上海総合株価

最近の日本市場はNY市場と連動している面が強く、「米中貿易」や「FRBの金融政策」に影響を強く受けています。

上海総合株価指数の推移

でも本日はあまり馴染みがない上海総合株価指数を採り上げてみます。この動きをみると…如何にリーマンショック前の影の「銀行システム」の信用拡大が、新興国市場に大きな影響を与えたか分かります。あの当時、金融界は様々な手段を講じて利益を追求していました。

通常の金融政策に影響を受けない「影の銀行システム」が発展していました。その為に…普通なら取り得ないリスクの高い投資案件も採用され、利益を追求していたわけです。CDSと言う債務を保証する保険の仕組みが考案されたためです。

カタルが現役当時、聞いたのはAAAクラスの…絶対に倒産しようのない企業の10社の債権をパッケージし…その内2社が債務不履行になると、債務を肩代わりする分散型の上限リスクが固定された商品の話です。あの金融面に強いソフトバンクなども騙されたのです。だってトヨタなど…クラスばかりが集まった商品ですからね。通常は大丈夫だと思います。

そのような商品の資金力により、新興国の「BRICs」が大きく成長したのです。通常なら恐くて…共産圏へは資金が流れません。でも日本の証券会社も上海株を扱うようになり…この時期に大量の資金が中国に流れました。2000年台初頭はそんな時代です。

その時の上海総合株価指数の高値が6124です。その後リーマンショックが起り上海総合株価指数は1664まで低下します。そうして2015年に5178まで戻しますが…此処で息切れです。でも現在の中国は金融面や財政面で積極的に経済支援をしています。しかし米中貿易問題が影響し…下値を切り下げ現在は2500前後の動きです。

いつも日本のメディアは中国の不動産バブル問題をワイワイガヤガヤと揶揄しますが、中国は貧富の差が非常に激しい国です。でも長年「名目成長」を続けているのです。この意味は非常に大きいのですよ。GDPの成長率は6%~6.5%程度ですが、物価は2%程度なのです。つまり…この差が大きいと言う事は、頑張れば…報われる社会です。基本は借金をして資産投資をすれば簡単に鞘が抜けます。

中国のCPIの推移

でも昔の中国のCPIは1989年18%の後は鎮静化され…再び1993年14.7%、1994年24.1%、1995年17.1%と困難な時期もありましたが…1996年は8.3%、1997年は2.8%に鎮静化されています。凄い手腕です。あの人口で…全体水準を引き上げているのです。言論統制があるから不満が抑えられているとも言えます。

兎に角、製造2025の野望は強く、自動車など過剰投資の過剰生産体制で無駄な投資が多いのです。先ずはガンガン始めさせ…その中で強く残ったものを育てるやり方です。当然、競争は激しく…直ぐに破たんする企業も多くあります。ファーウェイはそんな過酷な競争を勝ち残ったから、国家支援を受けグローバル競争の覇者に成れたのですが…今度は米国の覇権の壁です。

一帯一路から「元」の基軸通貨化を狙っていますが…自由を阻害する考え方は受け入れられないでしょう。でも米国もアメリカンファーストです。シリアからの撤退など…世界の警察官の役目を降りたら、ドルは普通の通貨です。いつの時代か分かりませんが、必ず、この基軸通貨問題が…何れ起るのでしょう。

SDRの配分推移

IMFでは加盟国の準備資産として1969年にSDR(特別引き出し権)の仕組みを構築しました。この配分は現在ドルが41.73%、ユーロは30.93%、元が10.92%、円は8.33%、ポンドが8.09%です。この比率をみれば分かりますが…日本の現在の「立ち位置」が分かります。

今回の米中貿易交渉で中国経済がより一層、開かれたものになれば…中国にとってもプラスになると思います。でも言論統制など…あまり日本で報道されませんがウイグル民族の弾圧はすごいものだそうです。自由と統制(規制)…は難しい問題です。

日本は村論理が存在し、ゴーン事件に発展しました。この考え方は、あの時のブルドックソースや日本空港ビルディング問題の考え方と同じ土壌です。このような背景がある為に日本は異質と言われ…なかなか外部からの資金導入が促進しません。問題は此処なのです。通常ならアジア圏の発展で、東京が金融都市になっても良い筈ですが、現在はシンガポールなどにおかぶを奪われています。

ハゲタカファンドなどと言うNHKの潜在意識を植え付ける教育が間違っています。メディアの論調は、常にそうですが…今回のオリンパスの動向などが注目される所以です。東芝も同じ土壌です。

株式投資を成功させる必要条件は、このような問題を常日頃から事前に自分で考えておく必要があります。今日はあまり…問題化しない視点で上海総合株価指数の株価位置を見てみました。もし今回の貿易戦争で中国が、より開かれた市場になるなら…かなり注目されますよ。だから中国株を買える口座を作る必要があるかもしれません。たぶん東京市場にもETFが上場されているんじゃないかな?

物事に視点には、常に二面性があります。株に売りと買いがあるように…見方が変わると価値観が大きく変化します。そのバランス上で株価は成り立っています。これから出かけるので、今日はこの辺で…また明日。



amazon.co.jp 全品に拡大 無料配送キャンペーン実施中!詳細はこちらをクリック。

関連記事

  1. 2020.03.20

    変化の兆し
2024年4月
« 3月    
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
282930  
株式投資関連の本