傾向線

かたる決算発表「宴、たけなわ」って、イメージですね。なんと…ボンボンの章男さんが、遂にやりましたね。男になりました。目一杯に勝負する。これこそ経営者の真の姿です。最初は日経新聞の誤報なのかな?と思ったのです。トヨタのホームページを見ると、増配は載っていますが、自社株買いは載ってないのですね。ところが、決算説明会資料を見ると…載っていましたね。変な発表の形ですが…配当を年間で200円、中間期に75円と期末に125円するそうで、これだけで配当性向は29%、更に3000億円(4000万株)の自社株買いを実施するそうです。合計で42%強の配当性向になります。何故、トヨタが自社株買いをする事が、重要なのか?

名実ともにトヨタは、モノづくり大国、日本のリーダー的な存在です。日本は昔から、トップの行動を見て、「右に倣え」と追随してきたのですね。大企業は官僚機構を見本にして、中小企業は大企業を見本にして、切磋琢磨して集団行動をとって経済成長をしてきました。今でも残念ながら、官のイニシアチブは、非常に強く、大企業が自立しているとは言い難く、政策当局の動向が、非常に重要です。トヨタの株価が高値と思われる水準で、自社株買いを実施することにより、米国型の市場原理が、一気に進む可能性が出てきました。それほど、あの、「けちんぼ」トヨタの行動は、横並び意識の強い日本に於いて、他社に大きな影響を与えます。(話はそれますが、トヨタが現在、計画している毎年0.5%ずつ配当が増え、5年間保持すると2.5%の配当を貰える元本保証型株式は、まるでCBのようですね。面白い発想ですね。=非常に興味があります。実に日本的な発想で、カタルは大賛成です。)

同時に、三菱商事も1000億円の自社株買いを発表しています。これは三菱グループ、如いては、日本企業全体に、影響を与えます。ROE経営が、いよいよ、板につき始めています。株は上がりますよ。38915円の奪回ですね。あとは、ピジョン化現象の広がりですね。日本の市場は限られており、中産階級が大きく増えるアジア圏の市場を、どう取り込むか? 此方はAIIBの設立と、アジア開発銀行の増資と言うバックボーンがありますね。非常に、この時期のアジア開発を後押しする金融機関の増大は重要なのです。

何しろ金余りとは言うものの…世界の銀行は、未だに金融規制の最中にあります。自己資本比率規制の箍(タガ)を、嵌められていますからね。量的緩和の意味は、失われた民間の流動性を補っているのですね。日本の場合は少し意味合いが違います。清貧思想ですね。「バブルの失敗」の反省が強すぎます。この為に、過度の「流動性の罠」に陥りました。UFJの消滅は、それほど大きなマイナス効果だったのです。だから竹中平蔵は、晩年、きっと、見捨てられるでしょう。あっさり、政界を退いた小泉首相にも、色んな見方が存在します。日本は、そういう村論理の国ですね。

非常に重要な「コア」な部分なので、敢えて、今日は、言及しました。さて底値圏からの離脱をテーマに、カタルのお勉強はGWから続きます。今日は、何度か、下値圏で兆候を示した後に、だんだん株価波動が、本格的な上昇に繋がっていくケースとして…、先頃、決算発表をしたJ・TECを、題材にしようと思っています。別に合同鉄鋼でも双日でも良いのですよ。大概、2年程度の調整期間は当たり前です。場合によれば、3年も4年もかかるケースもあります。面倒だから、それぞれのチャートも掲載しておきますが、自分なりに分析して下さい。割安株は出遅れるのです。魅力がないから割安なのですね。でも相場が暖まると…だんだん割安株も水準が訂正されます。

双日の週足推移
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双日の週足推移

合同鉄鋼の週足推移
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合同鉄鋼の週足推移

さて本題のイメージです。カタルは株価を判断するうえで、「傾向線」を非常に大切にしています。所謂、上昇トレンドか…、下降トレンドか…、どちらに位置しているかですね。何度か指摘していますが、株価の波動変化を捉える事が出来れば、あとは買い増しか方針の戦略か? 株数を減らす戦略か? 簡単に決められます。過去のカタルの失敗を見ると狙いはマズマズですが、いつも、着眼に早すぎる傾向がありました。

ある程度、浮動株が市場から消えないと…皆さんが望むような値動きが、期待できないからですね。その為に複数のファンドが入り乱れ、参入する相場が最も強いのですね。一番力があるのが、年金資金などを運用するファンドの登場です。この連中は、足の長い資金なので…1年ではポジションを解消しません。沢井のように…ピジョンでも、何でもいいですが、基本的に利益が安定的に増え続ける会社なら、安定株主として、長期に株を保持し続けます。しかし…サードポイントなどの、あるいは、村上ファンドでも良いですが、連中は、比較的、足が短い短期投資ですね。だから市場の話題作りに懸命です。

でも投資の本質は、時代性に合う銘柄を、中長期に保持しつづけ、買い増す事ですね。長く株を保持すると…上方乖離が開けば必ず調整したり、あるいは下方かい離が開けば反発し、波動が変化する事があります。この小さなウェーブを利用し、基本的に株数を増やす事を、心掛ければ、資産は増大するのでしょう。

さて問題の見極めですが、非常に難しいのですが、企業業績に合わせ、チャート論を組み合わせて行きます。今日はチャートを…、明日はJ・TECの決算を見てみようと思っています。それぞれの傾向線を見てくださいね。一度、大きな上昇からの調整に入ると…、1年で切り返すケースは、非常に稀です。もし1年で切り返すほど業績が好調なら…、株価はそんなに下がりませんね。株価が、いったん下がると言う事は…大概、最低2年程度の調整期間が必要になります。日本通信や富士通のケースを考えてくださいね。場合によれば、3年も4年もかかるケースもあります。

J・TECの日足推移
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J・TECの日足推移

さて問題のJTECですが、いよいよ株価波動が転換するのではないかと?…と考えています。Aの傾向線は1と2を結んだ線ですが、この線を5で一度上回り、尚且つ、6で前の二つの山(3と5)を越えています。故に明らかに下降トレンドは終了していますね。でも上昇できるかどうか…分かりません。しかし少なくとも下値のボックス圏に入ったことは分かりますね。大きな下値ボックスの往来相場と想定していました。

今度は、1と6を結んだbの傾向線を破って推移していますが、なかなか6を破ることが出来ません。この次の1と7の傾向線cと、1と8の傾向線dの時間的な間隔は非常に短くなっています。まぁ、線のひき方は色々ありますが…出来高がポイントの一つでしょう。今回9と反発し、10は、小さな前の山を二つ抜いています。故にカタルは波動転換と捉えています。本当は、今回7や8を抜けば、より一層、明確なのですが…。これからに期待ですね。結局、完全な上昇波動確認は、J・TECの場合、6のポイントが非常に重要になりますね。奇しくも、この1977円は、昨年10月末に、親会社の富士フィルムが1900円の新株予約権の権利を行使した価格であり、子会社にした意味を有していますね。だから、目先を重視する人は、このポイント株価を抜いてから、参戦しても構いません。(でもケネディクスは、失敗をしました。)

もう、確実なのですね。新高値の4435円の更新は…。それは明日の原稿で、決算発表の数字を見ながら、それと共に理由を述べます。



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