米国のマネタリーベース

やはり…来るべきものが到来した…と言うイメージが強いですね。カタルが珍しく弱気に転じ、滅多にマイナス要因を書かなかったのに…、この所、ズーと1937年問題を取り上げています。理由は、米国のマネタリーベースの伸び率低下からのマイナス懸念ですね。経済の基本はお金の量です。どんな不振企業もお金さえあれば、必ず復活します。ソニーとシャープの事例を比較すると分かりやすいですね。懐の深いソニーは、売るべき資産を多く抱えており、それを売却して株価を押し上げ、公募増資をして回収しましたね。でもシャープは売るべき資産もなく、リストラも不十分で…未だに苦しんでいます。今回のゴタゴタも、前回の再建策でお金をケチったからです。折角、株価は復活したのに…そのチャンスを生かせませんでした。未だに希望退職を実施している最中ですね。故に赤字が続くので…折角の好条件を活かせずに、株価は低迷を続けています。きっと相場は来期ですね。

米国のマネタリーベースと変化率推移(長期)
image-940

米国のマネタリーベースと変化率推移(長期)

米国のマネタリーベースと変化率推移(短期)
image-941

米国のマネタリーベースと変化率推移(短期)

どうも…最近の相場傾向を見ていると、参加者の素人化が進んでいるようです。プロは金融規制の為に撤退を続けていますね。カタルはHSBCなどの大量解雇を見て、弱気に転じました。(6月10日)CRBなどの商品指標(原油も…)が大きく下がっているのは、金融デリバティブ需要が消えている為ですね。オバマ大統領の清貧思想に、問題は端を発しています。元祖はこのオバマの清貧思想ですが、安全保障上の戦略問題かもしれません。ISやロシアなど…へのバランス問題や、中国の南沙諸島への戦略も絡み、バランスは複雑化しています。

IMFはSDRの引き出し権の構成通貨として、中国の人民元を認めていません。これは中国の市場が、閉鎖的だからです。限られた人だけに門戸を開放し、自由に取引が出来ない為ですね。しかし中国は着々と市場化に向け、ルールを改善し続けています。シャドーバンキング問題などは、その一例です。もともと地方政府に債券を発行する権利がなかったのです。その為に地方政府は、開発費用としてブラックマネーを利用しました。でも今は改善方向にあります。日本だって、地方政府が多額の借金をしています。このような理由で、直ぐに、叩くシナリオはないと思っています。この考えの…解説が必要かな? 豚は太らせてから食え! 日本のように…。故に、回収を急ぐ必要はないですね。

中国は…難しい政策選択下に置かれています。人件費の優位性が消え…固定資産形成マジックが限界を超えているからですね。この解説が必要かな? 不動産価格を見ると分かります。上海を始め、既に不動産価格は、世界トップ水準です。故に資産増加によるGDPの嵩上げマジックを利用する事が出来ません。更に人件費の高騰から、生産基地はベトナムなどへ移転されていますからね。もともと沿岸部(上海)から内陸部(重慶)に、シフトし出した辺りに…転換点があります。どう輸出から消費へシフトさせるか…。つまり7%成長などの看板を取り下げ、早晩5%、更に3%を維持できれば…御の字でしょう。急速に減速しますね。その前提条件と現実の歪みが、市場に現れているのでしょう。幻想から立ち直るのは容易ではありません。日本もこの幻想に苦しみました。同じことです。

でも…ね。PMIがどうのこうの…。一般のメディアが、ガンガン言い出したときには、既に、新しい流れがスタートしているのですね。昨日のNY市場の530ドル安には驚きましたが…準備は2013年5月から始まっていますからね。2年もかけて…新しい流れへの下準備をしてきました。ただ中央銀行が補った流動性が、民間に移転できるかどうかは、依然、不鮮明ですね。民間への締め付けが強すぎます。もっと時間をかけないとなりませんね。それほど、大きく金融デリバティブが水面下で、進展していたのです。

昨日、カタルは米国の自動車販売状況を見て解説したように…今は過去の落ち込み分を埋めただけで、潜在的な需要は、まだまだ、かなり残っています。故に正しい政策を実行すれば、早晩、株価も立ち直りますね。しかし…、しかし長期のチャートを見れば分かりますが…、最悪、SP500で、先の高値水準までの下落の要素は残っています。ITバブル期(2000年)の高値1498、そうしてリーマン時(2007年)の高値1526辺りまでの下落要素は、未だに存在します。現在のSP500は下げたといっても、1970ですから、此処から下げが本格化する可能性は残っています。現在の水準は高値圏にあり、横ばいに移行できるかどうか…。約1年程度は、警戒が怠れません。確認する時間が必要です。おそらくスマートコミュニティーへの移行が…何処で確認されるかです。

もともとイエレン女史は、金融政策の発動タイミングに労働市場の指標を採用していました。この指標は景気の遅行指数です。既に、完全に利上げへのタイミングを失っています。これは民間金融を、オバマが叩いている為の弊害ですね。オバマの政策ミスです。GSEへの対応や、民間金融との訴訟問題を見れば…分かります。東電の原発後処理で、間違えた日本と同じ政策の失敗だと、カタルは思います。だから政策のトップは、出が良くないと駄目なのです。生まれた環境が非常に重要ですね。その点、日本は恵まれていますね。安倍政権は、なかなかですね。でも少し、先走り過ぎる傾向はあります。でもこの位でないと…なかなか進みませんからね。日本人は権利ばかり主張して、義務や責任を怠っていますね。湾岸戦争を想い出せば、良いですね。参加しないから非難されたのです。安全のタダ乗りは、あり得ませんね。すべてにコストがかかるのです。

