アーカイブ:2022年1月3日

岸田政権の真価

今年は、どんな一年になるのでしょう。誰も未来は分かりませんが、カタルは期待感を持って…市場を眺めています。

まだ岸田政権の真価は分かりませんが…株屋としては「金融所得課税」や「自社株買い」への関与発言は「間違った方向性」だろう…と思っています。

その一番の理由は、33年間も…日経平均株価は、高値を抜いてないと言う大前提を見逃しています。岸田政権は、官僚組織の「傀儡ロボット」政権との…印象を強く抱いています。彼らは「失われた時代」をつくった張本人ですが…「反省」もしていません。このような官僚政権の誕生は、「厚顔無恥」にも…限度があります。例えば…金融所得課税の「1億円の壁」からの説明です。此方の資料を読みましょう。

増税の話を出すなら…先ずは、過去の高値を抜く事が「必要最小限」の最低のノルマであり、喫緊の課題です。

経産省の資料は此方

自社株買いへの話は「ROE経営」の否定とも…受け取れます。日本は、欧米に大きく後れを取っており非効率なのに…内部留保だけは一流域です。この改善が、先ずは政策に先行されます。使わないお金を貯めるのは、未来に対する希望がなく、間違った政策運営ばかりをしているから、仕方なく…企業は「自己防衛のために」現金を保有するのです。未来の不安に備えている為でしょう。その原因は、過去の失政の結果です。

だからこそ…「信頼感」がある政策を、今、打ち出すべきです。

本日の日経新聞には「送電網の整備」の話が、一面トップです。脱炭素化から自然エネルギー重視なら…当然の課題です。

メディアが報道をしないから実態が分かりませんが、折角、太陽光発電を整備してもその電力が十分に活用できてないのです。太陽光は昼間、生まれますが…安定供給するために上手く活用できてないのです。 「蓄電設備」や「送電網」の話、地域に偏りのある太陽光設備など…本来は国が整備する話ですが、ずさんな管理が、その効率化を妨げています。

北海道には送電網がなく…折角の設備が無駄になり、九州も多くの太陽光発電が眠っています。実態をメディアは、なかなか使えません。漏れてくる情報はSNSなどのボヤキからです。この矛盾の一助となる送電網の整備は欠かせません。

もう一つの光は此方の記事です。

TSMCが新設する工場が九州に建てられますが…問題は、それを稼働させる人材をどう集めるのでしょう。ソニーも大規模投資を既に決定しています。

故に、日本は「スマボ」(スマートロボット)を開発して…人手のかからない自動化を進めるべきでしょう。加えて、それでも足りませんから…こちらの報道は良い動きです。日経新聞ではありませんが、この取り組みは評価されます。プログラミングなど…教育制度の改善は必要です。文科省は、やることが沢山あるのに…本当に働く気があるのかどうか…。それを監視するのが、メディアの存在でしょう。

この二つの前向きな事例は、前からあったものですが、岸田政権の評価に繋がります。「新しい資本主義」において、格差拡大と言いますが、日本はそんなに大きくないのです。先ずは規制より、「夢」を与えて実体経済を動かすことです。ここが日本再生の第一歩になります。先ずは…市場に安心感を与えて希望を与えるのです。

そうしてガンガン…動くようになったら、「金融所得課税」などの課題に取り組みましょう。そのバロメーターの一つは、昨日、掲げた「貨幣乗数」(信用乗数)効果です。本来の貨幣乗数は10倍以上だったのですが…お金の動きの連鎖が続きません。これは日本人の「心理面の壁」が一番の弊害です。

長く続いた「失われた時代」の結果、50‐80問題など…劣悪な労働環境がもたらした弊害です。パイオニアの指名解雇の時に、方向転換をすれば…被害は大きくなかったのですが、馬鹿メディアが、終身雇用を盾にして…企業批判したために、「失われた時代」と言う時間闘争(=「成田闘争」とカタルは読んでいます。結果は分かっているのに無駄な抵抗をすることです。)をして来ました。

空洞化を始め…非効率な日本社会だから、企業は海外生産を選んだのです。くだらない規制などが多いのです。道路工事のガードマンを見れば…実態が分かります。この制度は「失われた時代」に誕生しています。

幸い…菅政権の遺産のお陰で、国の制度がデジテル化にシフトしてきました。領収証の電子化など…その事例でしょう。キャッシュレスにすれば…税務署や警察署などを効率化できます。お金の流れを追えば…脱税も出来ないし、犯罪をしても…行動を瞬時に追えます。そうしてそのお金をロックできます。はやく、はやく…あとは実行力だけの話なのです。

一抹の不安は、官僚が跋扈すると成田闘争をするのです。自分達の居場所がなくなるから時間闘争に持ち込みます。ここが問題です。一番危惧される部分です。また縦割り行政ですから…なかなか話が進みません。菅政権のスピード感が継承されるかどうか…が、課題になります。菅さんが成し遂げた携帯料金の引き下げは…昔なら10年かかっても出来ずにウヤムヤになります。実行力こそ…全ての力です。

