アーカイブ:2022年7月23日

時間軸と株主還元

昨晩のNY市場の下落は、たぶん…PMI(米総合購買担当者景気指数)の速報値が6月の52.3から47.5と…2年ぶりに50を下回った影響なのでしょう。それに…この所、株価は戻っておりFOMCを控えていますから、「当然の一服」です。

S&P500の日足推移
S&P500の週足推移

カタルは基本的に、自分の投資スタンスを決める時に、見えなくなったら…つまり迷ったら、時間軸を延ばして…物事を考えようと述べています。短期的な視点の時間を、中・長期に延ばすのです。そこで…S&P500の日足、週足、月足の3つを掲載しておきましょう。移動平均線は、何れも、「日足」で用いる200個の平均値です。

S&P500の月足推移

カタルが上京したのがバブル期の1989年です。日経平均株価と比較すると分かりますが…日本は完全に資産価格の上昇と言う「市場原理」のもう一つの…エンジンを失った「片肺飛行」を続けてきました。政策官僚が中心に進める「実質経済」成長です。

この理由は、何度も話しています。日本の鎖国制度の独自基準である「終身雇用」や「年功序列」を守るために、続けて来た日本独自基準が崩壊したのです。その…一番は「土地本位制」とも言える土地の価格は下がらないという土地神話の崩壊でしょう。そうして…終身雇用、年功序列などのイカサマ社会の維持が、不可能になったのです。その為に…グローバル価格を受け入れるしかなかったのでしょう。

洋服の世界が、分かりやすい事例でしょう。東北の農村部などに日本のメーカーの縫製工場が沢山ありました。しかし賃金の上昇により、このシステムを支えるためには、高い洋服価格を維持するしかありません。

背広の価格でも良いですね。大昔は、非常に高価でした。カタルもこの時代を知りませんが…大御所さんが、三光汽船の相場で大儲けした時に…彼は最高級の生地を使い、同じ背広を10着も作ったのです。全て背広の内ポケットの名前は「三光」(サンピカ)の刺繍入りです。彼らの世代の背広の価値観は、僕らの価値観と全然…違います。今のブランド品のバックの世界かな? そんなイメージでしょう。

そんな時、ユニクロの基本構想は、海外価格の導入です。一般の洋服の価格も高かったのです。でも500円Tシャツが発売されて…「バカ売れ」します。それまでのTシャツは2000円~3000円程度でしょう。基本的に日本独自価格は、すべて割高に設定されており、日本の雇用システム支えてきました。コメの価格と同じです。関税など…外部を排除する仕組みです。

もともと「日米貿易摩擦」が起きる1980年代初め…この時期に日本は方向転換をすべきだったのです。「内需振興」が叫ばれていました。そうして…何の策もないまま…プラザ合意です。1ドル360円の時代から、240円かな? 

ドル・円の為替チャートの長期のもの

その長期のチャートも掲載しておきます。1971年8月のニクソンショックから1973年2月に変動相場に移行します。そうして1985年10月の「プラザ合意」です。カタルが問題にしている政策の分岐点です。今の日経新聞が宣伝をしている…「円安=物価高=日銀批判」は、このプラザ合意の受け入れに似ています。

日本村社会論は、兎も角…基本的に日本の政策の間違いは、このプラザ合意の辺りからの政策転換が必要だったのですが、失敗をしたのです。そのツケが「バブル崩壊」からの「失われた時代」の33年間です。

その為に名目時代を謳歌する米国株は上昇を続け…日本株は長く高値を抜けずに低迷を続けています。株価が上がらないのに…賃金が上がる道理がありません。馬鹿政治家は日経新聞社に洗脳されています。日米間の物価の比較は開くばかりです。米国の仕組みは「世界基準」ですよ。

政治家だけでなく…大学教授も官僚もメディアも、みんな間違った概念を伝える日経新聞に侵されています。昨日の日経夕刊も日銀の緩和政策の転換話を掲載しています。「ドル高」ではなく「円安」と述べて、物価高は「日銀の責任」に、問題をすり替えています。問題は日銀が「政策転換できるような形」を作らなくてはなりません。事前の準備がないまま受け入れた「プラザ合意の二の舞」をカタルは危惧しています。杞憂かもしれませんが…「事前準備」に、越したことはありません。

このまま…金利上昇局面に移行したら、一気に「ガラガラポン」のシナリオに入る可能性があります。日経新聞は、外資の手先、売国奴です。非常に「危ない橋」を選択させようと国民を欺いています。日銀が抱える国債は、436兆円くらいかな? 1%の利上げは…4.3兆円です。5%なら21.5兆円です。誰が、この金利を払い続けるのでしょう。国民一人あたり…年間21万円程度の負担かな?