株式投資をしていると…様々な事象を考えさせられますね。でも落ちぶれた日本ですが、捨てたものではありませんね。仙台育英の佐々木キャプテンの談話は、カタルに大きな希望を与えてくれました。「うちは母子家庭で、それにも拘らず私学に進み、お母さんに迷惑をかけたので、野球に区切りをつけ消防士になります。」こんな若者が、日本に多く存在すると思うと…株価も大丈夫だと思うのです。

日本の金融界は、復活してきました。これは世界に先駆けての復活ですね。理由は日本のバブルは1989年に発生して、構造調整を長く実施してきて、既に、2番底を叩いて来たからです。金融危機と相まって、失策を演じた政権が、日本の経営者に変化を与えました。未だにコーポレートガバナンスに対し、後ろ向きの経営者が多く存在します。会社を私物化している人間が多いのです。黒田電気は4:6の否決でしたが、4割の支持を得ています。多くなりましたね。ファナックの株主還元と言い、ソフトバンクのニケシュ・アローラと言い、真剣に、経営しようとする本物志向が強くなっています。

この動きが、株式の価値を支えます。ROEの定着、ピジョン化のグローバルは活きますよ。此処にスマートコミュニティーなどが、大きく絡みます。例えば、DeNAとZMPが組んだタクシーの無人化計画など…の進展度合いが問題になりますね。おそらく日本人の性格からして、安全を問題にして、認可が下りない可能性が高いですね。更に業界団体も、反対するでしょう。しかし、何れ…時間の問題で変化は求められます。

それなら、世界で最初に実現して、果敢にリスクを取るべきですね。その結果、人が死んでも、問題を先送りして太平洋戦争に突入した被害に比べれば…非常に軽微です。未来に向けた…活きた事故(投資)ですね。僅かな必要経費です。日本にも、果敢にリスクを取る、そのような考え方を世の中に定着させないとなりません。大衆迎合のメディアの姿勢が、問題ですね。DeNAの球場管理は優れており、観客数は増えているそうですね。だからIoTなのですね。販促に力を入れているリクルートは、間違いなく1万円台の器ですね。この意味が、分かる人が、何人いるかどうか…。オーストラリアやドイツ、イギリスのM&Aを見れば分かります。

何度も述べていますが…、信用創造の復活(流動性の罠からの脱出)からスマートコミュニティーへの流れは、不変です。先日、何処かで見たのですが…、米国のヘッジファンドが、野村証券株を、大量に買っていましたね。彼らの狙いは、日本が完全復活するシナリオに、賭けているのでしょう。

既にマネタリーベースの増大が、マネーストックに回り始め、実態経済が動き出してきました。渋谷地区の7月の貸しビルの空室率は2.27%で、賃貸料も昨年8月は17508円でしたが、この7月は19173円です。僅かな期間で、9.5%も急上昇していますね。渋谷は新築の供給がないので先行指標なのです。IT街ですからね。本日の日経に書かれている東急不動産は、業界でも積極投資派です。渋谷だけでなく、他の開発物件も、早くから積極投資に切り替えていました。この差が大きいのですね。この時期、僅かに見えますが…、この1年の違いは開発費に大きな影響を与えます。

東大物価指数(日次)
image-942

東大物価指数(日次)

建設費指数からも分かるように…、建設費の上昇は、既存不動産価値を総体的に押し上げます。加えて東大の物価指数も、確実に上昇していますね。1937年問題から発生する様々な懸念の弊害が、今、強く市場に現れてきましたから、この現象を受けて、市場のかじ取りが、大きく変わりますね。これが市場経済ですね。実体経済と市場経済は、互いに影響を与え合っています。

カタルは、前から利上げには反対で、12月の引上げもないのでは…と思っています。その理由は、マネタリーベースの変調ですね。最近では、日本が1937年問題と同じ失敗を犯し、2010年に掛け二番底を経験しました。しかし米国は、本物の市場経済の国ですからね。まぁ、9月16日、17日のFOMC開催の2週間前までが…、株価を崩せるチャンスですね。この時期を過ぎると…急速に日本株も回復すると思っています。あと…3週間程度かな?

加えて…中国問題でコメントをすれば、人民銀行は資金供給を実施しています。その内、預金準備率も…更に公定歩合も引き下げるかもしれませんね。日本のメディアは、不動産価値が投資により馬鹿上げして、一般的な需要と乖離しているから、バブルだ、バブルだと騒ぎますが…借金での不動産の購入ではないですからね。中国の不動産取引の多くは現金決済で、借り入れでも…頭金の割合が非常に大きいのです。2軒目への投資は、更に規制が厳しくなっていました。ここにきて銀行貸し出しの認可を緩めており、不動産価格も上昇していると言いますね。分かりますか?

現在の市場の懸念は、明らかに、行き過ぎている様に感じています。故に9月半ばまでで…そんなに下げ余地は大きくないから、派手に下げているのでしょう。調整の基本は、値幅なら短時間で整理が進み、値幅が小さいと時間調整を強いられます。まぁ、あと2週間程度は、揺れるでしょうが…、印象としては、今回の調整は8合目かな? 個人投資家の銘柄には…投げ売りが目立ちますね。明日は、この辺りを解説しようかな? それでは…また明日。



amazon.co.jp 全品に拡大 無料配送キャンペーン実施中!詳細はこちらをクリック。

関連記事

  1. 2022.04.09

    迷える羊
2024年11月
« 10月    
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
株式投資関連の本