アーカイブ:2022年6月5日

米国雇用統計から弱気論

今回は、米国株の動向をつぶさに見ている為か…カタルの知識も、少し向上している可能性があります。金曜日の米国株の下落は、折角…FRBが9月の利上げに対して、変更の余地があるという市場認識が、覆ったとも言える雇用統計の内容との解説です。此方です。

米国の雇用統計と失業率推移
米国平均じきゅと変化率の推移

しかし…そんなに予想数字より外れている訳ではありません。予想は32.6万に対して39万人増です。しかも前回は43.6万人なのです。失業率は変わらない3.6%でした。この数字はほぼ「完全雇用状態」だと言われています。一方、平均時給は31.95ドルです。前年比の伸び率は5.24%増で、昨年10月に5.35%増から高い水準で横ばい状態を続けています。ただ今年に入ってからの前月比で最も高いのは1月0.57%増加ですが…イメージ的には落ち着いた動きに見えます。グラフと表を共に添付しておきましょう。

雇用統計値失業率、時給などの推移

面白いでしょう。通常は、予想より雇用統計の実際の数字が良いなら、株価は景気が強いという事で、株は買われるはずです。しかし今は、景気が強くて賃金が上昇すると…更なる物価高を容認する材料になるから、株価は売られたのです。

つまり…市場はFRBの「金融政策の転換」を訴えていますが…現状ではなかなかインフレの鎮静化を示す強い指標が出ていません。前年比でみると高いが、前月比でみると、若干…インフレ圧力は弱まっている程度の認識です。

原油の先物価格の反応も、サウジなどが増産を決めましたが…逆に相場は上がっています。まぁ、相場では「知ったらお終い」の理屈です。噂で売って、現実で買う訳です。俗にいう「材料出尽くし」…と言う格言です。

しかも…JPモルガンのダイモンCEOを始めゴールドマンの社長にシティーのフレーザーCEOも、同様に景気悪化の事を述べており、ブラックスワンの番人が警告やテスラ、10%人員削減・採用停止か マスク氏「経済に悪い印象」など…数え上げると、数々の先行きに対する「警戒感」があります。ほんとうに…多くの人が、先行きに対して警戒感を述べています。

カタル自身は、どう考えているかと言えば…これは基本的な認識ですよ。事前に心配される懸念で、実際の相場が大きく崩れることはありません。何故なら、これらの警告が、事前の行動を促すからです。誰もが対処済みになれば…実際の経済が悪化しても…逆に好転する材料を買うことになるからです。

基本は此処です。市場認識が何処まで「悪いこと」を事前に織り込んだか? でも米国の主だった金融機関の連中が、同じことを述べていれば…みんな既に対処済みだという事でしょう。だからもう株を売る奴が、居るのかどうか。…と言う逆説的な考え方に傾いています。例えば…こんな動きからもお金の流れが分かります。景気が悪化るなら、危ない債券を買う人は消えます。ところが逆の動きです。

ARKKの週足推移

既に年初から一貫して株価は下げています。昨日の話題のようにテック株などに特化したファンドは、壊滅的な打撃を受けました。一般的なヘッジファンドの様子は分かりませんが…ARKKのETFの株価を観ていれば…その状況が分かります。良く…下げました。半値は当たり前の水準です。ARKKのような指数株が最高値の159ドルから35ドルまで下げたのです。

これだけ事前宣伝されて…FRBの9月転換説が生まれ、株価が浮上するかどうか…の瀬戸際です。皆さんはARKKの株価を一つの指標として、観ると良いのだろうと思います。

アップル株のロングチャート

もう基本的に…株価は下値固めに入っていると考えています。しかし同時に米国のテック株は、本当に良く上がったのです。ここではロングチャートで…代表的なアップルの株価を観てみましょう。如何でしょう。あのITバブル期の最高値は1.343ドルです。そこから調整して株価は約1/6まで売られましたが…驚異的な復活を果たしたのがアップル株です。

1ドル以下なのですよ。つまりアップルを持ち続けていたら100倍以上になったのです。100万円が1億円を、遥かに超えています。

だから、あながち…JPモルガンなどの指摘も「嘘ではなく」可能性としてはあります。それは米国が大きく政策展開を間違ったときやドルの基軸通貨の崩壊などの世界的な混乱の時でしょう。

