カタルは、まもなく市場は「流動性の罠」から抜け出し…本格的な名目時代の相場に突入すると考えています。今までもその条件は揃っていたのですが、「失われた時代」の時間が長過ぎた為に人々のマインドが硬直して「流動性の罠」が発生したと思っています。ITバブルの時代変化について行けず、日本人の多くはその恩恵を享受していません。
時代革命は米国で発展してMAGA相場となっています。スマフォを通じて…日本でも実用化が始まっていますが、残念ながら日本企業は、プラットホームの構築が上手く出来ませんでした。お金が回らなかった為です。ちまちま国内に留まるスケールです。なかなかアジア経済圏の成長を取り入れることが出来ません。
この背景を一例掲げると…例えば、金融庁はガチガチの管理体制をしいて、赤字企業への融資を長く認めませんでした。ダヴィンチは優良企業で…利払いも円滑に行われていましたが、不動産の査定において、金融庁は査定の厳格化を銀行の求めた為、ダヴィンチは「机上の減損会計」で投げ売りを強いられました。不動産価格は、業者ならご存知でしょうが、一部の取引が成立すると…その参考価格を基に、路線価などの地価が決まります。しかし投げ売りは、何処でもあります。
金融庁は「バブル期の失敗」のトラウマに染まっていました。だからリーマンショックで過剰な警戒をしたのでしょう。カタルの当時のレポートを読むと分かると思います。
証券業界もそうです。過剰な規制です。ネット証券は何をやっても許されるのに…対面営業の僕らは…二重三重の安全確認です。ハッキリ言って、注文を受けるたびに「株式を買うと損をする事があるし、会社が倒産すると出したお金はなくなります。」…と、電話口で再確認を強いられる有様です。既に書面で自己責任の確認書を貰っているのに…また確認をします。
飲食店に行って、お客さん、この食事は食中毒の恐れがありますから、書面で確認したと言うハンコを下さいと言っているようなものです。スーパーに買いものに行けば…この肉は場合によると、菌が繁殖しており、危険な可能性があります。そんなイメージですよ。これじゃ…証券会社は、営業活動が出来ません。あの当時は4日後の受け渡しなのに…注文を入れる前に、お金を100%入れて置け…と言われたり、まさに殿様商売です。
証券会社の一例を掲げましたが、兎に角、大変な規制です。会社のデスクに小銭が入っていると…そのお金の追及をされて、場合によると首になります。自分がコンビニで物を買ったお釣りを、会社の机に入れることも出来ないのです。大変な規制時代です。
だから…銀行の融資姿勢も酷かったのです。半沢直樹のドラマは、そんな「バカらしさ」を突いたから、庶民に受けたのでしょう。まるで漫画です。
「失われた時代」と一言に言えば…良く意味が分かりませんが、そんな虐待の時代が20年間も続くと…どんなに「時代が変わった」と言っても、誰も…もう信じません。
これが「流動性の罠」が生まれた背景です。自分が実際に経験をしないと…その不理屈な実態が分かりません。証券界は社内検査、取引所検査、金融庁の検査(僕らは「関東財務局」の検査)の3つの検査があります。
電通の高橋さんの事件は2015年です。株価は2012年の後半から上がっており、2013年春に日銀は量的緩和を実施します。この時間感覚を感じて下さい。なかなか抜けない「デフレの関門」である22750円の株価の意味には、様々な背景が存在して、株価が成立しています。
ですが、この時代変化を感じ動いたのが…安川電機です。僕らの現場感覚は、長く内容のない設備投資の二番手、三番手との会社と言うイメージでした。 しかし仕手性だけはあり、いつも景気循環の後半になって人気になりますが、いつも駄目なのです。
ロングチャートを、付けて置きます。バブル期、ITバブル期、そうしてリーマン前の3回、相場になりますが…その度に、必ず株価は「元に鞘に収まる」材料株のイメージです。
この株価習性を突いたのが、2012年から始まった相場です。 安川電機自身も頑張ったのですよ。ですが…それほど素晴らしい企業業績推移と言うイメージではなく…普通の時代の流れに乗っただけの成長度合いに見えます。
