時間軸の読みは難しい

相変わらず…峠が、まだ見えないようです。世界の金融は米国が実権を握っています。ドルのスワップ供給により、韓国は危機を免れたようです。基本的に資金繰りと言うのは、芸術的な才能が求められます。本当に僅かなタイミングの違いで、金融市場は明暗を分けるのです。ここではLTCM(Long-Term Capital Management)の話が良いのかな?

オプション論理を確立させた成果で「ノーベル経済学賞」を受賞したマイロン・ショールズとロバート・マートンなどが参加し、FRB元副議長のデビッド・マリンズを中核としたソロモンブラザーズのジョン・メリウェザーの発案により出来たヘッジファンドです。

彼らのプログラムは完ぺきでした。投下資本は4年で4倍に膨らみ、年率40%もの実績を掲げていたのです。しかし…1997年に発生したアジア通貨危機の煽りを受けて翌年1998年に発生したロシアの財政危機により、あっという間に破たんをしました。

確か…この事例だと思いましたが、この後にロシア国債は急速に市場の信頼を得て値戻しをします。でも僅か数時間の担保がもたず…LTCMは、破たんするのです。いくら一時的な相場の下落でも…いくら論理的に正しくとも、時間軸が合わないと失敗する好事例です。

先日、カタルが飛ばした40億円のベンチャリの話をしました。カーブスが上場されましたが、カーブスのシステムを米国から持ってきて日本で広げたのはベンチャーリンクです。そうして現金が必要なために、虎の子の売れる資産であるカーブスを売却しました。それでも現金が枯渇して…ベンチャリは倒産します。

今でも…よく考えます。まともな金融環境なら、融資が受けられ…良い会社として活躍しただろうと…思います。

結局、この二つの事例は時間軸が合わないと、どんな良いアイディアでも駄目なのです。今回のコロナ騒ぎを見て思っています。時間軸が、相場に合うかどうか…。

時代の流れと相場がマッチできるかどうかの見極めは、非常に難しいのです。だからこそ…株の世界は慎重に考えないとなりません。人間は自己中心的な時間軸で行動をします。

LTCMの事例は、ほんのわずかな時間軸のズレです。あの時間が耐えられるなら大丈夫だったのです。ベンチャリはたぶん2年程の運転資金があれば、残ったのでしょう。このような時間軸の読みは神業です。

カタルは「ブツブツ投資」を推奨していますが、値幅で売り買いをして駄目なら、「時間を置け」と述べています。今は、既に後者の選択時間になっています。論理的に金利裁定の論理が通用しないのです。三菱UFJの株価でさえ…通用していません。

通常は論理的な行動をする地銀でさえ、不可解な行動をしています。リートの利回りは絶対ですよ。既に簿価を大きく割れる株価になっているのです。実際の地価は、そんな一時的な価格で動きません。

場合によれば、全部買って…持っている不動産を売却すると現金が余りますよ。純資産価値とは、そういう事です。企業が持っている資産の一株当たりの価値は絶対基準なのです。日立やトヨタの田舎の土地や工、場なんか現金になりません。売りたくとも売れません。だから眉唾の純資産価格です。売れない資産を元に算出しています。

でも都市銀行である「三菱UFJ」が持っている都心の駅前の資産は、誰もが欲しい場所に建物があります。同じ純資産でも価値が違います。

こんな環境になるとソフトバンクの持っている資産など「紙屑」同然です。だからCDS(Credit default swap)の保証料金が上がるのでしょう。でも10%以下の水準なんか可愛いものです。

おそらく…シェールガス企業や航空機などの企業の保証料は30%を大きく超えるのでしょう。この数字は推察で分かりません。何処か…ネット上で、表示をしている所があるのでしょう…ありました。 国内のものは表示されおり、ソフトバンクは、既に5%になっています。価格は83.83円です。川崎汽船も高く4.49%ですね。国内物の参考サイトは此方ですね。

米国のものが何処かにあると思います。今、WSJなどが言っているのはCLO(Collateralized Loan Obligation)の話です。此方の報道です。

