アーカイブ:2021年6月

CPIと金利動向の謎

本日は「カタルの謎」に、ついて考えます。目の前で起こっている「市場の現象」が理解できないと…、パッパラ・パーの性格なのでスルーしますが、一応は自分の頭で考えます。

米国CPI動向の推移

「メディアの解説」を、常に疑っているのです。今の最大の謎は、米国のCPI(消費者物価)が上昇しているのに…米国の金利が下がる現象です。一般的な解説はFRBの「物価上昇は一時的」と言う主張が市場で認知され、年内は「テーパリング」の話は、消えたと言う仮説です。しかし…こちらの数字を見てください。

米国M3の残高推移
米国M3の前年比の推移(長期)
米国M3の前年比推移(短期)

このデータは、米国のM3の残高推移です。コロナ騒動で…異次元のレベルでドルが世界中に垂れ流されている様子が伺えます。

前年比率で25%以上も大きく伸びています。基本的に、これだけのお金が世界中で動いているのに…物価が上がらない道理がありません。カタルの基本知識は「需給バランス」です。物とお金は比例して…価格が構成されていると思っています。

お金をジャブジャブ出すなら、先ずは金融資産が上昇し、商品価格は上がり…当然のことですが、「投機資金」が動き、物価の上昇に弾みを付けるはずです。だって…どんどんドルなどの紙幣の価値は下がります。「紙クズ」を、輪転機を回してジャンジャン刷っていれば…ドルの価値が、低下するのは当たり前です。「物価は上昇する」と言う理屈は、小学生でも分かります。

それなのに…何故、金利は下がるのでしょう。

昨日の日経新聞の解説を読むとインフレ税の発生により、実質金利のマイナスが続くと、もっともらしく…解説されています。しかし…FRBの仮説は物価の上昇は一時的な需要に支えられ、年末まで続くかもしれないが…やがて収束に向かうと言われているが…本当なのかどうか。物価は…ドルの「垂れ流し」で維持できるのでしょうか? 謎の一つです。

更にこの後は、大規模な財政出動が指摘されていますが、この資金需要は国債の発行増になるのでしょう。劣化すると思われるドル資産の購入を、諸外国は続けるのでしょうか? 米国は基軸通貨国だから…「貿易赤字」を認められています。米国は世界の安全保障を確保するための責任、「世界平和」のポリスマンの役割を担っていました。しかし…トランプ大統領の出現で、その約束は…怪しいものです。

既に米国には「ユトリ」が消えているように思います。デジタル貨幣時代になるとドルの信認が続くのでしょうか?

米国10年債の推移

サマーズ元財務長官の述べた、FRBのマスターベーションとは…表現していませんね。「自己満足」だったかな? カタルは非常に「疑いの目」をもって…見ています。仮に年末までに雇用が戻り…賃金の上昇が更に続くようだと…FRBの解説は追い込まれます。そこに財政出動ですから一気に需給のバランスが崩れるでしょう。今の米国の債券金利水準は「砂上の楼閣」のように見えています。

だって…M3の増加は、異常な水準です。これで「投機資金」が動かない道理がありません。物価と言うのは、単なる需給バランスではなく…市場に溢れる投機マネーが商品価格を押し上げるのです。

この現象はFRBの態度を見れば…どんどん加速します。原油価格など軽く100ドル突破すると思っています。つまり実質金利がマイナスの状態が続くので「インフレ税」と言う考え方は、間違っていると…カタルは考えています。だって、世界中の国が一斉にお金を垂れ流しているのです。

ここに…G7の決議は「インフラ支援」です。中国の「一帯一路」政策に対抗する「狙い」があるのでしょう。低金利に甘えたMMT理論が通用するのかどうか…。年末に大きな山が来ます。

ですが…次の雇用統計値は、先日の共和党のリードする州では割増金は打ち切られますから…早ければ…7月の初めには変化があるかもしれません。賃金動向も重要です。

NYダウ指数の推移普通のチャート

本日は様々なデータのグラフ化を試みています。米国のM3の動向を…3枚に分け、消費者物価の動向と、米国金利の動き…それにNYダウの株価を普通のチャートと対数チャートで見てみます。

米国NYダウの推移対数チャート

日本は金融政策の舵取りに失敗して、長い低迷期の「失われた時代」に突入しました。米国は基本的にエキスパートだろうと考えています。ですが…カタルはこの後、想定されるCPIの上昇がコントロール出来るのかどうか…「疑心暗鬼の目」でデータを追うことになります。この話は、全体相場の潮流(相場の流れ)に影響を与えますから、非常に重要なアイテムです。しかし…皆さんの多くは、こんな話は面白くない…話なのでしょう。

やはり…会員レポートは午前様でした。アップしたのが午前4時半ごろでした。遅くなりましたが…会員の方は、是非、お読みください。また…明日。



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