しかし…バイデンと言うのは、どう考えても馬鹿です。そもそもロシアの侵略を、何故、容認したのでしょう。事前に察知していたのに…止めなかったのです。アフガニスタンの撤退を観ても、今までの「苦労が水の泡」です。

ウクライナのゼレンスキー大統領も、カタルから言わせると、戦争をしても意味がないと思っています。カタルが彼の立場なら、領土を分割して、逆に実益を得ます。ロシアの経費で街を再建させ…その代わり住民の自由な意思を認めさせます。意地の張り合いと言うか…面子に拘って…命を犠牲にして、いったい何が得られるのでしょう。プーチンの顔を立てて停戦交渉をして30年後とか…50年後に「再交渉」をする約束をさせますね。香港のようなものです。

既に領土に拘る戦略と言うのは、古いと思います。領土が国家の力を示すという考え方自体が風化します。地球連邦構想が正しい道でしょう。話がまた飛びましたが…アップルやアマゾンなどの異常な株価上昇を観ると、裏付けがあるのでしょうが…やはりチャート論からすれば…かなりの「調整期間が必要」になるでしょう。

アマゾンとアリババを比較しては、国家の政策が違うので…単純に比べられませんが、やはり高評価だなぁ~と考えます。だってアマゾンのような巨大企業がPERで58.7倍の評価です。いくら何でも…そろそろ成長株評価から「一般企業」評価に変わる時でしょう。

こんなロングチャートを観ると、日本株と言うのは悲惨なイメージです。

国家が「資産インフレ」を容認するかどうか…で、お金の活動が活発になるかどうか…なのですね。米国の強さは「新陳代謝のスピード」でしょう。兎に角、新しい産業へも資金がドンドン流れます。S&P500種の株主還元率(総還元性向)が100%を超えるという事が、その循環を産み出しています。

しかし日本の場合は30%以下の企業が殆どです。会社を私物化するから…グローバル化の道を歩めません。東芝や日産自動車などのケースを観ると既得権力者の擁護に、検察や司法なども加担しています。つまり「村論理を優先させる」政策です。

今回の岸田内閣の支持率を観ても、メディアに誘導された結果のような印象を抱いています。ただ、ここに来て…株価が上がるなら、カタルは市場原理主義者だから、岸田さんが嫌いでも支持をします。株価が未来を表していると考えています。日本だけですよ。1989年の株価も抜けないなんて…そんな異常な現象を、どのメディアも指摘しません。この理由は村社会のコストが高すぎる面もあります。だから日本の独自価格が長い期間、続いています。

ユニクロやニトリが成功したのは「自明の理」です。グローバル価格と日本独自価格の矛盾を突いたわけです。検察や司法などを頂点にする村論理派閥の力は、非常に強いのでしょう。岸田は「財務省の犬」との表現が出るのは、偶然の産物ではなく、裏があるから、そのような評価になるのでしょう。「火のない所に煙は立たぬ」と言います。

でも新しい資本主義が「資産インフレ容認」に傾き…個人の現預金残の移動を促す戦略は、カタルが前から述べている「改革案」の一つです。一気にキャッシュレス化を推進するなら、カタルは全面的に…岸田支持に変わる「カメレオン」です。ポイントは此処です。

キャッシュレスにすれば…税務署も警察も経費を節減でき、効率社会の実現に歩めます。談合なんか…不可解な論理も、直ぐに解明できます。そうして資金の流れをオープンにすることです。

まぁ、権力者にとっては不利だから、なかなかこの構想は進みませんが、キャッシュレス化が、一番の早道です。だからペイペイを持っている「ソフトバンク」(通信=9434)の株価も強いと思っています。この株も5.83%の「利回り配当」株ですよ。株式投資なんか…簡単ですね。金利裁定は、絶対なのです。

ここでカタルが主張している論理を裏付けるというか…解説と言うか。そのレポートを紹介しておきましょう。

何故、世界的な物価高が、日本にとって有利か? 更に米中対立から「経済安保」問題に発展して…「国内回帰」から、日本の人件費が上昇する話をカタルはしていますが…同じような内容を学者先生が述べています。カタルは、こういう主張を日経新聞やNHKが盛んに取り上げれば…世論は変わると考えています。カタルがいくら…力説をしても、所詮は貧乏人の戯言にしか…聞こえませんが、学者先生なら…別です。やはりブランド効果は強いのです。

