幾つかの指標は気掛かりで…、反省を含め、今回の相場を検証したいと思っています。消費税の引き上げから、国内景気の落ち込みは予想以上に長引き、国内新車販売に見られるように、未だに低迷を続けています。現状の国内景気は、中だるみ現象と思われますが、名目成長率と実質成長率のゲタが、長引く「失われた時代」の影響で、人々の心に深く残像現象として残り、明確に移行出来ずに…現在に至ります。しかしようやく、今回の日銀短観に見られるように…設備投資の増加も始まり、銀行貸し出しも伸び始め、マネーストックの増加が、実感できるようになってきました。この意味は名目成長が、実質成長を上回り始めていることを示しているのでしょう。今の日本経済は、ようやく湿った火口に、火種が点火したのでしょうね。そんなイメージです。
金融危機後の量的緩和の実施から、米国景気は持ち直し、円安の相乗効果から輸出株の企業業績が堅調に推移しました。この所の目玉はインバウンド需要による爆買い効果もあり、国内百貨店なども連続売上減少記録から反転をみせ、元気になりつつありますが、実質所得の増加効果は、2年連続の賃上げにも拘わらず、消費税の引き上げと円安による食料品中心の値上げで、個人のマインド改善は、今、ひとつの印象です。今回の夏ボーナスなどから回復傾向が見られるものの…、同時に米国経済の回復減速と、中国の固定資本効果を中心とした経済構造に変調が見られます。
ここで習近平氏は「一帯一路」の構想を打ち上げ、AIIBの設立など掲げました。しかし世界経済は、米中の成長鈍化により成長が減速するものと思われます。一方、ギリシャ問題で揺れる欧州ですが…こちらも弱いのですが回復途上ですね。しかしEUの仕組み問題を露呈したギリシャ問題やイタリアへの移民処理など…EUのまとまりは今ひとつです。本来はユーロからドラクマに戻せば…ギリシャの債務は国債の暴落により債務は削減され、ギリシャも良い筈ですね。この所の報道を見ていると…ピクテや竹中平蔵の意見のように、カタルと同様に、ドイツはユーロ安の恩恵を、一番、受けてきたので、本来なら譲歩するのが、通常の行動です。ドイツは過去の歴史の中で、デフォルト繰り返しています。
第一次世界大戦の多額の賠償金を払えずに、狂乱インフレや戦争を経験した民族ですね。EUのシステムを守るのが、ドイツに課せられた課題の筈。確かに言い分はドイツの主張が正論です。しかし正論を述べていても問題が解決しないのが、実際の社会ですからね。仮にいま話し合いが行われている財務相会議などで、ギリシャ提案が承認されても、今度はギリシャ国民が納得するか微妙ですね。ギリシャの国内は、それほど…高い危険を孕んでいるように見えます。
一方、中国は人件費の安さから、世界の製造基地を売りにして来ましたが…南沙問題、更にベトナムなどの生産基地体制の向上から、優位性が消え始めています。今回のラオックスの行動を見ていると、中国人のスピード感が分かりますね。先日、公募をして、主要都市の販売網を設けたばかりなのに…、もう、新たな拡大戦略を打ち出しています。インバウンド需要の伸びは続いています。 旅行客の受け入れ推移は、急激に伸びていますが…日本の2000万人目標など…チンケな数字なのですね。世界ではフランスが観光大国で8370万人、米国が2位で7475万人、3位のスペインで6499万人です。10位のメキシコでも2909万人も海外から来ているのです。日本の昨年の水準は1341万人で22位でした。
だからラオックスは、仕手化する要素を、まだ持っていますね。アジア地域の中産階級は世界で一番、伸び率が高く、高い成長で伸び続けています。日本の観光業は、間違いなく成長分野の一つです。東京のホテルの稼働率は非常に高く、なかなか増加需要に向け、設備投資を始めません。これは長引く「デフレマインド」が影響している為ですね。本来なら、都心はホテルの建設ラッシュになる筈です。ある程度は…始まっていますが、統計数字を見ると、間違いなく後追いで、ラオックスのような積極的な設備投資が必要なことが分かります。せめてドイツの3300万人程度まで、日本の観光客数は伸びると…考えるのが普通ですね。
なにも…観光客だけでなく、人口2億5000万人も居るインドネシアを始め、インドも後発ながら追い付いてきます。つまり中国人の爆買いは、第一次ブームのような印象ですね。ピジョン化現象に乗り出す食品株が、非常に高いPERで評価されている理由も、分からないではありません。だからラオックスは、未だに仕手化する要素を秘めています。カタルは2年程度、休むのが普通だと思っていますが…、理想買いから、実績が伴う業績相場に突入するパターンが、最も大きな相場を形成します。目先は上海株の暴落から、一旦は沈んでいますが、まだ分からないのです。