だから実質経済成長の時代から、名目経済成長に移行するためには、先ずは日銀が抱える国債を償却させるのが一番です。2番は永久国債、3番は超・長期国債への転換です。先ずは30年債がありますから、政府に発行させて日銀が全て転換することです。この30年間の時間をかけて…徐々に償還させればいいのでしょう。

その準備が出来て…初めて、日銀の政策転換です。順序が逆です。だから安倍さんは、「問題提起」の意味を匂わせて…「日銀子会社化」発言をしたのでしょう。安倍さんの「国葬」に対する反対発言も多いですが、この理由は…彼が「改革」を実施したからです。

基本的には政府主導で改革を進めたために、官僚が裏で糸を引き、メディアを利用した世論誘導をしたのでしょう。それに続き改革を促進した菅総理は、見事にやられました、今のコロナ患者の増加と世論を、あの当時と見比べましょう。メディア効果の違いの意味が分かります。

改革を実行すると「波風」がたちます。意見対立が当たり前の世界なのですが…日本人は討論に慣れていません。日本人は、メディアの「画一化」された報道を受け入れる従順なロボット教育を受けています。自分で考えることを「放棄する」ような…教育を受けています。原発再開などの「政策課題のハードル」は低いですが…日銀が抱える国債の後処理問題を、早く解決することが非常に重要です。

このような基礎的な条件を考えて行くと…インフレが最善策で、年率3%~5%程度の時代になるのでしょう。だから日経平均株価の10万円は、単なる「通過点」です。

年金だけでは暮らせませんから…「賢い投資家」になるしか…方策がないのです。日経は卑怯です。僕のような意見を述べる経済学者も大勢いるでしょう。だから円安・物価高から日銀批判をする前に、未来の日本を考える…まともな神経を持つ、学者の意見を新聞に載せるべきでしょう。少数派だろうが…必ず、そういう意見の学者も居るでしょう。

月に10万円程度しか年金をもらってない老人に、月に2万円も負担させるのは大変です。物価高の意味は、これから始まるのです。コメの価格もそうです。我が国の農業システムは完全に破壊されています。豊かな自然を活かした林業も、軌道に乗せられないのです。やるべき課題は、沢山あるのに…医療改革一つ、できないのです。情けない限りです。キャッシュレス社会にすれば…無駄なお金の配分(予算)が明らかになります。先ずは…ここから着手すべきでしょう。

さて…実はもう一つ、本日は課題があります。

その前に、米国株の調整が長引くのは当たり前です。月足のチャートを観れば明らかなように…まだまだ乖離が大きく存在しますから…株価は目先、戻っても二番天井(たぶん…この時期は、来年の時間推移でしょう。)が最高でしょう。おそらく…その手前で挫折(腰折れ)でしょう。乖離調整は絶対に避けられません。避けられる唯一の形は…つまり株価の「新時代」の到来です。

これはAIなどの活用の世界で…生産効率が「飛躍的に高まる」技術革新の導入です。テスラ時間とトヨタ時間の違いを、実感すれば…この意味が理解できるでしょう。常人では成し遂げられないテスラの成長度合いです。

この意味は…車の価値観が大きく変わる時代を示しています。このスピード感です。5G環境などの整備が必要ですが…AIスピーカーの「アレクサ」を体験した人は、うっすら…と、その価値が実感できるでしょう。まだまだ…不完全ですが、これが進化します。この進化のスピードを速めるのが、未上場企業を支援する金融の力であり、「ソフトバンク」の存在です。

ひょっとすれば…カタルの月足の乖離調整説ではなく…人類の「進化のスピードが加速する」場合もあります。この…「行く末」はまだ見えていません。

さて、もう一つの課題の話です。

ユニデン(6815)の四季報数字

「フジテック」(6406)の株主総会の話で、揉めた「会社の私物化」の話ですが…カタルは「ユニデン」(6815)の話も同時にしています。昨日、偶然に気づいたのですが…このユニデンの藤本さんも、名物「ワンマン経営者」でした。そうして…彼が去った後のユニデンは、こんな四季報数字に変わりました。配当金に注目してください。

そうしてTOBのようです。異常に内部留保が高かった…「保身」経営者企業の「行く末」です。何故、配当還元率(株主還元率)が、問題になるか?

ユニデン(6815)の株価推移

我が国は、もう積み上げる余地がない、使わないお金を抱えた企業はユニデンだけでなく…他に多くあります。だから経営者の姿勢が変化すると…株価位置が大きく変わる事例として…このユニデンの末路は、未来の日本株の参考になります。悪戯に…無借金経営が正しく、自己資本比率が高すぎる企業が良いとも言えないのです。経営者は、節度ある、効率経営を求められるのです。

こういう話が理解できないと「株式投資の意味」も理解できません。2期目を迎えた「爆利益」計上の海運株の「株主還元策」が、これから注目されます。先陣を切るのは、たぶん…「商船三井」(9104)でしょう。何故、証券マンから「船」と言えば…「商船三井」か? その真価を期待しています。 配当の他に…1000億円程度の自社株買いをするのが筋でしょう。それでは…また明日。

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