万民総弱気

世の中の進展スピードがドンドン速くなり、一所懸命に事象を追わないと、なかなか追随が出来なくなっています。たぶんカタルが目にするニュースの時間はかなり長いと思います。今ではスマフォを片手に時間があれば、ニュースサイトのコラムを読んでいます。  

いろんな資料が簡単に手に出来るようになると…昔は新鮮だった日経新聞の記事が古く…「付け焼き刃」の存在に見えてきます。常に後追い報道なのです。まぁ、特派員がそんなに居るわけじゃないから当たり前でしょうが…所謂、他紙のパクリが殆どです。  

だから株式市場は、些細なニュースに過敏に反応をするのでしょう。一斉に流しますからね。故に昔は遅かった市場への材料の消化速度が格段に速くなり、株価の振幅が大きくなっているかもしれません。  

以前も述べましたが…昔はセルサイドの証券会社や銀行などの金融機関が主導権を持ち、お金を運用していました。故にワンクッション入りますから、反応は緩やかになります。しかし今はバイサイドのファンドが主導権を持っています。一例を掲げれば…ETFなどの指数投資です。この為に素人の思惑がストレートに市場に反映されるようになっているのも、最近の…株価の乱高下の動きに繋がっているのかもしれません。この現象は新しい現象です。  

なかなか「強気のコメント」を探すのが…難しくなってきた現実があります。市場には弱気材料が溢れ…弱気の材料を掲げるのは非常に容易いのですが…強気のコメントは皆無の有様です。「万民総弱気」とは…こんなことを言うのでしょう。  

先ほどあるサイトを見ていたら、米国などの名目社会では、平年、ヘッジファンドが損をする割合は29%だそうです。でも今年はなんと…89%が損をしているらしいのです。このニュースはドイツ銀行調べだったかな? そのヘッジファンドの決算も残すところ僅かで…もう多くのファンドは数字を固めたのでしょう。  

その中で興味深いサイトがこちらです。きわめて強気を維持するレポートを見るのは久しぶりなのです。この話は、的を得ています。多くのファンドは不透明感故、様子見を決め込みキャッシュを潤沢に積んでいるのでしょう。  

カタルは逆金融相場の次に訪れる相場を、長らく…中間反騰か、進化論か…の2者択一と考えてきました。中間反騰の場合は、戻っても上値が知れ…逆業績相場が顕在化するリセッション(景気後退)のパターンです。 

ISM非製造業指数の推移(9月まで)

 逆に進化論は金融相場の色彩が強く、新高値に躍り出るシナリオですが…木曜日のISM非製造業指数が3か月連続で60を超える事は、過去になかったと言う話を聞いて…「ゴルディロックス相場」の復活を連想したのです。。このグラフは古く…その後、10月は60.3、11月は60.7です。良いグラフが見つからず…古いものになりました。ゴメン、でも期間の長い物の方が全体像の把握が出来ますから、出来るだけ資料は長いものが良いのです。

60を3か月連続で超えるのは、ISM統計史上で初めて…だと聞いて、ここでFRBが利上げ休止を決めれば…意外にも以前の相場であるゴルディロックス相場が、続く可能性もあるんじゃないか?…と考えるようになっています。  

雇用統計などの労働関連の指標は、経済活動の中では遅行指数で…後追いなのです。だからFRBが2回、3回と利上げしていく過程で…その価値は失われて行きます。既にFRBは8回も利上げをしています。利上げ(金利)の水準ではなく…変化率が問題なのです。  

株式相場の場合、いつもこの変化の大きなところに目を向けねばなりません。絶対水準ではありません。  

このISM指数は製造業と非製造業の指数があります。日銀短観と同じでアンケート調査ですから、リアルタイムの景況感が分かりますから、経済活動の指標の中では、先行指数の部類と同じ扱いです。故に株式相場と共に注目せねばなりません。住宅や自動車販売は落ち始めているから…景況感はもっと悪化すると思っていましたが意外にも強いのです。  

だからもう一度…盛り上がりを見せる可能性も否定できません。進化論の技術進化のスピードは、思っているより鈍いのかもしれないし…だからJPモルガンが掲げた…このゴルディロックス相場の延長説が、金曜日に急浮上してきました。勿論、この前提はFRBの休止発言が前提になっています。少なくとも来年は慎重な対応が求められるのです。  

アップルの週足推移

もう一つ考えているのは、今、通過している逆金融相場が一番パフォーマンスは悪いのですが、意外に期間が短かった印象を持っています。FRBは方針転換の受け入れ準備が進んでいるのでしょう。

この原因は先行する株式市場の期待感が9月から始まり、10月、11月の下落で…行き過ぎとも思える水準まで鎮静化しているように感じています。「期待感の剥落」です。  此処ではアップルのチャートが役に立ちます。

フェイスブックが先行して叩かれていましたが、既にかなりの悪材料を織り込んでいるのでしょう。アップルもそうです。ファーウェイ事件で、米中貿易が激化しているように一般的には見られていますが、ここに来て…株価は下落の勢いが以前に比べなくなっています。  

だからこそ…先ほど紹介したJPモルガンのレポートは価値を帯びてきます。読者の皆さんはカタルの狙いの理解が進んでいるでしょうか? 「市場の整合性」の話をしています。基本的に、自分の考え(推察=シナリオ)が正しいなら、そのような兆候が市場で見られるはずです。株価も経済統計も同じ方向性を、どの速度で進んでいるか? この速度把握が一番難しいのです。 

だからチャート論が浮上し、「株価が全てを知っている」という「効率的市場仮説」と言うものが市場で生まれます。今日はもう出かけますから、この辺でお終いです。  

要するに…株式取引をする場合、常に買い方、売り方の論理を知り、どちらに転んでも良いような体制づくりが必要なのでしょう。プロの89%が負ける世界で、素人がプラスなら凄い事なのでしょう。今年はそれほど難しい相場だということです。  

でも株式取引の成果より、今年は非常に実りの多い年でした。カタルの相場への理解度は真剣に短期運用を継続させたために…かなり知識不足の充電が出来た年だったように感じています。これを成果に繋げられるか…さらになる探求は続きます。  

有料会員の方へ、昨日の夜、原稿をアップしましたから…お読みください。 



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