ここ数日、恒例の「駄目相場」である8月、9月のアノマリーは覆るのか?…を検証しています。理由は、どの株も下がらないように見える為です。
加えて日経平均株価はデフレの関門である22750円を、この時期に更新し始め…上海総合株価指数が非常に力強い様相を示していました。この背景は世界各国の金融・財政政策がインフレを後押ししているように見えます。
EUでは…あのドイツ(議長国)が共同債の発行を認め、揉めましたが容認されました。米国でも懸念されていた失業保険の延長が認められ…更なる「ばら撒き」も可能性があります。一人1200ドルの給付です。日本の10万円給付でも…家電製品は好調だと言われています。
様々な現象を見ると…金価格を見れば分かりますが、インフレの足音は増しており、日本株はようやく「流動性の罠」の「ぬかるみ」から脱出できるんじゃないか?…と言う期待感が浮上します。故に、初めてのサマーラリーを検証しています。
でも…ここにきて米国のSNS戦略(中国への批判)を始め、領事館問題など米中冷戦は激化しています。香港への「国家安全法」から一気に南沙問題も激化しています。確かに中国は尖閣のみならず…インドでは死者を出す軍事行動です。
明らかに中国は次のステップに移行しています。だから米国は締め付けを強めているのでしょう。この時期に上海総合株価指数が急騰したので…米中株価戦争に発展する可能性も視野に入れました。基本は資金調達力ですからね。
でも市場原理主義のカタル君は、上海総合株価指数の下落、そうしてMAGA相場の独走も個別株チャートを見ると…現時点では、これ以上の上値は望めないように見えます。人気株のテスラもチャートでは「空売り」に見え、アップルもマイクロソフトもアマゾンも、みんな…相場の維持は難しそうに見えます。ただ…SP500のチャートは強いです。ナスダックの優位性は薄れそうです。「バリュー」株が優位かも知れません。
相場と言うのは、「全ての条件」が揃ってないと…なかなか上に行かないことを知っているカタルは、これら人気株の動向を観て、やはり初めての「サマーラリー」は、あり得ないんじゃないか…と言う結論に向かいつつあります。
ただこれだけお金をばら撒けば…いくらグローバル化(デフレ環境を生む)でも、2010年に日本は最終コーナーを回り直線に入り、既にサプライチェーン網の見直しなどもあり空洞化は浸透して一巡しており「回帰論」の方が勝っています。たぶん…日本が世界の先頭を走っているのです。理由は、中国との地理的な位置が近い為に、一番、グローバル化の影響を受けました。
1992年頃から…実際は1985年のプラザ合意の時に、国家戦略を転換すべきだったのです。間違った政策を採用し、しかも1992年のパイオニアの指名解雇事件の時に、メディアがワイワイガヤガヤと「終身雇用の維持」を叫んだため…成田闘争の様な時間闘争への移行を余儀なくされました。ここが「失われた時代」に移行しない為の転換点だったのです。馬鹿メディアです。
だから1996年のチャンスも…ものに出来ずに沈み、2003年を迎えます。日本はツキがありません。折角、バブルの清算を終え…立ち上がったのに、再びカウンターパンチを浴びます。リーマンが破たんし、この後に金融庁は、更に身構え…清貧思想が一気に広がりました。この馬鹿さ加減が、今の「流動性の罠」を生んでいます。そうして過剰な内部留保の積み上げです。463兆円ですよ。
でも世の中は、何が起こるか分かりません。
まさか…この内部留保が活きるなんて、思ってもみませんでした。世界はROE経営一色で過当競争です。だから安全網などを設けずに、ひたすら効率を追求して走り続けていました。ここで「コロナ」の登場です。
もっとも被害が少ないのが日本です。日本の企業はユトリがありますよ。清貧思想が広まっていたおかげで…現金残が豊富にあります。三陽商会が銀座ビルを売る、高島屋が不動産を売る。海外なら倒産ですが…日本は不稼働資産で利益を計上できるのです。清貧思想のおかげです。
問題は、経営者の方向転換(マインド)だけです。ここが難しい。今回のコロナ騒動を観ても分かります。米国は「死者数」が1000人を超えていますが、日本は1000人にも「感染者」が届きませんが自粛ムードです。
昔、日本が戦後から奇跡とも言われる復興を成し遂げた背景である「東西冷戦」という条件が、今回は「米中冷戦」に見られます。面白い巡り合わせです。此処では…此方の記事が、参考になります。日本は兎に角、駄目企業ばかりですが…村論理は「協調性」には優れています。
たぶん、この動向が「試金石」になります。果たしてオープン化で纏まるか…スピード感が問われます。経産省や総務省が垣根を越え上手く機能するか…が、見所でしょう。故にNECと富士通の株価を観察せねばなりません。
本日のレポートは、相場観を考えるプロセスを語っています。カタルの頭の中で、どんな結びつきが成り立っているかを、分かりやすく解説しているつもりです。相場観とは…一つの現象が、何故、生まれるか?
テスラの時価総額が、何故、トヨタを上回ったのか? その背景には、その現象が生まれる必然があるのです。何も…偶然でテスラの相場が生まれません。
カタルがMAGA相場論を展開しているのは、100兆円規模の時価総額が、どう言う意味を持つか?…を考えて行くと、国家と言う成り立ちが、陳腐に見えるからです。狭い領土権を主張して軍事行動で脅すような手法は、もう古いですね。時代は火星探査時代です。その点、今回の米国のSNS戦略は、なかなか優れています。お金がかかりません。此方が参考になるかな? 情報戦です。
このように…「様々な現象」を繋ぎ合わせて、相場観が形成されます。仮にサマーラリーが一気に展開されなくても、インフレ圧力の増大は変わらず、金余りは続きます。だから弱気になる必要はサラサラありません。この連休は「一気呵成」のサマーラリーを検証しただけの話しです。参考にしたレポートをいくつか紹介しておきます。
これから会員向けレポートを書きますので、会員の方は、明日にでもお読みください。