サウジとロシアの対立で原油価格相場が大きく下落しました。更にコロナですからね。CL=F相場が19.84ドルとなり20ドルを割れるのも頷けます。WTIは23.66ドルで先日の安値を割れていません。

これら危ない企業が、発行する借金を保証するCDSなどの商品を組み込んだパッケージ商品がCLOです。農林中金が79000億円に、三菱UFJが24733億円、ゆうちょ銀行は15241億円で…国内の大半を占めています。(昨年9月時点)

だから…なかなか三菱UFJの金利裁定が効かないとも言えます。

でも…ね。こんな金額でビクともしませんよ。全部が消える訳じゃないし…内容は更に分かりません。まとも…かも、知れませんからね。そもそもCDSの相場も相対取引で…市場が在って無いようなものなのです。結局の所、金融の世界はブラックボックスに包まれている部分が多いのです。

このような…いい加減なものを記事にして、メディアは危機を、更に煽ります。自分がテレビのプロジューサーになった気持ちになって、番組を構成する立場になれば分かります。平均値ではなく、もっとも…その出来事が象徴する場面にスポットを当てます。一番、ひどい状態を画面に持ってきます。これは常識です。でも受け手は、それが一般化(標準的)していると思います。

どんな…話もそうです。カタルは論理的な解釈もしますが、基本的に実践派です。評論家とは違います。だから常に実験を繰り返して…相場の体温を確かめます。故に、最初は三菱UFJを買い、そろそろ…大丈夫かな? と考えたので小型株の過小資本銘柄のロコンドを買ってみました。木曜日も650円で500株だけですが、買ってみました。

そうして…今度は「市場の叩き」の対象である「ソフトバンク」を買い始めました。理由は、日経新聞にデカデカと出ていたからです。

メディアが叩く場面が、どんな場面か? 情報が一般化する場面です。通常は、隠れていた膿が曝け出されると「材料出尽くし」と言い、反発する場面もあります。一斉に…叩き始めています。格付け会社のS&Pが格付けを下げて叩いています。それを受け、日経新聞は呼応しました。

何か裏があるのかも知れません。オプションなどの裏取引が背景にあり、株価が3000円を割れると儲かる仕組みとか…。金融の世界は闇なのです。要するに相対取引です。ARM社を欲しい誰かが、交渉を有利に進める為に叩いているとか…。推察はたくさん成り立ちます。金融の世界は白人社会ですから…そんな村論理が働いたのかも知れないし…。

そんな憶測は、どうでもいいのです。僕らは実践家であり、現実を見て行動をするのです。噂やデマで「踊る」のをやめて、有価証券報告書をみて行動をしましょう。

カタルが何故、三菱UFJ、米国債、アップルの株価を、指標に選び観察をしているか? ここに最近になってソフトバンクが加わり、ケネディクスも参加したように感じています。なにしろケネディクスの配当利回りも5%を超えてきました。16円で5%です。17円なら5.3%です。

混乱がいつ終息するか…は分かりませんが、市場を観察していれば、反発時期が読めます。その一例をとして…昨日はアマゾン株の動向を伝えています。本来なら上がるべき銘柄が、市場の流れに押されるようでは…まだ駄目なのです。

木曜日は大引けで…三菱UFJはマイナスに転落しました。直近までプラスだったのです。僅かでもプラスになれば…追証の連鎖が断ち切れます。連鎖を、先ずは断たねばなりません。全ては、それから…です。

故に…その期間が経験則で、2週間の株価維持なのです。そうすると市場参加者は冷静になります。パニックが収まると…論理的な金利裁定概念が働き始めます。

今は地銀がリートを叩き売る時代です。どう考えても、金融マンの行動ではありません。馬鹿丸出しです。まぁ、カタルも現役の頃、第四銀行などの資金運用部長と何度か…会っています。でも第四は、カタルの上司の部長扱いでした。カタルは労金などを担当しました。更に信用金庫に信用組合です。

共済連なども一般的には、一流域の大学出身者で、みんな優秀なのでしょうが、みんな素人ですよ。信用組合の理事長などは、田舎の親父です。カタルは現場経験もありますから…断言しても良いのです。

地銀などは、末端の行動を示す最終ランナーの事例で…その象徴です。最後になって右往左往する連中なのです。

リートが暴落している市場は異常な光景です。だって収益還元法価格に支えられたビルが、いきなり20%も下げますか? あなた方の住むマンションが、昨日まで5000万円で売れていたのに、いきなり4000万円になりますか?