今は観光客だけの話をしていますが…当然、日本の昭和30年代の「三種の神器」と呼ばれる現象が、アセアン中心に興ってきます。だから日本株はスマートコミュニティーと旧世代の需要の取り込みで…黄金期を迎えますね。シャープの復活は…可能なのです。白物家電などを始め、日本の家電は、アジア地域に受け入れられるはずです。この需要は、これから伸びてきますね。問題は際どい綱渡りをしている時間が、どの程度、残っているか? 既に一部ですが、黒田さんが安倍さんに。財政ファイナンス問題で苦言を呈した…との報道がチラチラしています。カタルがガラガラポンを、前から想定している理由は分かるかと思います。稼げる不動産は、量が限られています。土地は無限に存在しませんからね。希少価値なのです。
長引くデフレマインドが、くつがえる入り口にいるように感じています。同時に…量的緩和マジックが、カンフル剤に過ぎないと…実感させられる時間も迫っています。こんな環境では、オプション投資が面白いかも知れませんね。ただタイムリーなアンケート調査の日銀短観の設備投資の変化率を見ると…ようやく重い腰を上げ始めたとも考えられますね。必ず、この範疇から変化率の大きな銘柄が、誕生する筈です。だから今のように低迷し始めている相場の中から、立ち上がってくる銘柄に、注意を払わねばなりません。仕掛け筋は、おそらく銘柄を調べ始めている筈です。先日、紹介した日阪製作所なども候補銘柄の一つですね。要するに、有力な仕掛け筋が参加しないと、相場は始まりません。カタル銘柄も含め、手の入ってない株は、所詮は、全体相場に連れて変動するだけなのですね。
ただハローウィン緩和以後の相場は…創られた指数相場の印象で、個人が喜ぶ、個別株物色になっていませんね。指数だけが上下するだけで、年金などの大量の保有者しか潤いません。その証拠にPBR1倍割れと言う銘柄数は減っているとは言え、まだかなり残っています。ただGPIFなどの年金基金相場は、日本郵政の上場まで続くと考えています。カタルが、年初に年金の買いを予想していましたが、これほど早くに組み入れが進展するとは考えてなかったのです。既に粗方の浮動株は吸い上げられており…どうにでも、その気になれば、値幅効果を発揮できますね。孫悟空は、お釈迦様の手の中を飛んでいるに過ぎません。
三菱UFJにファストリで、短期の売り買いを…と述べたのは、そのような背景をイメージしているからですね。双日が動いた時に、やはり手詰まりを迎えていたのでしょう。出遅れ物色はある意味で、相場の転換期です。この辺りの見方を漠然と感じていながら、無理をして合同鉄鋼などを取り上げた辺りに…、間違いがありました。建玉を減らし、本来なら、空売りを考えるべきだったのでしょう。この辺りの行動が、カタルの3流域から脱しきれない理由なのでしょう。神主さんから、買い場かな?との問い合わせが入ると言う事は…まだ早いのでしょうね。通常は「諦め」から、新しい相場は生まれます。ようやくグリーが、その領域に入ったようですね。諦めが生まれると「地相場」になります。「地相場」とは、これ以上、下がらない株価位置と言う意味ですね。本来の価値観と言う意味ですね。
一昨年末、大人気になった、アドウェイズ…エナリスに、コロプラの新興3馬鹿トリオなど、ようやく地相場の株価位置になりつつあるのでしょう。日本通信もそうですね。カタルは500円以上で売りを述べましたが…なんと1200円ですからね。しかし今回のラオックスは300円を超えた段階で、売り宣言をしましたが、最後の飛びが、なかなかないですね。もう一寸だったのに…、ここで終わるのかどうか…。カタルの目指す推奨銘柄は日揮のようなパターンですね。日産でも、ピジョンでも、沢井でも構いませんが…10年以上伸び続ける銘柄を、推奨したいと考えています。現在は、この手の株は「オリックス」に「リクルート」ですね。通常の証券マンは、オーソドックな銘柄が良いですね。なにも…ハイリスク・ハイリターンに拘る必要はありません。一般のお客様は、程々の儲けで満足します。早い話が損をしなければ良い訳です。
でもカタルは、最近では、ヤフーのような成長株を狙い、007やJTECを推奨しています。そうしてデフレ脱却の銘柄として、一般的には三菱UFJやみずほなのですが…ケネディクスを掲げていますね。流動性の罠からの脱出に、賭けています。そのマネーストックの伸び率が、ようやく高くなって来ました。そのグラフを見て、今日はレポートを終了しようと思っています。(途中で色が変わっているのは…基準変更の為です。)このグラフを見て…、名目値と実質値の成長率変化を考えれば…、何故、カタルが、経営者は3流としながらも…ケネディクスに拘っている理由が、分かると言うものです。株価が下がり時価総額は減っていますが、利益の素であるAUM残高は、伸び続けています。
でも…ね。目先で、述べている訳じゃないのですよ。あくまでも…方向性を述べているだけに過ぎません。目先など、誰にでもわからないのです。だから昔から「相場は相場に聞け」と言われる、所以なのです。勘違いしている読者が多く、困ったことです。