新しい展開か?

世界を見渡すと難しい問題が山積しています。イギリスのブレグジット問題、ドイツ銀行問題、フランスの失業率は高く財政もひっ迫し…混乱が生じています。イタリアは相変わらず…です。中国は上手く運営していますが、下降ラインは否めません。米国は意見対立が分断の火種になっています。基本は何処も一緒です。食えなくなると…不満が一気に爆発します。

やはり株価を見ていると…国の状態が分かります。日本は1989年に付けた最高値38915円を抜けてないのです。もう…30年です。この原因の多くは日本の閉鎖された「村論理」にあります。内外価格差の是正の為に空洞化現象が生まれました。村論理の維持には様々なコストがかかっていました。その壁の是正に対し、日本は激変を選択せず、時間をかけて変化する選択をしました。そうして「失われた時代」になったのです。

「米」を見れば分かります。国際価格と国内価格の差額は村論理の表れでしょう。農業の就業年齢は、継続が困難な状態で崩壊寸前です。一部の人間が自分たちの縄張り意識を主張したために改革が出来なかったのです。そうして…とうとう崩壊を迎えます。

今の中国を見ると分かります。米中貿易問題は必然性があるのでしょう。明治政府以上に、中国は追いつけ追い越せ…と無理をして爆走してきました。その為に様々な歪みが生じています。中国がどちらを選択するか分かりませんが、過度の規制に歪みがあるのでしょう。うまく回っているうちは誰も文句は言いませんが、豊かになれば…世界を知ります。いくら言論統制をしても無駄でしょう。

日本の農業問題は深刻です。はやく、早く…もっと早く改革が必要です。山積する日本の問題が円滑に変貌を出来るかどうかは政策主導部の手腕によります。一番の財政問題はインフレの進行が救います。プライマリーバランスなど…物価高にすれば良いのです。だから今年の春闘も注目されます。賃金が毎年上がって行けば…やがて消費も増えます。今は分岐点に位置しています。

カタルはもっと劇的に物価が上昇すると思っていました。でも実際は違いました。昨日、高島屋に買い物に行き久しぶりに百貨店を見学したら…ずいぶん様相が変わっていました。妻がゴヤールのバックを買った時の商品価格と、今のバッグの価格と大きな違いを実感しました。あんなバックが16万かな? それに加工したら…なんと24万もするのです。カタルには3万円程度にしか見えません。せいぜい高くても7~8万程度に見える商品です。でも実際は24万円。この感覚の差が「失われた時代」の実感なのでしょう。およそ3倍です。

財政問題の処理には、この程度の感覚の差が…これから起こるのでしょう。10年で3倍と言えば…年率換算で11%程なのでしょう。

カタルはいつも時代には、波があると思っています。人生もそうです。良い時もあれば悪い時もある、株価と同じで上がることもあれば…下がることもあるのです。30年掛けて…ようやく日本は気づき始めています。企業はROE経営に目覚め始めているのでしょう。此方の記事を読むと分かりますが…米国企業は毎年営業利益の40~60%を自社株買いに充てています。最低でも40%を割り込んでいないそうです。それに引き換え…日本のトヨタはどうでしょう?

この辺りの意識変化が、一気に進むかどうか…。東芝の株価が注目される所以ですが、残念ながらフラッシュメモリー市場は苦戦を強いられており、危うい状態です。今年は、スパーサイクル論の真価が問われる年になりそうです。

まだまだ長年染みついた村論理意識が日本人の心から抜けないのです。でも倒産の危機を味わった東芝なら、現実を直視して…改革が実行できるんじゃないかと思っているのです。日銀短観の売上高経常利益率が上がってきていると言っても、まだ10%未満です。この数字が15%程度になるなら、本物の世界トップでしょう。

最先端の企業の粗利は30~40%程度なのでしょう。これは3年で倍増する成長です。日本食のすばらしさを鑑みれば、日本人には可能性があると思っています。日本が大きな変化を成功させる第二弾は、この辺りに焦点があるんじゃないかと思っています。

アベノミクスの第一弾はデフレからの脱却ですが、まだこの意識改革はケネディクスの株価を見れば…失敗と言うか、普通のラインに留まっています。カタルの読みは完全に空振りでした。何しろ景気循環を一つ…読み違えているのです。これほど「流動性の罠」が深いとは思いませんでした。失われた時代の教育が浸透しているのです。やはり30年は長過ぎました。

でも十分に下準備がしてあるので、何かの切っ掛けで、一気に爆発すると思っています。30年間も土壌の改良に取り組んできたのです。これから良い作物が育つのが自然の摂理でしょう。「陰極まれば陽に転ずる」と言います。

此処から相場は大きな可能性があります。カタルはFRBの利上げが「期待値の剥落」を生んだと述べました。同じことを、ロイターは言っています。此方です。でも新高値は無理ですよ。異常に委縮した投資心理の改善には時間が掛かります。金融の世界は、一度の生まれた歪を、直ぐに回復は出来ないのです。

最後の12月の下げが余分でした。あの下げがなければ、大ごとにならなかったのです。でも最後の3連発は堪えました。カタルは実際に…自分でたとえ僅かな量でも投資しているから実態把握が出来ます。明日からの相場は「失われた期待値」の回復でしょう。

今週は追証の整理から、完全な離脱を迎えます。負の連鎖が終わるのです。この意味は非常に大きいのです。でも今回、追証に陥った人は無理をしないことです。所詮、自分の相場観と力量配分の読みは、違う次元の話です。投資の世界では自己管理が出来ないと、必ず、不幸な結果を招きます。そんなに簡単に儲けられる世界とは…違うのでしょう。何しろ、ノーベル賞を受賞する秀才が負けるのが、この投資の世界です。それではまた明日。



amazon.co.jp 全品に拡大 無料配送キャンペーン実施中!詳細はこちらをクリック。

関連記事

  1. 2020.11.01

    本質を見抜く
  2. 2015.05.31

    パッシブ運用
2024年11月
« 10月    
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
株式投資関連の本