G20はメンバーが揃っていますが…なかなか混沌としており利害対立が激化しているようです。本日の日経新聞に使われている写真は、絶妙な表現ですね。流石、一流の写真家と言うか…プロは上手い表情を捉えるものです。どの業界もそうでしょうが、一流域の人間は素晴らしい技量を持っています。
本日の日経新聞を見ると…目についたのは二つの記事です。一つは予てから指摘している様に、米中貿易戦争はなにもマイナス面ばかりではないと言う点です。9面にはベトナム経済の発展が取り上げられています。昭和30年代の日本の様相です。
此処でカタルはユニデンのケースを紹介しています。この会社の藤本さんは、もうかなり高齢でしょう。ワンマンな性格で前から問題企業と言う認識でした。社員が金づちで上司を殴り、社会問題化したことがあります。それほどブラック企業のイメージでした。この会社は米国にコードレス電話を中心に販売している会社です。
でも藤本さんは悪のイメージでしたが、なかなか先の見通しが良いのです。確か…銀座のビルを買ったのも、孫さんがティファニービルを買収する、少し前に買ったと記憶しています。日本の不動産が底を打つ事を知っていたのでしょう。
早くに日本での生産を諦め…中国に進出し1993年に広東省の深圳に友利電電子を設立していましたが、2009年に生産活動を停止しています。同時にその前の2007年にベトナムでUNIDEN VIETNAM LTDを設立して生産を始めていました。
たぶん…カタルが注目して調べ売り買いをしたのは、その頃だったのでしょう。でもなかなかベトナムでの生産が順調に行かず、苦労して歩留まりを改善してきました。2年程、掛けて移転が完全に完了したのでしょう。1993年に日本から中国に移り、2007年にベトナムに移行しています。この時間に注目して下さい。日産自動車がタイにマーチの生産移転を行ったのは2010年です。1993年から2010年の27年間が日本の空洞化問題の時間です。
同じことが、これからピークを迎えつつあるのでしょう。日経新聞と同様の記事は多く報道されています。カンボジアやミャンマーもそうです。カタルはこの面を早くから指摘しており、同時にアジアの人口構成に注目しています。だから日本の商圏がどんどん拡大しており、力強い経済成長が続くと考えています。この5年程度、「流動性の罠」と言うタメがあったために、一気に爆発する可能性があると思っているのです。今回の米中貿易交渉がその引き金を引いたのでしょう。
ユニデンのケースを紹介すると分かりますが、事前に下地は出来ていました。ただ成長速度が加速するポイントがなかなか掴めなかったのです。株価の上昇パターンが何処で早くなるか?と言う考え方に似ています。
もう一つの記事は、三菱UFJの小さな5面の記事です。三菱UFJはインドネシアのダイナモ銀行を7000億円もの金額で買収しました。でもその後も株価は下がり続け減損会計が必要なほど下落していましたが、辛うじて減損を免れていると言う記事です。実はインドネシアは最近ようやく…経済が上向き始めてきました。故にソブリン格付けが引き上げられています。でも三菱UFJは減損処理をしていませんが、Jトラストは既に減損をしたのです。
まぁ、株価と融資額の違いはありますが、同じことです。どちらが健全か分かる事例です。このような記事が…のちのち株価に響きます。いずれもJトラストの経営環境を応援する記事ですが、こういう風にして…時代の流れを感じて行くプロセスを述べています。
考え方の基礎を学んでほしいのです。一見すると、全く結びつかない記事なのですが…時代の流れを追うと言う事は、こう言う現象を頭の中で積み上げて、整合性を見出すのです。わかりますか?
千代化の株価が下がっています。どうもカタルの見方が焦点ではなく…市場の噂をみると2部転落(8月1日)の話のようです。更に225から外れるのに伴い、ファンドの売り物を気にしている面もあるようです。
でもこんな事は3月の時点で決まっている話の二番煎じです。加えてチャートを分析すると1月に大商いをしており、その期日対応が重なっているのでしょう。大商いの日は1月18日です。たった1日で2730万株の出来高が出来ています。この応当日の影響もあるのでしょう。因みに経験則では、期日の1か月前辺りが安値になる場合が多いようです。更に7月1日に三菱が実際にお金を入れる日になっていますから、不透明要因があるから株価が弱含んでいると思われます。
まだカタルが指摘している追加の損失問題がすっきりしていませんが…カタル自身の持ち株が増えていることもあり、少し…既に発表されている資料を読んでみました。やはり事前予想の1000億円から、もう1000億円も損失が増えたのは、キャメロンLNGとタングーLNGの追加損失に対する厳格な減損処理の為に、追加で損失を見込んだのです。
それと運転資金の融資などが実態のようです。その事が優先株700億円と借入金の1100億円になった模様です。あまりに巨額の為に心配される方もいるのでしょうが、プラントと言うのは、ある意味で博打的な建設分野です。時価総額が752億円の会社に1800億円も入れる価値があるのかどうか…。カタルなら会社更生法を適用してスッキリさせますが、三菱と言うのは、やはり面子に拘る村論理の会社なのですね。
カタル自身は貧乏人ですから…それほど買えません。でも余裕があれば、少し追加で買いたいと思っています。シャープと同様のケースと考えています。
さて本日の米中貿易交渉がどうなるか見ものです。トランプは強気ですからね。何しろ米国株は高値圏で、しかも支持者は増えています。折角、習近平氏が用意した北朝鮮のカードも切り札にはならないようです。メキシコはトランプの意向に沿い…北部の難民対策の為に雇用対策に乗り出しました。日米交渉も早めの決着が功を奏するのでしょう。
市場はこの問題の完全決着を望んでいませんが…事なき延長戦を既に織り込んでいます。でも米国株は高値圏にありますから下がりやすい環境です。仮に事なき延長戦でも…どちらにして、行け行けドンドンには、なりません。仮に高値圏をクリアしても…時間の問題が片付いておらず、高値圏でのもみ合い相場の展開になると考えています。行け行けドンドンがあるとすれば来年でしょう。この観測は米国株の話です。
日本株は大きく下がりません。仮に円相場が105円前後になっても…。でも参議院選挙や消費税の引き上げの影響を見ないとスッキリしません。カタルはこれまで名目時代入りは時間の問題と述べてきましたが、意外に早く名目時代相場が開始されるようにも…感じています。秒読みと言う表現は、早いと思っていますが、似た感覚もあります。
あまり市場の話題になっていませんが、今回のFRBのストレステストは18行、全てが合格しています。今回も含め、過去2回しかないのです。これで配当の増額や自社株買いへの道が開かれます。
もう一つ…米国の上期の新車の自動車平均販売単価は3万3346ドルで約366万ですよ。分かりますか? これが米国です。一方、日本の自動車販売は軽自動車が中心ですからね。国力の差は歴然としています。因みにこの記録は過去最高だそうです。
様々な事象が市場の動きと結びつきます。その間の関係を常に考えながら、新聞記事を読んだりテレビのニュースを聞くと良いのでしょう。それでは…また明日。