そう言う光景が…今の市場です。本当に…馬鹿としか思えません。でも…ね、慎重に行動をしないとなりません。だから…カタルは三菱UFJの金利裁定を指標に掲げ、この株価がプラスになってから…2週間、経過する必要があるのです。

23日にプラスになったら、今度は4月6日まで…です。23日の大引けを下回らずに株価が推移をしないと、カタルの経験則に合いません。

アップル株は…大引けで下げました。228ドルを付け、229ドルに下げています。先日のチャートの防波堤は233ドルでした。 2018年9月クリスマスショックの前の高値です。ようやく…ここまで来ました。この壁が、一つの基準です。そうしてクリスマスショックの洗礼を受けています。自社株買いなどを原動力にして上がって来ました。

ここに来てトランプ大統領が、企業は自社株買いに現金を使うのではなく従業員に配れとスタバの対応を批判していました。スタバは、新たに4000万株の自社株買いを容認し、昨年から残っている1600万株の追加になるそうです。たぶん…この動きを咎めた発言でしょう。カタルもこの手の企業が、いくら日銭が入るからと言って、キャッシュを何も留保しないのはおかしいと批判をした事を覚えています。これを材料に日経は書く可能性があります。

でもROE経営が、人類の進化を加速させる論理なのです。何故なら利益率の高い産業を育成させるからです。中国が「製造2025」を掲げたのです。その為に経営は利益率の高い…つまり付加価値の高い産業に経営資源を集中させねばなりません。村社会の総資産論理では、世界競争に勝てないのです。

MAGA相場は、完璧な金融システムが構築されているなら、論理的にROE経営が正しい選択です。そうして人類は成長を加速させるのです。だからソフトバンクは面白いのですよ。何故なら、世界で最もアクティブな動きをする会社なのです。たぶん孫さんは「1兆ドル倶楽部」を目指した目標を持っているのでしょう。この試練が耐えられるかどうか…。

でも以前より、あの当時にソフトバンクを叩いた時より、ずっと、いろんな選択肢があります。この程度なら…たいしたことではありません。株価は急落していますが…カタルは楽観しています。問題は、自分の力量です。相場観ではありません。

冒頭に…LTCMの実話を紹介したのは…論理的に正しくとも、時間軸の関係で、力量問題が追い付かないのです。追証は待ったなしの対応を求められます。

来月、10億円を用意できると言っても通用しません。だからケネディクスの投げが後場寄りに発注され、翌日も、たぶん投げものでしょう。それで下落が加速したのでしょう。あれは…証券会社が、顧客の同意を得られなくても、強制的に投げたタイミングです。後場寄りは、追証を入れる正午を待った対応でしょう。

市場は冷淡なのです。LTCMなんか…確かNHKに特集番組があり、僅か数時間の「ズレ」だったと思います。その数時間を耐えられたら…大丈夫だったのです。でも逆説的に…その「投げ」が出たから、相場がスッキリしたとも言えます。

ケネディクスの信用買い残の量は、なかなか減りませんでした。やはり、カタルのように考える人間が、他にも…たくさん居たからでしょう。カタルの推察が正しいかどうかは、来週の火曜日に三市場残が発表されますから分かります。

良いですか…無理をせずにノンビリしましょうね。でも追証の人は自分の力量と相談をして対処を決めましょう。お金があるなら…もう追証を入れて耐えるべき時間です。でも無理をしては駄目ですよ。所詮、お金の話です。大きな問題ではありません。命まで取られません。

今日は会員向けレポートを書く日ではありませんが…会員の皆さんも、相当、動揺している様なので、これから臨時のレポートを書きます。後でお読みください。簡単なものですが、自分の気持ちと比較して…読んでください。たぶん…夕方にはアップできるでしょう。



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