見えてきた新時代

市場ではトランプ新大統領就任を巡り、様々な憶測が飛び交い…基本シナリオは減税と大型の財政出動です。一方、負の政策は自由貿易への懸念で、効率化が失われることですね。リカードの比較優位論(比較生産費説)が成り立ちません。この結果、前者は米国のインフレと金利高であり、グリーンスパンが予測する上限5%ラインに向け、動く可能性が高いと言う事になります。関連記事は此方です。

重要な点は、この記事はクリントン政権を前提としており、それでも…このスピードとの観測で…トランプ政権下では、この動きは、さらに加速されます。今は金利差が生まれるので、「金利平価説」の観点から、ドル高が有利になっていますが、当然、最初は財政が悪化します。全体のパイの拡大度合いが緩慢だと…財政赤字問題が急浮上します。そうしてドル安になりますね。

逆に…経済全体のパイの拡大(名目時代)がスムーズに進み、円滑な効率化が進展すれば、財政の悪化度合いは、成長の「のり代」で帳消しになります。好循環の拡大で先進国の成長が加速する事になります。

そもそも金融デリバティブが発展し、信用度の低い新興国にも資金が回り、新興国有利の時代が、長く続きました。東西冷戦の崩壊から、一気にグローバリズムが拡大し、ファブレス化したのです。これが空洞化に繋がり、先進国の不満の温床になっています。

カタルは一度、先進国への「回帰現象」を述べたことがあります。「アーク」(7873)を薦めた時に、日本の中小企業を寄せ集めた空洞化の余波を、一番受けたアークにも、再び、成長の芽があると考えた時期がありました。先進国への回帰論です。トランプ氏の政策は、この回帰論を加速させる可能性があります。

限りなく先進国と新興国の差が縮まり、今度は、休んでいた先進国が、スマートコミュニティーを取り入れた効率世界に向け、一気に新興国を、再び、引き離す時代が到来した可能性があります。NAFTAなどの見直しは、メキシコなどの成長を阻みます。逆に米国への生産回帰現象が起り、この生産システムは、IoT化が一気に進みます。だから旧時代の生産設備の陳腐化が起りますね。これまでの空洞化現象を支えていた人件費だけの優位さが消えます。

一例は…こちらの記事です。シティーバンクはオーストラリアでキャッシュレス化に踏み出すそうです。実はカタルは、日本はキャッシュレス社会に向かうのが、一番、効率的だと考えており、今回のiPhone7の登場で、一気に、日本でもこの動きが進展するんじゃないかとも…考えています。いつか…日本にも課題がありますが…その動きは緩慢で歯痒い思いを抱いています。キャッシュレス社会、コンセッション、電子カルテ整備からのデータ利用、準天頂型衛星などの未来型社会資本整備、農業の工場化の促進など…やる事は、山のように存在します。

市場経済の雄である米国が、この方向性に舵を切ったことにより、世界中の先進国の成長が一気に加速します。もともと下地は…出来ていました。金融規制克服論ですね。だからグリーンスパンも、持論である加速説(インフレ)を述べていたわけです。そこに清貧思想論者のクリントンが破れ…市場原理派の成長論者であるトランプが誕生したわけで…先進国の株価は、一気に…ステージを大きく変える可能性が出て来ました。

今回の半導体の相場は、あくまでも前兆を示す「走り」なのでしょう。本格的なIoT時代の到来は…これからですね。来年でしょう。金融規制の緩和により、資金が円滑に回るようになり、この動きを大きく後押しする筈です。日本は金融庁がノルマを復活させ…「事業性評価融資」を査定項目に加え、目標として…銀行にノルマとして与えています。素地が整ってきました。企業の現預金は242兆円もあるのです。もともと日本はキャッシュレス化の素地を持っており、IoT時代を加速させやすい環境にあります。

問題は…メディアなのです。大衆迎合する「安全・安心」を過剰に取り上げますね。NHKなどは、いつまでも東北大震災の関連放送を継続させています。過去の過ちを教訓にして、未来に向けて歩むべきなのです。だからメディアの馬鹿論理を押し付けるべきではありません。未来志向に主張を変化させるべきです。

安心・安全など、何処まで求めても、限りはありませんし…あり得ない机上の空論です。豊洲の移転問題など観ると…馬鹿としか思えません。当初は小池知事への評価は高かったのですが…最近は、悪戯に行政を混乱させているだけのようにも見えます。他人批判より、先ずは、自己実績を積むべきです。東京の国際金融都市化などは…国が税制面での整備を行わないと…東京都だけの単独では、無理なのです。特区形式で、地区を限り…税制整備すれば可能ですね。大手町周辺の価値を上げればいいのです。

仮にあの周辺だけ…税制免除の特区に指定すると…、大手町周辺の地価が一気に上昇し…10倍程度になります。その特区だけの地価は跳ねあがります。当然、その金融街に仕事をする人が増えますから、東西線沿線などの住宅地価も…高騰して行きますね。その効果は、やがて東京全体に波及します。そうして比較観が働き、地方に拡大します。常に経済は、基本のパイを大きくすることを考えるべきです。「失われた時代」下で、散々と清貧思想を繰り返し…、一体、何が生まれました? 大量の自殺者と、東芝や三菱自動車のような不正ですか? 電通事件など…街の中小企業の出来事ではないのです。

メディアは、このような世界を、自らが作り上げて来た訳で、猛反省すべきです。大衆迎合する同情だけを売りにする報道などの馬鹿放送を止めて、国民を豊かな方向性に動かす事が、使命の筈です。NHKのディレクターは猛省すべきです。馬鹿メディアめ!

経済が縮小すれば…、国民は疲弊し、最終的には…戦争などの武力衝突なのです。ブレグジットもトランプ現象もそう言う事ですね。これらの現象は、現在の在り方への「警告」なのです。早くメディアが、自分達の姿勢を見直し、国民を正しい方向性へ導くべきでしょう。皆さんの御健闘を…期待する限りであります。互いに…頑張りましょうね。



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