カタルは長く…何故、日銀が、これだけ量的緩和を実施しているのに、なかなか物価の上昇率も上がらず、資産価格も低迷しているのか…が不思議でした。この現象を「流動性の罠」と呼んでいます。
この「流動性の罠」が存在するために、みんなが…積極的な行動に転じる「名目時代」になかなか転換しないのです。
その不思議だった謎を、解明するヒントが、昨年の7月7日の19面の日経新聞に、馬場記者が掲載した「失業率と消費者物価」の関係を示した記事なのです。この「馬場レポート」を見て、カタルは全ての謎が解明された思いでした。
現在のカタルの相場観は、この馬場レポートが、前提となって、相場観が組み立てられています。
バブル崩壊前の日本経済は、誰もが積極的な行動をする希望の溢れる社会でした。それがバブル崩壊により、大量の不良債権が生まれ、その後、この後処理に長く苦しんで来ました。これが「失われた時代」です。
この時間が、余りに長くなったために…今では、誰もが成長していた頃の日本を忘れており、消極的な行動に終始しています。何故なら、多くの人が「動けば失敗する」社会だったわけです。ライブドア事件なども、その一例でしょう。故に、誰もが保守的な行動になりました。デフレが日本国民のやる気を奪ったのです。
今でもメディアは、僅かな失言を捉え…政治家や芸能人を叩き、社会の寛容さが、すっかり失われています。まるでチクリの共産国家みたいなものです。昔、特高警察が存在していましたが、似たような状況です。基本は永すぎた「失われた時代」の為に、すっかり実質経済に人々が慣れて…名目時代の寛容な希望が溢れる社会を忘れたようです。故に…昨日も示したように…企業は異常な内部留保を貯めこみ、なかなか積極姿勢に転換しないのです。
この原因は…全て政策です。今は森友学園から加計問題と…再び実質経済を望む、清貧思想の派閥が巻き返し、名目時代への転換を図る安倍政権を追い込んでいます。微妙な状況ですが、先日の茨城知事選では、辛うじて…名目時代の大井川氏(497361=自公推薦)が、村論理の実質時代の現職の橋本氏(427743)を破り、当選しました。僅かな得票差でした。
外人投資家が、何故、日本株を外したか? 北朝鮮問題などのリスク問題ではなく、本質は安倍政権の基盤が…弱体化している為なのです。多くの評論家も識者と呼ばれる学者先生も、実態を知らないのでしょう。自分で株の売買をして、追証でも経験して、その恐怖に慄けば…真剣にデータ分析をするようになります。データと言うのは正直です。
そのデータを読み解く力がないから、福井元日銀総裁の様に…折角、日本経済が浮上しかかっているのに…「羹に懲りて膾を吹く」のです。(Bの所です。)バブル期の失敗と、あの浮上は…まるで別物です。そんな見分けも付かないのです。その様子が、此方のグラフです。このグラフを掲載する馬場レポートで見て…カタルの謎が解明されたのです。
経済は回復していましたが…なかなか失業率は、昔の名目時代の水準に戻りませんでした。その節目が、完全失業率の3%割れなのですね。日本の経済転換のチャンスは、過去2回ありました。Aの時とBの時…そうして今回は3回目の大きなチャンスです。
こんな所で、「テーパリング」など…と言う一見すると、正解のような…清貧思想論者の戯言を聴いてはなりません。
バブルが発生するまで…徹底して現金を保有しているアホらしさを叩き、日本人の清貧思想を、叩かねばなりません。インフレを発生させれば良いのです。そうしないと…「失われた時代」のギャップ(世界経済への遅れ)は、なかなか埋まりません。中国なんかに負け続ける訳に、行かないのです。
カタルは現状の日銀の政策を支持しています。本当は、もっと大胆にやれば…時間を短縮できたのです。でもカタルのような50兆円構想など…実現しませんでしたね。でも時間はかかりましたが、この状況でも、ようやく…経済統計は、正常値に復帰し始めています。あと一押しです。ケネディクスの株価だけ…見ていれば、この状況は分かります。
幾つかのグラフを追加で示しておきます。
正社員の新規有効求人倍率も1倍を超えた所なので…ようやく名目時代に突入し始めた所です。まもなく…人材関連だけでなく、設備投資も起ります。日本の設備は、兎に角、老朽化しており、改修などでは、とてもとても…効率化投資になりません。故に新規生産設備を、一から作ることになります。だから此処にスマートコミュニティーの確立が急がれます。ようやく…準天頂衛星も、この秋に4号機が打ち上げられ…GPSも利用しやすくなります。厚生労働省は、早く電子カルテなど…遺伝子情報の利用も含め、関連法案を改正しなくてはなりません。
メディアは、何故、大切なこのような事を話題にして、対応を急がせないのか? 森友や加計などを取り上げている場合ではありません。あなた方が、日本を駄目にしています。報道の在り方を、もう一度、考えましょう。過去の話題より、未来の話を中心に報道を組みましょうね。本当に皆さんは、優秀な人間なのですか? 真価が問われます。
最後に…この後、人件費が上昇し、物価も上昇する筈です。ただ此方はスマートコミュニティーの浸透が進み、なかなか物価は上昇しないのでしょう。アマゾンは先日、ホールフーズを買収したばかりで…いよいよ実際の店舗でも、効率化のスマートコミュニティー化するところです。この進展度合いが、どの程度のスピードか? AIスピーカーの導入も注目されます。
故に、なかなか物価は上昇せずに、経営環境は素晴らしい状態が続きます。問題はFRB内でも意見が割れている様に…物価が上昇してないのに、予防策を急がない事です。現在は新しい時代の入り口に位置しており、過去のデータが役立ちません。政策にも、想像力が求められます。この辺りの…力配分の中で市場は、彷徨う事になります。
本日はカタルの相場シナリオの一つ、「馬場レポート」を解説して、労働指標が、如何に大切か…。今の状況は、名目と実質時代の端境期に位置していることを、データから示しました。果たして…来年の春闘を前にして、スムーズに賃金が上昇するパターンを形成する事が出来るかどうか…。この辺りが非常に重要なポイントなのです。だからアウトソーシングなどの株価が、上昇しているのですね。
でも本日の日経新聞にも、建設資材上昇の値上げ状況が載っています。カタルのこのメイン・シナリオは、正しいと信じて…行動しています。人件費と物価動向が、次の注目になります。それでは…また明日。
さて…有料株式教室の会員の方へ
昨晩遅く…と言うか、本日の日付が変わってから、第3回目の新規講座を原稿をアップしました。原稿を書くのに手間取り遅くなりました。ごめんなさい。是非、読んでくださいね。