政策の選択

とうとう、トルコはクーデターまで発展する事態になりましたね。本当に大国の「エゴ」と言うか…「政策の選択」が、様々な影響を世界中に与えます。昔は…株式市場には関係ないと思っていましたが、様々な失敗の原因を考えて行くと…、必ず、間違った「政策の選択」の影響が、後々、広がります。そもそも米国の戦略が間違っています。フセインを退治した湾岸戦争の選択は正しかったのかどうか…。まぁ、結果論は、誰にでも言えますが、彼の存在が、中東地域の絶妙なバランスを保っていた可能性が高いですね。今のシリアの混乱もアフリカも…今回のトルコのクーデターも、皆、発端は、米国のイラク戦略に起点があるように思います。

カタルの投資戦略は、理想論を追い求めるため、失敗を犯しているように思います。日本もプラザ合意以降…多くの選択を誤って来ました。だから55年体制が崩壊、社会党は壊滅し、自民党政権も混乱を迎えた訳です。今回の東京都知事選も、その表れの一つです。

何処に、選択の軸足を置くか…、非常に難しいですね。カタルは今回、有料の株式教室を開催していますが、読者の知的水準のレベルが、どの程度なのか? 何処の水準に照準を合わせたらいいか? これは難しいものです。テストを何度か重ね、読者レベルの水準を把握すればいいのでしょうが…こればかりは、読者の選択です。

昨日の原稿で、マネタリーベース(ベースマネー)とマネーストック(マネーサプライ)の関係を述べています。経済用語も、時代により選択が変化し、指標の基準を変えていますが、その過程を理解してないと、なかなか充分な理解が得られません。

信用乗数とマネーストックとマネタリーベース伸び率推移

信用乗数とマネーストック、マネタリーベース伸び率推移

信用乗数(貨幣乗数)を観ると分かります。今までの解釈では、マネタリーベースを増やせば…その10倍近くは、マネーストックが伸びたのです。ところが今回は…いくらマネタリーベースを増やしても、マネーストックは伸びません。当座預金に埋もれるばかりです。故に業を煮やし、黒田さんはマイナス金利を適用したのです。だからこれからは、以前より伸びる筈です。今度はマネタリーベースの伸び代が、当座預金に回避できませんからね。

此処が非常に重要なのですが…、日経新聞も、なかなか解説していませんね。カタルは2006年当時と違い、今回は曲がりなりにも…緩和姿勢を継続しているから、「いつか来た道、帰る道」には、ならないと述べています。「デフレの社会」には戻らないのです。しかし現実世界は、政策が選択の的を外している為に、なかなか進展が鈍く…景気の中弛みになったため、ユニクロは折角インフレ世界に対応したのに…再びデフレの世界に戦略を後戻りさせたわけです。これを市場は評価し、金曜日は、ストップ高しました。

三菱UFJの日足推移

三菱UFJの日足推移

しかし奇妙なことに…同時進行で三菱UFJなどの金融株も、大きく上昇を開始しています。此方は、実際にこれから政策効果が生まれ、名目の世界に移行する事を示しています。実に…市場の反応は面白いですね。おそらく…端境期故の現象でしょう。丁度、川の水と海の水が混じり合う汽水域のようなものなのでしょう。この間を泳ぐ魚のようです。

米国のマネーサプライ(M2)の伸び率推移

米国のマネーサプライ(M2)の伸び率推移

日本のマネーストックの伸び率は、ようやく3%台です。しかしこれじゃ…なかなか明確な名目世界に移行できません。米国の指標と比べてみれば分かります。米国は先進国の鏡ですね。米国と同じ政策を実行すればいいのですが…馬鹿論理ばかり主張する村論理派閥が多く、困ったものです。その米国のマネーサプライ(M2)の伸び率を調べましたから…同時に掲載しておきます。

景気と通貨の伸びは、「鶏と卵の関係」にありますが…近年は、地位が低下しているとは言え、マネタリストの意見が主流です。ケインズなどの財政出動の乗数効果が下がっている為と思われます。社会基盤が希薄な頃は、道路や鉄道建設などの財政出動は、多くの波及効果がありました。しかし現在は社会基盤が確立されています。だから…この効率利用が求められ、IoT戦略が重要なのでしょう。渋滞がない時代になります。自動走行の時代になれば…坂道で速度が遅くなる高速道路の渋滞もなくなるでしょう。IoTの活用により信号機も、リアルタイムに変化し渋滞に対応できるようになります。政策官僚は、本当に…時代を分かっているのかどうか…。

米国の事例を見るまでもなく、通貨の成長率は、最低6%以上が必要なのでしょう。日本の場合10%以上まで増やせばいいのです。それからですよ。確実にインフレの名目世界に移行し、人々が前向きな行動になってから、それから初めて…通貨を絞ればいいのですね。福井さんの失敗は、不幸にもリーマンショックに重なったとは言え、この異常なマイナス領域に絞る行為は、歴史に汚点を残しました。ダヴィンチの金子さんは可哀そうに…金融庁の馬鹿政策が、優良企業に変貌する筈だったベンチャリを追い込みました。

カタルも馬鹿ですね。失敗の原因を考えると…やはり時代をよく理解してなかったのです。猛省しています。40億円を飛ばすのは大変です。まさに…コンチクショウであります。株式市場は先週、一週間で様変わりの景色に変わりました。全ては…政策次第なのですが、本日の日経新聞にも、リートの好調さが掲載されていますね。これが続くかどうかは…政策の選択によります。果たして…「流動性の罠」と言う景気の中だるみから…脱出する事が出来るかどうか…これからの政策の選択が、全てを決めます。

非常に、本日のお金の量の話は重要なので…よく自分なりに勉強しておくと良いですね。自分で調べると良いのですよ。日銀は此方…。米国の資料元は此方の数字です。

金融相場の3点セットは、銀行・証券・不動産株なのです。とくに今回は「1300兆円の逆襲」と言う、「失われた時間」と言う空間を埋める作業になります。故にケネディクスなのですが、全ては「政策の選択」による訳です。

頑張れよ! 落第生の黒田君、3流大出身のカタルでも理解できるのだから…貴方なら、もっと分かっている筈です。最後は決断力なのです。なかなか…渋って、小出しにしているから、最後の手段「ヘリコプターマネー」の財政ファイナンス突入から、ドイツのハイパーインフレまで、追い込まれる訳です。もう後がないから、的確な手段を市場が納得するまで…打たねばなりません。市場原理は、自分が正しいかどうかではなく…市場が納得するところが、「正解」なのでしょう。これが市場原理です。株価10万円に向けた…政策がスタートする可能性が高いのです。スマートコミュニティーの世界は素晴らしいのです。明日はIoTの未来論が、楽しいですからね。その話をテーマに考えています。



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