気になるケネディクスのTOBの発表は、まだないので詳細は分かりません。NY市場は新政権の誕生を受け追加の経済対策の期待が高まっています。基本的に株価と言うのはこのような「理想買い」は強弱感を生み、株価が仕手化しやすく面白いのです。カタルはケネディクスを狙ったのもそういう背景がありました。
AUMを巡り自社保有と何が違うのか…と言う対立を生む素地がありました。三井不動産などは銀行から借金をして不動産開発をします。だから自社保有だから価値がある、確かに利益が生まれた土地の儲けは100%、自分たちの利益になります。しかしリートの場合はリートに出資している人に権利があります。
でも成功報酬制度が定めらており、ある程度の鞘抜きが可能です。しかも問題は支配権の話です。その土地を誰に売るか…管理権はケネディクスが持っています。この価値をどう見るかにより、ケネディクスの株価の見方が大きく変わりますからね。土地と言うのは路線価をもとに価格が決まりますが、かなり幅があります。欲しければ2倍に跳ね上がることもあります。銀座中央通りの相場は常識では考えられない採算に合わないブランド地価です。
この話とテスラの相場はある意味で似ています。常識ではテスラの株価は説明がつきません。どこまで…テスラの未来図を読みイーロン・マスクを評価するか?…と言う話です。
トヨタ社長は間違っていると思います。彼は製造業の親分を気取り、国内生産300万台体制に拘りを持っているようです。裾野が広い業界で、我が国の製造業は自動車に依存している面がありますから、この考え方を軽視するものではありません。ですが…既に新時代の方向性は車の性能とか…ものを作って利益を上げる時代は終わったように感じています。
そうではなく…サービスで稼ぐ時代でしょう。車に乗り、音楽を聴き、映画を見て、目的地に早く着く快適な移動時間を如何に創るか? 何故、アマゾンやアップルなど異業種の巨大IT企業が自動運転技術を開発しているか?
この移動空間の時間を商売にしようとしているからでしょう。
「アレクサ…音楽をかけて」などのAIスピーカーは、どんどん進化しています。最近では定期的に買うコメなどが切れるタイミングを見計らって、「そろそろお米の注文は如何ですか?」…と勝手に聞いてくるのです。
つまり彼らは、車の「プラットホーム」を創ろうとしているわけです。車が移動先の近くのレストランを紹介するとか…。観光先を案内するとか…いろんなサービスが考えられます。ところがトヨタ社長は、未だに製造業の発想しか持ち合わせてないように見えます。ソニーやアップルなどと…今なら有利な条件で資本提携などができますが…もう少し時間が経過すると駄目でしょう。
テスラのイーロン・マスクは、単にEVを売っているのではなく、そのプラットホームにおいて明らかにリードしているから、株価が800ドルを超える評価をしているのでしょう。トヨタにその可能性が見いだせるなら、もっとトヨタ株は高い評価になります。しかし…既存のグループ企業を切るのは大変ですよ。捨てるにも、経費が掛かります。エンジンなど…ピストンもそうですが…そんな部品メーカーの雇用を簡単に切れるでしょうか?
時代革新とは…こういう事なのでしょう。
未来図を、どの程度まで株価に織り込むか? 車のプラットホームでは明らかにテスラはアップルのイメージがあります。今はまだ…こんなことを考えてないようですが…。ただこのような報道を見ると…近々、一つのヤマを付ける可能性もあります。弱気派が自分の判断は間違っていたというレポートや、マスク氏の資産価値が世界一になったという報道なのです。
何故、カタルがテスラの話題を、たびたび取り上げるか? それには…理由があります。今の「時代革新」の相場の「旗印」だからです。この株価の動向がある意味で今の相場を物語っています。
今の相場は完全な金融相場の色彩です。
カタルは金融相場の3点セットで銀行、証券、不動産と、ずっと述べ続けてきましたが、金融相場の特徴の一つに「理想買い」と言う「空想」の部分があります。未来図の夢を「先取る」訳です。空想ですから、どんどん評価は膨らみます。バブルですね。ITバブルと同じです。だからソフトバンクは1万円が妥当だと思って利食いをしてから、あっという間に198000円です。なんと20倍ですよ。僅かな期間でした。
テスラも天井圏の時間帯に入ったけれど、どこが分岐点か…は分かりません。カタルは漠然と2月天井説を掲げています。ITバブルがそうだったからです。
問題は、この話と…日本株の動向が結びつくのかどうか…。警戒感は持っていますが、日本株はようやく始まる印象を持っています。来週にもようやく…コロナ後の高値489円の株価を三菱UFJはクリアするのでしょう。野村証券は、既に抜けています。三井住友銀行もそうですね。米国もそうですが…やはり不動産価格は大きく上昇を続けています。ケースシラーなどを見ると分かります。10月は6年ぶりの高い伸びで7.9%も上昇しているのです。こちらの報道です。
宮島さんは、やはり賢いのです。ようやく…と言うか、やっと出番が到来すると思っていました。横浜の開発が終わり、ようやく利益らしい利益が生まれるはずです。コロナ禍の間隙を縫って、春から話があったのに、12月の多くのファンドが動けない時期を狙って仕掛けましたからね。小賢しい人間です。やはりなんでも…「正々堂々」と戦うべきだとカタルは思っています。しかし、なかなか…「あちら側」に行けません。
村田製作は、休まずに5桁に到達した意味も、理解しないとなりませんね。
通常はカタルが「売りじゃないか…」と述べたタイミングでお休みをするものです。ところが…あまりのコロナ感染の広がりで、ジャンジャンお金が出ています。一度、出したお金は消えませんよ。だから株価が上がり、不動産が上がり…終いには「ビットコイン」などと言う詐欺まがいな商品まで高騰します。このお金は、時代革新のスピードを早めます。だからテスラが高値圏で資金調達が出来て…その資金で新工場を建設するのです。
商品市況に注意を払わねばなりません。銅の価格は凄い上昇を続け、人口の多いアジア圏の成長が早まります。この辺りの動向に注意が必要です。やはり日経平均株価は新高値に躍り出て、株価10万円を目指すのでしょう。
カタルは述べています。27270円の壁は「デフレの出口」なのです。長いトンネルを抜けたのです。黒田さんが量的緩和を実施して、あれは2013年の春です。通常は直ぐに反応をするのです。だから野村証券が、あの時に980円を付けたのです。しかし…あれから8年も「流動性の罠」と言う実質時代の影である「呪縛」に染まっていました。しかしようやく…27270円を抜けて、その呪縛から解放されます。
ようやく…「名目時代の恩恵」を受けられますよ。仮にケネディクスのTOBをSMFLが取り止めても…一時的には、株価は下がるでしょうが、相場としては、ようやく出番になります。待ちに待った…瞬間がやって来るのです。
ですが…カタルの空想は、なかなか市場から支持をされないようです。こんな環境の中で、これからカタルは「会員向けレポート」を書きます。会員の方は深夜の更新になるのが通例ですから…明日にでも、お読みください。