アーカイブ:2016年3月

政策転換の意味

昨日のレポートの後、後場寄りのソフトバンクの売り物を観て…たぶん売り決めクロスかな? でも本来なら、指数同様に上がる筈なのに…おかしな動きだったので、期末に向け、株価が上がると思っていましたが、実験の玉を残し処分しました。

理由はスプリント株の減損会計処理が否めない為です。大雑把なのですが…買収額は2兆円程度の筈です。のれん代などの計上が、いくらなのか分かりませんが…確か、買収時の株価は7.65ドルの筈、現在の相場は3.26ドル台です。推察ですが、これ以上の自社株買いはルールで出来ない筈です。15%は残さねばなりません。株価が半値以下、または赤字計上が続き、望みがないとすれば、買収代金の「のれん計上分」を、一括して減損処理しなくてはなりません。実際には為替動向もあり80円として、現在は113円なので4割近く鞘があります。この処理がどうなるのか分かりませんが、会計士が問題にしても、おかしくない案件です。可能性が存在すると言っているだけで、実際になるかどうか分かりませんよ。何しろ、日本は村社会なのです。

自社株買いの5000億円は、まだ全部を買っておらず…かなり残しているものと推察しています。つまり…期末前か、期越えの…いずれかの時期に、大きな減損処理をする可能性は否めません。この事は買う前から分かっていましたが…昨日の後場寄りの動向を観て、途端に…利食いを急ぎました。まぁ大型株だから、仮に減損を発表しても、自社株買い対応もあり、おそらく、そこが下値でしょうが…この口座は、目先の実験口座なのでソフトバンクのポジションを閉じました。5690円だったかな? そうして、昨日の寄り値でも買った…と報告しておきながら、気が変わったことを陳謝します。でも相場だから仕方ありませんね。6000円に届くと言いながら…その目標価格前に売ったのです。ただ100株だけ残しました。これは実験を観るためです。でもこれも売るかもしれません。

あまり、カタルは自己主張を変えませんが…今回はレポートを書いて、直ぐに方針転換したので一応、読者の中にはカタルと同様の行動をとっている方がいるかもしれませんから、報告した次第です。

さて…シャープの話が日経に載っていました。正式発表を観てから考えようと思っています。ホンハイの参加により、シャープは簡単に正常化すると思っていますが…チャンコロ(下品でゴメン)の行動が、気に食いません。カタルの悪い癖ですね。でもこればかりは心情だから仕方ありません。

さて小型株の話題を書くか…。それとも日本の動向を書くか迷いました。でも多くの人が「デフレ」と言う環境を認識していませんね。故に、何度もの重複になりますが…ここで改めて纏めますね。宮澤喜一は東大法科を、たぶん首席で卒業し、エリートとして大蔵省に入りました。そうして米国に留学し人脈を形成し、政治家に転向しましたね。その一般的には、優秀な筈の人間が、年収の5倍で家が買えるように…所得を上げるのではなく、異常に高騰した地価を下げて、5倍で買えるように…デフレ政策を選択しました。

マネタリーベースとマネーストックの伸び率推移

マネタリーベースとマネーストックの伸び率推移

 

先日来、何度か登場しているマネーストックの話ですね。13%台の伸びから、いきなりマイナス転換させる急ブレーキを踏んだのです。日本と言う車が300キロ近い猛スピードからの急ブレーキです。乗っている人間は、どうなりますか? みんな振り落とされますね。あとには残骸だけです。銀行を始め、生命保険も、みんな高値になった地価を基準に融資を実行したのです。その地価が半値以下になれば…会計上も減損処理が必要になり、土地だけでなく、株もそうですね。当然、年金積立額の不足分も、利益から捻出しなくてはなりません。工場を売るにしても買った値段より下がり、売った時点で損失計上が必要になります。全てが逆回転です。バブル崩壊の仕組みを、全く理解していなかったのです。