つまり…多くのデータと言うか、時代が日本株の上昇を告げています。

何と言っても「金利裁定」が絶対的な基準です。だって定期預金などは0.002%程度の世界です。確か…新生銀行が0.2%と若干高い金利ですね。実は原稿を書くに辺り調べたら…こんなに低い金利なのですね…驚きました。やはり株は、上がります。ここにキャノンのような国内回帰に向かう企業が、続々と設備投資をしますから…課題である「賃金の上昇」も必然です。岸田政権では最低賃金の引き上げを考えています。最後は…これしかありません。どんどん…最低額を上げれば良いのです。そうして淘汰して、産業構造を変えましょう。

今の日本株が、上がる理由はいくつも見つかりますが、株価が下がる理由はあまり…ありません。何しろ…法人企業統計の実際の数字が株高を支持しています。村社会維持のためのコスト高と、グローバル価格が均等化して…国内回帰も盛んになります。グローバル化の完成系で、イメージしているのが、やはり「コメ」の価格です。まだまだ国内米の価格は、非常に高いのでしょう。

本日の原稿は雇用統計値から…発展させました。基本的に米国のインフレ圧力は鈍化していますが…まだ分かりません。やはりここに来ての原油高は不安の種です。カタルは中国やインドの需要がロシア産に流れ、グローバル価格で調達する原油需要が、それほど…膨らむとは考えていません。EUの切り替え需要は時間を掛ければ軽減します。だって最大の消費国の中国やインドはロシア産の輸入に向かいますからね。

そうして…村社会構造の日本にとって、インフレは資金を動かす起爆剤になりますから…良いことです。最近、MBOやTOBが多発しているのは…その事を意味しています。だから企業は、既に内部留保を積み増せないから…配当などで還元するようになります。ニコンのような100%以上の還元率を目指す企業も増えるでしょう。

海運株も、今度の川船は、普通の内部留保水準に近づきますから…海運株以外の企業と比較すると「高額配当」です。前期は、既に増額して600円にしたのです。株価が1万円で6%です。今期はそれ以上に分配をします。

カタルはフロックの利益だから…50%程度を還元すべきだという論者ですが、日本郵船がどうするか…です。カタルは商船三井が先行して、自社株買いの1000億円程度をする可能性があるとも…考えています。これが8月の船株の爆発高を起爆剤と思っています。更に…川船も時間の問題で1:3の「株式分割」に踏み切るでしょう。

Jトラストは、金曜日の寄り前の気配値を見れば分かりますが、いつでもやれます。ですが…僕らは高値を追わない。ここは下値があるならジックリ…腰を入れて株を集める所でしょう。カタルは更に買い増しを考えています。

でも短期運用の口座は減らします。その理由は、増し担保だから…資金効率が悪いからですね。だって他の株なら2倍買えます。ネットの場合、色んな規制があるから、やはり運用する口座は2つか3つ程度は必要なのでしょう。概ね大証券は一般基準に準じています。小さい所は、資金力がないから、店内残の影響を受けて…独自の規制をするのでしょう。

米国ではFRBの「9月転換説」が生まれ…ムードが変化し始めています。様々な悪材料が伝えられて、それでも株価が下がらないとなるなら、もう「新しい展開」です。基本的にJPモルガンやゴールドマンサックスなどの大手金融機関が、弱気を言っても…実際の株価が上昇するのを観れば、自ずと…買うための「戦略」を疑います。あいつらは…手口が巧妙です。

カタルは、常に前向きな見方しかしません。しかし現実に、これで今回の下落相場を乗り切りつつありますから、カタルの見方も一理あるのでしょう。

世の中には様々な意見がありますが…自分が、どの意見を採用しても自由です。問題は投資の仕方です。何故、「自分が間違っている」という概念を採用した…ブツブツ投資が正しいか? 未来図は誰も分からないからです。

故に、どう転んでも…対処方法を持っていることは、非常に大きな強みです。株価は上がっても、下がっても…どちらでも構いません。皆さんも、無理をしない投資を心掛けましょうね。一発で、儲けようとせず…ほどほどが、一番なのでしょう。それでは…また明日。



amazon.co.jp 全品に拡大 無料配送キャンペーン実施中!詳細はこちらをクリック。
2022年6月
« 5月   7月 »
 1234
567891011
12131415161718
19202122232425
2627282930  
株式投資関連の本