しかし…そこを、多くのファンドが「相乗り」になり、突いた相場が2018年初頭にかけた6120円の相場です。600円が定位置の株価が、2倍になって揉み合い…そこから始まった相場です。
ただ…今回の調整過程を見ると、この程度の株価の下げで、調整が完了する不思議さを感じています。
本来の設備投資株と言うのは…工作機械などを見ると分かりますが、非常に評価の低いものです。DMG森精機(6141)やオークマ(6103)と安川電機を比較すると分かります。通常、良くてもPERの評価は20倍になりません。 森精機はTOBなどを掛けて大きくなったので有利子負債が多いのですが…オークマは併合(5:1))をしましたが、森精機の様な形は取っていませんから、昔のイメージです。
ですが…PER評価は10倍程度です。320円、444円、579円と一株利益は増えましたが、今回の株価は8140円がピークです。PERは14.05倍にしか…評価されていません。
それに引き変え…安川電機は77円、149円、156円で、株価は6120円の評価です。PERが39.23倍の評価です。
ロボットと言っても、工作機械に毛が生えた程度の話です。自動車向けのアーク溶接ロボットが中心に発展してきたのです。
オークマの配当性向は低いですね。財務内容の割に、株価は低評価なのはこの辺りが影響をしているのでしょう。だってオークマの利益余剰金は1126億円に対し…借金は僅か63億円で、時価総額は5130円で3375万株ですから1731億円です。
一方、安川は1916億円に対し借金は745億円で、時価総額は株価が4325円で発行済み株式総数は2666万株ですから時価総額は1兆1530億円です。
これほど…評価の違いが大きいのは、やはり納得できません。
カタルはいつも…安川電機を「空売り」銘柄と思っていますが、実際に売ってみてもなかなか株価は下がりません。これが「名目時代の需給バランス」です。カタルは良く知りませんが…米国のMAGA相場を支えているのは、このような需給バランスを支えるタイトな「投資心理」があるのでしょう。
カタルが「名目時代の確立」に拘る理由の一つが、この「投資心理」です。
株価と言うのは「市場の総意」で形成されます。カタルが安川電機の株価は髙く、オークマは安い…と、いくら言っても、市場はそう言う評価を下しません。それは市場がまだ実質時代だからです。
バブル期、どんな株も株価が上昇して行き、1000円以下の株価は僅かな銘柄数になりました。あそこまで行かなくても…既に「未来の希望」を評価する段階に入るのでしょう。
ユビキタスの相場は、こう言う環境で育ってきました。安川電機が万年600円のイメージのように…ユビキタスも株価が上がれば、直ぐに売られる持続性のない株価評価でした。しかし今回はどうでしょう。25日移動平均線を維持しながら…株価は上昇を続けています。
のれん代の償却費が消えますから、来年の春になると四季報の数字も変化します。時代はDXやIoTと言うデジタル時代です。ある意味で…今の「時代を象徴」している株です。
スカラを始め、テクノスジャパン、そうしてIPS細胞を利用して、臓器製造は表現がオーバーですが…ひざ軟骨のジャックや人工皮膚のジェイスを始め…網膜を人工的に作り出し…既に応用されて実用化されている「J・TEC」(7774)の株価が、何故、4ケタ以下の評価なのでしょう。この分野では世界トップです。
時代は、もう直ぐ人工心臓や、人工肝臓などを製造する時代です。J・TECだって非常に素晴らしい会社です。4ケタ以下に放置される会社ではありません。
このような有望な会社の「未来の希望」を評価する時代が、これから始まる名目時代なのでしょう。カタルはその移行期だから…その手の株を評価して、自分でも実際に買って儲けています。あとは「市場の総意」です。市場参加者が時代の進化を、どんなスピードで考えるかで、それぞれの株価が決まって行きます。それでは…また明日。
本日はアップが遅れゴメン、何しろ夜中と言うか朝方までドラマを観ていました。起きたのが遅かったのです。