宮澤喜一だけでなく、三重野康もそうですね。株が急落しているのに…日本経済は盤石で株や土地が下がっても、経済は大丈夫だと豪語したのです。米国でこんな政策を実行したら、忽ち首です。イエレン女史が、インフレを懸念し早めに利上げを選択して、僅か0.25%引き上げただけで…大問題になっていますね。何処の国で…マネーストックの13%台の伸びから、マイナスに転換する馬鹿政策をする担当者がいるのでしょう。

まったく経済を知らない人間が、上部に存在する日本の村論理です。日経新聞の記者も同様です。彼らは現場の実践経験がありません。エリートは大蔵省と同じく、大蔵は税務署へ日経は地方の支社へ、1年間勤務して現場を観ます。そうして兜町から日銀などの記者クラブを渡り歩き、海外へ転勤して英才教育を受け、帰国して編集委員などになりますね。でも彼らは現場で、新聞の勧誘もしたことがない筈です。

カタルは2か月、体が慣れるまで掛かりました。体重が10キロ落ちましたね。新聞屋は単純な仕事なので…一人前になるまで、カタルは3か月ほどでセールスもこなせました。自分のエリアの販売部数を落とさずに…セールスを続け、配達もこの年なので早くはありませんが、一応、合格点のスピードで配りました。350部程度を、6時半までに…配りましたからね。意外に、やってみると大変なのです。半分…駆け足です。おそらく日経新聞のエリートは、自分で…ここまでしてないでしょう。最低半年程度、新聞店の実際の販売や配達をやってみなくてはなりませんね。雨の日は大変ですよ。

株屋もそうですね。カタルは毎日、売り買いを続け、それでもこの有様です。実際の経済論理などは、実践を通じて学んできました。もっと恵まれた環境を選択できたなら、もっと早くに経済の仕組みが、分かったかもしれません。今でも、毎日レポートを書きながら試行錯誤しながら勉強して、実際に自前の資金を投じて、勉強を続けています。ようやく…運用資金が最近増えたこともあり…実験が円滑に出来るようになりつつあります。でも失敗ばかりですね。つい先日もパイオニアで、手痛い目に遭いました。やはり偽物をやっちゃ、駄目ですね。

日本は、偽物でも…トップに立てます。シャープを観てください。小学生でも分かる理屈のように思いますが…今回のドタバタ劇は、いろんな「しがらみ」があり、纏めるのは大変なのでしょうが…この程度の処理が出来ない人間が、上に居るわけです。山一證券は…あれだけ、手厚い事後処理をしても、僅かな損失でした。市場の評価もずいぶんと…いい加減です。ライブドアもそうです。あれは投資金額を上回り、上場廃止でも儲かりました。

村論理は良い所もたくさんあります。でも少し実力主義に変化させるべきでしょう。最近は経営者の報酬が1億円を超えるのが、当たり前になっています。本当にそれに見合う仕事をしているのかどうか…。疑問のある経営者も居ますが、頑張って欲しいと願っています。

デフレ社会は、全てが逆回転で、目に見えない損失が膨らみ、その処理もしなくてはなりませんから、製造業が成り立ちませんね。工場を建てる為に土地を買った瞬間から減損処理が始まります。設備投資は日進月歩なのに、会計上の償却年数は長く、そうして古い為に、処理は後手に回っています。だから半導体などは…負け組に転落しました。儲かった時の税金も高いし…大きな損失の時は、前に払った税金は戻って来ませんね。米国では7年間だったかな? 猶予がありましたね。カタルの現状は…この制度なら、復活できたわけです。あるいは買った土地が、売れるなら…何とかなったのです。日本では土地を買ったら最後、東京を除き、価値がありません。試しに…田舎の土地を、地方自治体に寄付したいと申し込んでみなさい。断られますね。こんな社会にした罪は、馬鹿な政策を実行した政策担当者にあるのです。その為に半沢直樹の世界が誕生しました。意欲ある若者は日本を捨て…海外へ向かいましたね。

