アーカイブ:2022年1月16日

ロコンドの決算を受けて…

カタル銘柄の「ロコンド」(3558)が決算発表を終えました。

ロコンドの四季報予想

先ずは四季報予想ですが…上記の数字から通期予想を「下方修正」しています。だから良くありません。要するに…ヒカル君たちの売り上げは、完全なフロック的(まぐれ=幸運)な見方と言う強い印象を持っています。その上昇機運の「切っ掛け」を、経営者は、上手に「活かしきれてない」一年だったと言えるのでしょう。カタルは「ジャパネッド高田」のような効果があると思っていましたが、コロナの為に、「靴は売れない」一年でした。

今回の下方修正の数字

ただ同業のチヨダは3Q段階の数字の比較ですが…2021年3Qにおいて17.6%のマイナスでした。そうして今2022年の3Q段階でも7.8%の売り上げ減となっており2年続けてマイナスです。(チヨダは2020年3Qも2.9%のマイナスです。)

チヨダの2021年3Qの決算短信が此方

チヨダの2022年3Qの決算短信が此方

一方、勝ち組と言うか…我が国の第一人者のABCマートの2020年3Qは3.5%のプラスで、昨年の2021年の3Q時点では21%ものマイナスだったのです。そうして、今回は頑張ってプラスの12%を達成しています。つまり…基本的に昨年は大きく落ち込み、今年は若干の回復を示しています。21%ダウンから12.6%アップです。全部を埋めていませんが、回復傾向です。これが「勝ち組の成績」で、チヨダは「負け組」で3年連続のマイナスです。

ABCマートの2021年3Qの決算短信が此方

ABCマートの2022年3Qの決算短信が此方

一方、ロコンドはどうか…。M&Aなどを加え…2020年3Qは31.7%増で、2021年3Qは18.2%なのです。故に…格段に「優れた成績」だった訳です。

しかし今回発表された数字は売り上げが72億77百万円で昨年の75億12百万より若干ですが…3.1%減っています。チヨダの7.8%減より良いが…ABCマートの12.6%増には遠く及びません。しかし…昨年の数字が大きな逆風だったのです。ABCマートは21%のダウンですが、ロコンドは18.2%のアップなのです。非常に、昨年は頑張りました。

それ故に…比較の前提が、非常に高い水準だったのです。だから3.1%のダウンは立派だとも言えるのかもしれません。

ロコンドの2021年3Qの決算短信が此方

ロコンドの2022年3Qの決算短信が此方

ですが…カタルの田中君の期待値は、マイナスではなくプラスを期待したものでした。

先ずは靴業界の比較をみて状況を抑えましょう。それぞれの決算短信の売り上げに注意を払い…状況把握をしました。今度は、個別のロコンドだけを観てみましょう。カタルは少し不思議な印象を持ちました。此方のシートを観ると分かります。ロコンドはなかなかいい会社で…エクセルを使って売り上げなどの数字を掲げていますから分析が容易です。

その利用は此方からエクセルをダウンロードする。

昨年のような経営環境で、他社がマイナスなのに…18.2%もプラスにしたのは大きいのです。数字を観ると分かります。2020年の2Q~2021年の1Qまで33%-26%-35%-26%と高い伸びが続いています。その反動があるのでしょう。

2021年の2Qは-8%で、3Qは0.4%のプラスになっているのです。しかし…何故か、通期売上予測は5.6%のマイナスになり…利益も下に見ています。何か…特別なマイナス要因があるのか…。あるいは「下駄を履いた」数字に見えます。

通常は2Q、3Qと…ヒカルのフロック効果を奪回している訳だから…4Qはプラスの可能性があります。でも今回は、何故か…かなり控えめな予想を打ち出しているようにカタルには見えます。

このような短期的な判断に迷ったときは、基本として時間軸を延ばして判断をします。

長い観察期間にすれば、短期の誤差は調整されます。分析の鉄則です。チャート判断でもそうですね。最近は5分チャートなどを利用してディーリングに活用するようですが、短期チャートでも15分が有効ですよ。更に日足より週足、週足より月足と言う具合に時間軸を延ばせば…株価判断の助けになります。データ分析は全てそうです。観察期間が長いほど…信頼性が増すのです。

ここで疑問に思われる方が、居られるかもしれません。決算短信の比較は売上ですが、カタルは途中から…エクセルの単体の取扱高(返品後の数字)を基準に話を進めています。ほぼ…同じことなのです。この過去5年間かな? 2016年の1Qからの平均の伸び率は24%アップなのです。だからヒカル効果が剥落しているこの2四半期は、特別な期間とも言えます。ですが…カタルは不満なのですよ。ヒカル効果は「フロックではない」と田中君の手腕を高く買って、応援していたのです。この見方が外れたから…株価が4000円台から1000円台に下がったとも言えます。

このような落ち込みではなく、せめて…10%台の伸び率を維持できているなら…株価も2000円台の壁で、止まっていたはずです。

コロナ禍の逆風は、「M&A」など活用するチャンスだったのでしょう。通常、出来る経営者は、このようなコロナの特殊要因を逆利用します。そうだなぁ~。温泉宿の軽井沢から生まれた星野グループの星野佳路などは…リート機能を活用して買収を繰り返し、この逆風を利用して、企業規模を拡大させています。出来る経営者は、やはり世の中に居るのです。

だから田中君を応援していますが、あの時に、高い目標数字を掲げずに…常識的な数字を打ち出し…「彼の器の問題」を指摘したメールを読者に返信した時に、カタルは諦めるべきだったのでしょう。やはり、拘り過ぎて…少し引っ張ったのが失敗でした。でも諦めるつもりはありません。ポジションを落として…観察を続ければ良いのです。そうして本番に備えます。

今回の減額修正を受けて株価が安値を割れるかどうか…非常に興味があります。

ロコンドの取り扱い高推移

カタルの分析では、先ほども述べたように…四半期ペースで、ヒカル効果のフロックを埋めて改善しています。2Qではマイナス8%でしたが、3Qはプラス0.4%なのです。もし4Qがもう少しプラス度合いが大きくなれば…株価は底入れをして上昇に転換する筈です。

ロコンド(3558)の日足推移

ようやく…この段階が来ました。だから、まだ賭けですが…この発表で株価が下がった時から、買い始める選択肢も浮上します。現在のカタルは、他の株で忙しく…買っても1000株~5000株止まりかな? でも月曜日に大きく下がるなら間違いなく1000株は買うでしょう。1200円を割れれば、買うでしょうが…どうかな?

