やはり人類は、新しい世界へ向け、確実にステップアップし、「スマートコミュニティー」と言うSFの未来社会に移行する過程のようです。周りを見渡すと…自動運転車、ポケモンGOの拡張現実(AR)そうして、もう直ぐ発売されるソニーの仮想現実(VR)のゲームが、人間の行動様式を変えることは疑いのない現実でしょう。
過去、日本は青少年の教育上、悪影響があるとして…DeNAなどに対し、ゲーム内の監視を強化させてきました。必ず、日本は新しい現象に対し、批判から入ります。でも確実に時代は進化するのです。「VR酔い」と言う残像現象が、脳にダメージを与えるという健康問題も指摘されるでしょうが、娯楽の進化は、止められるものではありません。
先週、一週間の市場の値動きは、様変わりの様相です。この切っ掛けは、米国の雇用統計でしょう。ブレグジットへの過度の警戒感が和らぎ、イエレン時間に流れた瞬間です。もともとカタルは前から、何度も、この問題を取り上げています。
「量的緩和」と言う、これまでにない手法を用いた為に、誰もが未体験の領域ですから、政策に対する意見は、当然、割れます。カタルは金融規制が行き過ぎているから、混乱が生じていると考えています。「偽りの景気回復」だと思っています。景気回復にも、色んな形があり、本来の力強い成長と、弱い成長があります。今回は後者の非常に弱い経済成長なので、ブリッジウォーター・アソシエーツのレイ・ダリオ氏が主張するように、今回の金融引き締めは間違いで、必ず景気後退が起り、FRBは再び量的緩和に追い込まれると言う主張もありました。現在の彼の主張は、変化しているようです。
一方、債券王だったピコムのビル・グロス氏(現在は移籍)は、イエレン議長の金利引き上げが遅すぎたと述べ…景気は後退期に突入しているという意見でした。一般的な市場の解釈は、ダリオ氏の主張が多く、これが共通認識だったのです。故に米国株市場は、「空売り」が溜まり、新高値を更新する原動力になったと言われています。
通常、金利を引き上げるなら、株は下がる筈です。しかしイエレン氏は、量的緩和によるインフレ懸念に対する予防的な引き上げを実施したに過ぎない…と考えている節があります。故に、無理に追加の利上げを実施せず、市場に配慮していますね。今回の雇用統計数字は、この事を支持している確率が高いのです。
問題は原油価格が落ち着き、この後、インフレが加速するかどうか。雇用者の賃金上昇率も問題になります。カタルは前から不思議だったのです。世界の中央銀行が、挙って量的緩和政策を取っているのに…何故、インフレにならないか…と言う課題です。
日本においても、「1300兆円」の逆襲と言う、「失われた時代」下に於いて、我々、日本人が、失った土地資本価値1300兆円は、バブル期の水準まで戻るだろうという仮説が実現していません。なかなか地価が上昇しませんでしたね。今年ようやく…全国区でも地価は反転し始めました。
2003年~2006年にかけ(実際は1年~2年程ずれています)資産価格は、折角、上昇したのに…、福井元日銀総裁が、1985年~1992年の資産インフレを見逃し、バブルを発生させたトラウマの為に、「羹に懲りて膾を吹いた」金融政策を実施して、マネタリーベースをマイナス圏まで…資金を絞るのは、いくら何でも…やり過ぎです。彼の頭には、適正な成長と言う概念が、全く、なかったのでしょう。此処に不幸にも…米国発のリーマンショックが重なり、日本は、奈落の底に、再び下落しました。
2003年も、凄かったのです。1997年辺りから2003年5月まで、多くの金融機関が倒産する構造改革を実施し、統合の嵐でした。ようやく処理が終わったのに…魔坂の二番底ですからね。今度は…この福井元日銀総裁の失敗事例が、存在しますから、ようやく日本は、名目の世界に脱皮するのは確実でしょう。故に、カタルは日経平均株価10万円説を述べています。眠った資金が、今度は、円滑に動き出します。これまでは、なかなか新時代の目標が見えなかったのですが、今回はスマートコミュニティーへの全貌が見え始めています。冒頭のポケモンGOのAR、そうしてソニーのVRと言う人間の行動様式を大きく変える技術革新ですね。
