市場の整合性とギャップ

カタルの認識は、もう直ぐ名実ともに…本格的な名目成長時代に突入するというシナリオを信じて行動しています。この分岐点が日経平均株価なら22750円です。既に都心の地価は毎年20%近くの上昇を続けています。

具体論で言うなら、素人であるカタルの息子が3年前に東京でマンションを購入しました。中古物件でしたが、4000万ほどで買ったのでしょう。入居前にリフォームをしてお金をかけ、3年間住んでいましたが、1割ほどの「儲け」で売ったそうです。3年間の家賃などはローンの返済と相殺でしょうが、リフォーム代も含めての話で、単純計算では3%程度の利殖ですが、もし貸しビルなら…やはり年率10%以上にはなっているのでしょう。素人でこれですからね。カタルの家から1時間でこれです。

確実に地価は上昇しています。ここ最近はオリンピックの特需景気もあり鋼材価格などは高いのでしょう。この上昇分だけで10%以上なのでしょうね。2割近いかもしれません。まぁ、実感は兎も角…プロ運用のイチゴHDは年率で16.5%です。消極経営だったケネディクスも、ようやく経営方針を転換して積極経営を始めて1年が経過します。

でもカタルはいつも述べている「市場の整合性」が疑われる現象が市場で起こっています。そうです。割れないと思っていた700円を割った三菱UFJの株価の謎です。なぜ、下がるのか? この所の金融株の下げは名目時代への期待が後退した…と日経新聞は報じていました。でもカタルは…別の見方で、株式持ち合い構造の「最後の清算」だと考えています。

本日のニュースは此方です。兎に角、BIS規制から発展したボルガールールや米国のFRB規制はガチガチです。その為にカタルは、なかなか世界経済が名目成長に移行できないのはこの金融規制の影響が大きいのだろうと考えてきました。この記事は、その考えを裏付ける報道です。世界の金融界は総資産の圧縮に走り、リスク資産のウェートを減らしてきました。この減った分を世界の中央銀行は量的緩和を通じて補ったのです。

でも米国がテーパリングを実施して利上げに移行して、イタリアやスペインを抱える最悪だった欧州がテーパリング表明をしました。つまり世界経済はようやく名目経済と言うか…物価動向が上がりやすくなっています。

日本は少し世界の景色と違います。経営陣の頭の構造が狂っていました。世界経済の金融は総資産を圧縮して自己資本比率を上げてきましたが、日本は自己資本も補ってきましたが…それ以上に総資産も増やしてきました。しかも、なかなか効率化が進みませんでした。

三菱UFJを見ると分かります。米国のユニオンバンクはM&Aなどを繰り返し規模の拡大に奔走してきました。まぁグローバル展開が遅れていた面もありますが、ここ数年は規模の拡大に終始しています。世界の動きと逆行しています。これは日本では利ザヤが得にくいからなのですが…総資産は拡大を続けてきました。

でもここに来て、布石をある程度、打ったためか…効率化意識に芽生えたのか…。明らかに別の動きに変わりました。店舗を閉鎖し…新規雇用を減らし、RPAを導入して効率化を図っています。おそらく…持ち合い株の売りは、取引関係が希薄になっていく中での一貫だろうと考えています。合理化を進めると…取引が消える場合もあるのでしょう。

カタルの観測ですから何とも言えませんが…、カタルは今回の都市銀行の下げは、「夜明け前の下げ」に見えるのです。株はいつもそうですが…本格的な株価上昇を迎える前に、必ずと言っていいほど…株価は、一度、大きく下げてから…上昇を始めます。どうもその現象ではないか?と思っているわけです。

そうしないとイチゴHD(ケネディクス)株との整合性が得られません。本来なら、邦銀株も名目時代に活躍するグループです。ここから全体が更に下げるのか? それとも…金曜日の三菱UFJの逆行高は、新しい時代の光明なのか?

そもそも地銀を含め…本来なら利ザヤが減っているから、効率化を進めるべきです。要するに総資産の圧縮を進めるべきなのです。金融はフィンティックの発展で、合理化効果が出やすいのです。取引先の選定など含め…選別融資に切り替え、リスクを取って規模の縮小をすべきです。そうして…余った過剰資本を、自社株買いなどを通じて減らすべきでしょう。総資産を圧縮して利益率を上げれば…自己資本効率は高まります。

銀行が変われば…日本企業の経営者が本格的にROE概念の導入に目覚めると思うのです。この教育が欠かせません。日経新聞はこの論理を、もっと紙面を使って経営者の教育に努めないとなりません。ROE経営は世界ルールです。お金は効率的なところに…どんどん流れるのです。利益率の低い産業はM&Aで淘汰されるべきでしょう。

本日の重工の造船部門の縮小は当たり前の現象で、追い込まれてから実施しています。何故、10年、20年前に実施できないのでしょう。日本企業の経営者の資質が問われます。フジテレビの日枝さんは退職されたそうですが…あんな輩が、日本中、至る所に居るのが弊害なのです。本当はライブドアが変わるべきだったのでしょう。村論理は弊害も大きいですね。

ケネディクスの宮島さんは、いつもイチゴの背中を追っていますが…そろそろ先行して「コンセッション」を手掛けたら、どうなのでしょう。コンセッションは無限の成長で…しかも世界モデルになります。今の日本を構造的に変えるチャンスです。コンパクトシティー構想など…モデル都市を造ればいいのです。そうすれば…横並び意識の強い日本人は、あっという間に、この成功体験に群がります。

財政破綻した夕張が実験都市として正しいかどうか分かりませんが…社会基盤の劣化はドンドン進み、待ったなしの改革なのです。故に売り上げはウナギ登りの需要があります。金融の仕組みを知り、ノウハウもある筈です。政府の補助金などの支援も得やすい分野です。

昨日、NHKのBSで…一部だけでしたが、サンデル教授の白熱教室の「移民を拒む権利はあるのか?」を観ました。面白かったです。移民問題は、日本も他人事ではありません。まえもって自分の考えを整理するのに役立つ番組でした。何処かで…みられると良いのですが…。株式投資もそうですが…成否を決めるのは自分の判断力です。故に経済の基礎知識などを含め、合理的な判断が出来るように…自分なりに努力して準備をしなくてはなりません。

カタルのレポートは、いつもヒントに過ぎません。カタルだって謎なのです。何故、三菱UFJが下げ続けるのか? この合理的な理由が分からないのです。日経新聞のインフレ期待剥落では説明がつきません。市場の動きに整合性がないからです。正しい未来は…必ず、見えない一本の糸で繋がっています。NPCもやれると考えていましたが、しかし…今の市場には、その手の「仕掛け人」が不在なのでしょう。カタルがお金持ちになったら、間違いなく、このようなギャプを突きます。

株式市場での儲けは、未来の先取りです。未来のイメージと、現状の株価のイメージの間にある大きなギャップを見つけて、それを修正するのが株式投資です。未来を先取り、株高にして資金調達を円滑化して社会貢献をするのです。それが株式投資のあるべき姿だろうと考えています。儲かるから…儲けるために株式投資をするのではなく、株式投資を通じて社会を変革して…より良い社会を形成するのです。カタルはそう考えています。

まぁ、それぞれが考えればいい話です。それではこの辺で…また明日。



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