかなか元の状態に戻らないのです。何しろ、日本のバブル崩壊は、明治以来、三菱グループなどがコツコツと貯めこんだ「富」を、全て吹っ飛ばした程の大きさだったのです。とっても大きな政策の失敗だったのですよ。歴代のアホな政策担当者(三重野元日銀総裁や宮澤喜一などの歴代の総理)の知識レベルが、希薄だった事が分かります。
株の理解度を高めるためには、過去の歴史を良く知らないと…なかなか理解が進みません。もう一つ、大切なことは「時間の考え方」ですね。基本的に経済活動にはコストが掛かります。この基本コストは過去の歴史を観ると、一般的に5%程度なのでしょう。つまり正常な成長過程を保つためには…この水準を上回らないと成長になりません。5%水準はフラットの印象です。故に米国の不動産価格は、常に、この水準で価格が上昇しています。
ここで複利終価を考えて下さい。日本が失った時間の空白…この「失われた時代」は、約30年間、続いています。これを単一の複利終価係数5%で見ると…30年で4.322倍です。つまりこの間のギャップが、かなり大きくなっているのです。カタルは、正常な政策に戻れば…この「時間の空白」が、必ず、埋まると考えています。故に、バブル崩壊で1300兆円と言う土地資本を失った回復が起ると考えています。元の価格に戻っただけでも…時間空白を考えると、1/4でしかないのです。
故に、ケネディクスのAUM残高に拘り…同じことを4年間も述べているのです。「流動性の罠」が消えると、一気に…日本全体で、この回復活動が始まります。日本人と言うのは画一化教育を受け…集団行動をする人種です。「赤信号、みんなで渡れば怖くない」…と、無謀な太平洋戦争を起こす程の人種なのです。
ようやく…失業率の3%割れが定着し…いよいよ、名目時代が始まります。この構想は馬場レポートの解説で述べています。ようやく…30年間も掛かってこの水準まで到達したのです。失った時間は、日本人が行動し出すと…一気に転換します。この切っ掛けが「電通事件」だと考えている訳です。「パイオニアの指名解雇事件」で始まったデフレの失われた時代が、同じ労働問題の電通事件で…今度は名目時代の幕が開くのです。
このシナリオの下で…カタルは「ケネディクス」と「○○テク」の2銘柄を、後半相場の核と据えているのです。此処で…最近、北朝鮮リスクで膨らんでいる空売り比率のグラフを観て下さい。このようなマグマが、反動の切っ掛けになります。
カタルが、何故、自分がこのような考えに至ったか? その背景を…いつも事前に解説しています。後は、読者が判断する事です。多くの人は株価が上昇すると追随をします。しかし、データ分析が的確に出来ているなら…未来の結果は、事前に分かっているのです。
しかし…いつもカタルは「時間の壁」に泣いてきました。それは…人々の心が、どのタイミングで動くか…。他人の心の中までは、分からないからです。しかしケネディクスは、今年に入り…ようやくヘッジファンドが玉を買い始めました。この理由の背景に流れているのは、馬場レポートや企業の現預金残(内部留保)です。
スマートコミュニティーの進展は、新たな投資を生みます。来年には、準天頂型衛星が4機体制になり実用化が始まります。これは…ほんの一例です。半導体相場の市況動向を示す「DXI指数」は、とうとう20664と大台を替えました。カタルは、いつもデータを示して現状を解説しています。
後は読者が、カタルに追随するかどうか…の話だけです。真実は、いつも一つです。カタルは自分自身のシナリオを、常に考え続けています。いつでも反論のメールをくだされば…参考にさせて頂きます。ただし…確りした根拠を示してください。
カタルは失業率や内部留保など…全ての条件が「流動性の罠」からの脱出を示していると思っています。こんなもんじゃないですからね。「失った時間の空白」を埋める日本株は…一気に、38915円の奪回に向かう筈です。それでは…また明日。