車の世界でも、日産自動車はセレナに、プロパイロット(自動運転技術)を導入しました。車のコネクティッドカー(つながる車)時代に突入します。これまでのカーナビが進化して車載器と言う通信と融合する時代の車が登場します。音声認識で車が動く時代です。車から集められた情報がクラウド上で処理され、渋滞緩和に役立つ時代ですね。
IoTと言う全てのものが通信機能を利用して情報処理され、そのデータを活用する時代の到来です。この車載機のコアを担うのが、ルネサスエレクのマイコンです。ユビキタスはカーナビの技術からQBを中心に入り込み、村田とWiFiモジュールで共同開発品を送り出したように…車のIoT化にも、共同で取り組んでいます。此処で活躍するのはダルキャミュアと言う新技術など、SQLなどの簡単な情報処理技術も応用されるのでしょう。車は省電力優先なので、QBの存在は欠かせません。
ユビキタスは、このような開発を、ZMPに移籍された、前社長の三原さんが主導されて来たのだろうと思います。三原さんは、ソニー時代に、色んなパイプがありますからね。ソニーは画像処理技術の世界トップメーカーです。ユビキタスを知る為に、此方のレポートが、良く出来ていると思います。もともとアスキー時代に、西さんの仲間だった鈴木さん達が興した会社です。7月15日のリリースに、今度、IoTに力を入れる日立との共同事業が発表されています。
ようやく…長年、培ってきた様々な「肥やし」が、作物を育てる段階に突入するのでしょう。町工場のような小さな会社が、世界を代表する一流企業と取引を広げている実績は、ひとえに…未来を観る力ですね。事業説明会の佐野社長の解説を良く聞いて下さい。カタルは3回、聞き直しました。実は一所懸命に、あるくだりを探していたのですが…見当たらなかったのです。非常に重要なアイテムだったのです。
見つからないのが当たり前、実はカタルが探していたのは、カットされた質疑応答の部分だったのです。その場面は、アドホック通信ネットワークに関する部分で、佐野社長が述べた一言でした。
その言葉の裏には、車載機開発に絡む共同作業からの信頼感が、既に培われている様子が語られていました。この意味は、株主総会に出席した人だけが分かる話です。兎に角、カタルはユビキタスの将来性に対して、ピカ一評価なのです。
問題は収益性です。この会社に欠けているものは、稼ぐ力ですね。営業力が非常に弱いと思われます。今回は楽天などに、電力の見える化技術のHEMS製品が採用されています。ここもIoTですね。やがて電力の効率運用を進めるうえで、クラウド上で制御する時代もきます。兎に角、ドローンにしてもそうです。ドローンを活用して、農作物の収穫を増やそうという画像処理の実験(旭川農協なども…)も進んでいます。でもみんな…先行投資の段階で、これまでは収益になかなか結び付かなかったのです。
日本が最も欠けているものは、トヨタのカンバン方式を観ても分かるように…折角のIoTを活用してないことにあります。大震災から5年以上も経過しているのに、熊本でもトヨタは、同じ失敗をしています。ファナックも、ようやくIoT化を推進しており、新工場を建設しています。
いよいよIoTの応用時代がやって来たのです。残念ながら…まだチャート上は、明確な市場からの支持を、任天堂のように受けてはいません。でも今週辺りから、一気に開花するかもしれません。誰も、仕掛け人が参加するタイミングは分かりませんからね。しかしカタルには…ようやく、出番がやって来たように思えています。お待たせしました。IoTのユビキタスの出番です。上場来の新高値に向け…一気に加速するかどうか。神のみぞ知る領域です。