どの程度…過去の反省に立って、岸田政権が仕事をするか? 幸い本日は冒頭に紹介した二つの光明が見えています。このスピード感を測るバロメーターが日本株の存在であり、金融面では貨幣乗数でしょう。この数字がどの程度高まるか? 岸田政権の内政の成果は、この二つを観れば良いのでしょう。残念ながら株価の反応は直ぐに分かりますが…貨幣乗数は遅行指数です。株価は先行指数です。

カタルはお金が動くかどうか…を、「今年のテーマ」にしています。内部留保484兆円の活用を第一に考え…それを支える個人の現預金残高1072兆円です。だから…「株主還元」相場であり…「設備投資」相場です。この二つの時代背景を、大切にして銘柄を選択します。大きな時代背景が、この流れに…存在します。

ソフトバンク(9984)の日足推移

その具体的な株価候補として、1兆円もの自社株買いを発表した「ソフトバンク」を皆さんにお勧めしています。年末に中国関連株は大幅高していました。これは単にテクニカルの反発に留まるのか…。それとも本格的な見直し買いにつながるのか?

この辺りも多少、ソフトバンクは影響を受けます。でも…ね。彼の理念は、素晴らしいですね。投資家ではなく…「資本家」だと述べています。時代革新を支える礎になりたいと言う「理念」を買うのです。株式投資の本来の姿です。

日本製鉄(5401)の日足推移

次の銘柄は「日本製鉄」です。

四季報の配当予想と年末の株価から見て配当利回りは8.78%です。その辺の詐欺集団の話ではありません。日本製鉄と言う大会社の公約です。1%未満に眠っているお金は、個人の現預金残は1072兆円もあります。何故、証券マンは大々的な…テレビ広告を打って、高利回り投信を販売しないのでしょう。野村証券の社長は馬鹿です。必ず…お金は動きます。減配リスクや、株価下落により減損リスクに「見合う」数字でしょう。それに…日本の村社会を変えるリーダー的な存在に見えます。

商船三井(9104)の日足推移

そうして…歴史的な好業績の見直しである海運株です。ここでは商船三井を掲げていますが、日本郵船(9101)でも川崎汽船(9107)でも同じことです。変化率では、川船が一番です。

過去、これほどの「低PER」の水準をカタルは観たことがありません。たとえ…一時的な利益の資産売却でも、記憶にあるかどうか…。でもこれは資産売却ではなく、コンテナ船運搬で得る継続される商売の利益の話です。確かに…5万ドルの商品を運ぶのに15000ドルの運賃は異常です。3割ですからね。

ですが…1割程度などなら…あり得る話です。コンテナ船の多くは…長期契約です。約30%程度が不定期のスポット価格と言われています。長期契約の料金は中国―米国間で1FEU当たり2500~3000ドルと言われており、コンテナ船の平均値5万ドルの10%未満ですから…常識的な料金でしょう。

問題は何故、こんなバカ相場が誕生したか?…と言う背景です。

その海運不況が長く続き…需給バランスの問題がありますが、同時に脱炭素化の話もあります。しかし…最も大きな問題は「サプライチェーン革命」の進展である技術革新を、市場が促している為でしょう。

この考え方は市場原理主義ならでは…の発想です。時代が求めるから、その現象が生まれるのです。テスラの馬鹿株価と同じです。

ここに来ての商船三井の相場の強さは、記憶によれば…日経新聞で配当性向に触れたことが「切っ掛け」になり、株価が買われてきました。此方の報道です。配当性向を25%~30%にするかもしれないと報道されています。もともと…商船三井は、株屋にとって、信頼に値する会社です。カタルは11/22の今日の市況で採り上げています。

つまり…好業績と配当性向の改善により、「株主還元」が一番、市場で注目されますから…船株の低PERは、配当性向が絡み…「株主還元」相場の一角を占めています。この3つがメインの銘柄です。

次に「設備投資」関連ですが…岸田政権も年頭の所感で述べているように…「成長については、「デジタル化」、「気候変動」、「経済安全保障」、「イノベーション・科学技術」などの社会課題を成長のエンジンにします。」と述べています。

テクノスジャパン(3666)の日足推移

この中でカタルは「DX投資」にスポットを当てて…「テクノスジャパン」(3666)を選定しています。DXソフトのERPは「オービック」(4684)の株価成長を支える重要な稼ぎ頭です。このソフトのお陰で株価は1500円~2万円台になったのです。

長年上昇が続くオービック(4684)の月足推移

更に…CRMと言う顧客管理システムは、あのエクソンをNYダウ指数から外して、セールスフォースを指数採用にした原動力のソフトです。既にセールスフォースは世界を代表する企業になっています。そのCRMを手掛けるのが、日本のテクノスジャパンです。この企業の株価が4桁以下なのは…明らかに、おかしな現象です。自分の目で背景を確かめましょう。

ソフトも重要な設備投資です。設備投資と言えば…ファナックや安川電機を想像しますが…他に工作機械などの生産設備もありますから、岸田政権の述べている「デジテル化」つまり効率化は、利益率を上げる重要な指標のROEを上げるアイテムです。だから設備投資で輝く存在でしょう。あまりたくさんの銘柄を掲げても…意味がありませんから、具体的に、この4つを取り上げておきましょう。

あとは読者の皆様の判断になります。カタルの考えが正しいわけではありませんが、カタルは自説に従って、成果を挙げています。それでは長くなりましたから…本日はこの辺で「お終い」にします。また明日。



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