ようやく…デフレが沈静化し、転換してきたのが8年ぶりの公示価格の上昇です。2013年4月の量的緩和実施から、3年の歳月が経過しました。ようやくデフレの出口に差し掛かりました。まだ「出口」が、見えて来たところです。ところが日経新聞は馬鹿な論理を並べ記事を掲載しています。一部のメディアは、最近の地価上昇が、バブルだと述べているアホも居ます。言葉の意味を知りませんね。実際のバブルは、地価が10倍も20倍にもなれば…バブル状態だと認識もします。ITバブルは1、万円でも高いと思って売ったソフトバンクが、そこから20倍の19万8千円です。これがバブルと言うものです。カタルはコツコツ買い続け、1万円は高いと思って売ったのです。それなのに…このような経験が、カタルの知識になり蓄積されてきました。

3月22日の日経夕刊の3面に、国土交通省は不動産市場を倍増の30兆円規模に2020年目標で取り組む報道がされています。この意味は年率で25%ずつ伸びるのですね。年率30%の世界は、株式の世界ではPERが100倍で、評価されるのですよ。論理的な数字の世界です。ケネディクスの一株利益が50円なら…株価は5000円ですね。この記事の意味が、理解できない馬鹿が、世の中に多過ぎますね。

一方、3月7日の日経朝刊に、赤字でも成長資金を融資する方針に金融庁が転換したと述べられています。この事は、「実質成長」の世界から「名目成長」の世界への転換を示すのです。今までは、赤字の会社は清算されるのです。ベンチャリを見れば分かります。でも今なら、ベンチャリは有望な成長企業になっていますね。銀行融資が一時的な落ち込みをカバーして、フランチャイズの成功企業として…株価は1万円でしょう。でもあの時には、この認識が、カタルにはなかったのです。金融庁の厳格な指導を理解していませんでした。

実際の話ですよ。カタルの勤めていた証券会社は、関東財務局が査察に来ます。事故に遭った担当者の言動が実話かどうか分かりませんが…、おそらく彼は事実を話しています。顧客との間に、売買一任取引の書類が作成され…その証拠を元にして、処分されました。もしそれを認めないと、永遠と…関東財務局は大宮かな? 毎日、呼び出しを受け、根を上げるまで絞られます。警察の尋問と同じですね。だから、証拠のねつ造でも、何処かで妥協する必要があったのです。これが当時の実情です。半沢直樹の世界は、実話なのです。

だから…3月7日の金融庁の方針転換の価値が、どれ程のものか分かるのですね。これで赤字企業でも潰されずに営業が続けられ、全体のパイがドンドン膨らみますね。政策とはこういう実話を述べると…解釈が進みますね。3月22日の市場倍増は、実に大きな材料ですね。しかも今夏に、介護リートなどの税制優遇処置を検討すると報道されています。ようやく長かった経済の「中弛み現象」から、日本は抜け出す事が出来ます。これにマイナス金利です。210兆円の資金が動きますね。

カタルは間違っていましたね。日銀の資金循環速報が、昨日、発表されました。個人の金融資産は1500兆円ではなく、1741兆円だそうです。この内、現預金残が902兆円で…、企業の現預金保有残高が、246兆円なのだそうです。この意味が分かりますか?

リートは4%台に回っています。イールドカーブが平坦化し、鞘が抜けないから…銀行の収益が落ちると…馬鹿論理を述べる学者やアナリストがいますが、何も、マイナスの利回り国債を買わなくても、1/10の資金で、国債の利回りを遙かに上回る効率が実現できます。自分の頭で収益構造を考えてくださいね。問題は自己資本比率規制などの過剰な清貧思想なのです。

今回は、幾つかの条件が、重なり合わさっています。さて明日は、気が変わらなければ…「対数周期」の意味を解説しますね。レポートも、あまり長いと…読む方も大変です。



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