この売り上げが、一番の「見処」なのですが…「Platform事業」も倉庫の拡張で余裕がある為か…伸びており、ここも期待しています。

今期の平均の伸び率は19%です。このe-3PLと言うECモールで利用している「アイル」の「CROSS MALL」はナカナカのも伸びなのでしょう。このロコンドの決算数字を観る過程で気づき、株価を観たら…案の上、この手の株価は、みんな売られています。でも…このアイルと言う会社の伸び率は、なかなか…見るものがあります。

カタルは「船株の相場」を考えるに辺り…「物流機能」の話を考えています。日本では末端の運送会社の立場は弱く、荷主の立場は強いのです。故に…ヤマト運輸を始め、なかなか「適正利益」と言う観念が生まれません。値上げを主張すれば…契約を切られます。この為に安い単価でも我慢をして、売り上げを維持しています。ですが…最近の時代環境は、そんな時代でなく、変化を見せています。日本製鉄とトヨタの関係はその象徴的な現象です。

カタルは「ラストワンマイル」(顧客にモノ・サービスが到達する最後の接点)の価値は、もっと高い…と思っています。この物流株と市場認識には、大きなギャップがあるんじゃ…ないかと、かねがね思っています。インフレという事は、人件費などの改善が進むのです。長く…この感覚を忘れていますから、今回は大きな利益が得られるのかもしれません。

これをヒントにされて、「心にとめておく」と良いでしょう。この物流には「倉庫」業があり、倉庫のDXと言えば…ロコンドが採用している「アイル」(3854)のような会社が活躍をします。

アイル(3854)の日足推移

しかし…マザーズ指数の低迷でBASEを観ているように、テクノスジャパンを始め、このアイルも、「一緒くたん」に扱っているように感じています。

カタルは「サイバーダイン」(7779)や「QDレーザ」(6613)には、高い評価を与えていますが…何しろ、IPOがそれ以上の馬鹿高値評価で、狂った世界ですからね。やはり2年程度…は時間を待つ必要があります。サイバーダインの上場は2014年ですよ。そうしてQDレーザは昨年の新規公開です。

だから…幹事証券の良識と言うか、責任問題を考えています。金融庁の役人は、市場を監視するなら、たくさん…チェックすることがあります。我が国のトップは、どこも彼処も人が居ません。教育問題の再検討が必要です。

話は大きくそれましたが…ロコンドの数字は、目先は良くもないし…株価は大きく反応しないのでしょうが…通期の「減額修正」と言う見込みの根拠は怪しく…誰かが買うための「仕掛け」かも知れません。その理由は、過去の増収率と近年のPlatform事業の期待ですね。もともとロコンドは、この辺りの「夢」と言うか…期待値もあるのです。

だから数字が本格的に戻り始めると、このような「未来の希望」を抱えていますから、株価は新高値を更新する器と言う認識は変わりません。時間軸の問題でしょう。ただこの程度の伸びを…更に伸ばせないのは田中君の努力不足でしょう。この環境下でも実際に事業を拡張している奴は多く居ます。

カタルは現物株を保持しており、買うチャンスを探っています。でも今は他に忙しいからね。株を持っている人は、そんなに悲観することはない数字です。自分で決算の詳細を、自分の目で確かめると良いですね。もし株価が1200円を割れるなら、間違いなく最低1000株は買います。今から…宣言をしておきます。

「他人の言動に惑わされない」自分の分析力を育てて、それを信じれば良いのです。

ここ2四半期の数字は「ヒカル効果の剥落」があり落ち込んでいますが、2016年からの平均の伸び率は24%なのです。マズマズの成長力でしょう。それに他にないPlatform事業の伸び率はまだ全体数字は大きくありませんが17%の伸び率です。

此方のサイトから詳しい数字をダウンロードして独自分析をしましょう。まずまずの器の会社でしょう。

そんな訳で本日はカタル銘柄のロコンドの決算を中心に簡単に解説をしました。実際に自分の目で…株を持ってなくても分析をしてみると良いですね。通常は同業の数字を観て…このように比較分析をします。チヨダも安いよね。ABCマートの三木さんはナカナカの経営者です。彼は昔、安値の株価を放置したユナイテッドアローズの株を集めて買収を企てました。そうして、その株をユナイテッドアローズが高値で買い戻したのです。

株価を安値で放置すれば…TOBの危機になります。だからソフトバンクの孫さんは5000億円の続き、1兆円もの自社株買いを実施しています。これが通常の感覚です。

東京機械のようなやり方は市場から支持されません。消えゆく会社でしょう。だからROE経営を実施して…グローバル基準で「切磋琢磨」して競争をするのです。お役人様の手を借りて…日本村社会の考えを、試みる東芝の資質が問われます。ゴーン逮捕も同じ土壌に見えます。はやく…国際ルールで本物を育てましょう。それでは…また明日。



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