アーカイブ:2020年10月10日

時間軸のズレ

これからの相場を考える上で、大きなデッサンが必要です。基本的な相場概念の歴史認識です。しかし歴史と一口に言っても、人間の寿命はせいぜい80年程ですから…自分自身が観察できる期間はたかが知れています。既に戦中派の人は消えています。

日本の人口ピラミッド

今の老人世代の年金組は、戦後に戦地から帰って来て…みんなが子作りに励んだのが、1947年(昭和22年)から1949年(昭和24年)に生まれた人たち、つまり団塊の世代を言うのでしょう。第一次ベビーブームです。この期間は1951年や1956年辺りまで含める場合もあるとか…。

この人達はカタルより少し上の年代ですが、名目時代を謳歌してきました。しかし既に1989年から日本経済は、長いトンネルに入っています。1991年2月にバブル景気の山を付けますが…カタルが和光證券の小川副社長から、諭されたのが1992年の夏でした。

「今回は証券不況なんて…ものではなく、銀行がやられているから相当…回復まで時間が掛かる。だから残念だけれど…今は、田舎に帰りなさい」と言われた…あの光景を思い出します。

彼は財界人と親しく幅広い人脈を持っていました。田中角栄が大蔵大臣時代に、山一證券への日銀の特別融資を聞きつけ…うちも苦しいので仲間に入れてくれと言い「大井証券」(和光證券=新光証券)を助けた功労者でした。その小川肇さんは2004年に亡くなられました。

当時のカタルは30歳代前半です。「この糞親父…俺が、この世界で食えなければ、証券会社が倒産する」と、内心…彼の言葉に毒づいたのです。

しかし結局、山一證券は駄目になり1997年に消えます。この時のカタルの年収は120万円です。カタルは、もう証券界では食えないから、転職するためにパソコンを買い込みます。まだ当時は…電話回線でネットに繋がる時代でした。

象徴的な出来事と言うのは、長く…心に焼き付いているものですね。あの当時の光景が、今でも鮮明に思い出されるのです。「実質経済」を重視する時代の下積み生活が長く続いたので…カタルの名目時代への憧れは、半端なものではありません。

資産価格の下落が、どんな影響を実体経済に及ぼすか…。身を持って経験してきたのです。だから、あの馬鹿の三重野康元日銀総裁が許せません。2012年に永眠をされたので、死者に鞭打つ事は出来ませんが、馬鹿が上にいると末端は大変です。彼は日銀総裁当時、株や土地が下がっても実態経済には影響などない…と言い、平気で利上げを実施したのです。狂っています。株価が暴落しているのに…。

結局、宮澤喜一も同じ仲間でした。地価を下げた政策に加担をします。東大法科のエリート官僚ですよ。首席じゃ…なかったのかな? 頭が良いと言っても…現場感覚を知らない馬鹿です。そもそもバブルを見逃し…金利をドンドン下げた澄田智元日銀総裁も大馬鹿です。プラザ合意で円高不況を回避するため…銀行への指導を怠り、低金利に誘導して円高阻止に動く馬鹿政策で「バブル」が生まれます。日本は馬鹿ばかりを上に据えます。

株価を観て政策を実現させないから…こういう事態に陥ります。故に…如何に「市場原理主義」が正しいか分かります。カタルは市場を重視する論者です。株価がすべて正しいとする市場本位の考え方をします。

しかし…米国も同じでしょうが、今の市場は「歪な」構造です。昨日は「石油資源開発」(1662)を紹介しましたが…一株当たりの純資産価値が6880円ですよ。しかし現実の株価は1808円です。つまりPBRは0.26倍です。一方、決算が発表された「安川電機」(6506)の一株当たりの純資産は846円ですが、株価は4325円です。だからPBRは5.11倍です。

カタルには理解できない株価水準です。0.26倍対5.11倍です。この格差ギャップが市場で容認されるのでしょうか?

安川電機は、常に割高に買われ、機関投資家のキーポジションを占める人気株です。昔は600円台の株価イメージだったのです。ですが…需給が締まると、こういう株価が実現します。市場の不思議な部分です。一方PERの会社予想は一株利益が58円予想になっていますが、70円~100円程度になるかも知れません。しかし株価は4325円ですからね。やはりカタルには買えない株です。

つまりカタルは日経平均株価が、これから上がると仮定をすると…出遅れた財務内容の良い会社の株価が「出遅れ修正」をするのが、主流だと考えている訳です。だから「島精機」(6222)や石油資源開発(1662)を、皆さんに紹介をしたのです。自動車も安い銘柄が沢山あります。

野村証券株の月足推移

そこで金曜日は株価が下げましたが…「野村証券」株(8604)などは、やはり…株価が上がって当然だと思っています。この銘柄も4ケタ奪回組に見えます。個人金融資産は1883兆円でうち現預金残は1031兆円もあります。必ず…個人投資家は現預金に眠る現金を株式に変えると思います。そこで米国やEUとの比較が日銀の資料にありますから紹介をしておきます。

ここから…ジャンジャン資金移動が起りますよ。基本的に安川電機のように株式の需給バランスがタイトになると…高株価が誕生します。一度、上がった株はなかなか下がらなくなります。これが名目時代なのです。ここで…日経平均株価の月足を見ながら…カタルの人生と絡めたチャートを見てみましょう。

日経平均株価の月足推移

グーグル・チャームの場合…グラフの文字が小さくて、見えづらい方は画像を「右クリック」して…新しいタブで画像を開くと拡大表示が見られます。スマフォはそのまま指で広げると大きな画像になります。IEの方は画像を取り込んで見るしかないようです。

日経平均株価22750円がキーポイントです。カタルが「流動性の罠」と呼んでいる現象が2017年から生まれています。日銀がジャンジャン資金を入れているのに…なかなか実物資産投資が始まりませんでした。しかしカタルは昨年9月に一度、臨時の会員レポートを発行しています。本当は…そこから新しい株価波動がスタートする筈だったんじゃないか?…と今でも思っています。しかしコロナ禍により…その時間軸が横にずれた印象です。時間軸が少し延びたのです。

しかし背景は同じです。基本は金余りです。だからこれから3年から5年程、大相場が楽しめます。最後は面白いように株価が上がります。いよいよ待ちに待った名目時代の相場の始まりでしょう。この視点で相場を考えると楽しめると考えています。



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