中国の混乱をどう考えるか?

さて…苦労しています。いい加減なデータを用いることも出来ず、訳の分からない中国語や英語のページに飛び…データを探すのは、大変な時間と労力が必要で、語学力やある程度の経験がないと…この手のデータ集めには時間がかかりますね。此方のデータを集める為に、なんと2時間近い時間を使ったのです。馬鹿ですね。だからキャリアの給料が高い訳です。その貴重なグラフ推移が此方です。中国の外貨準備高と為替水準を組み合わせました。(まずデータ元を探すのが大変です。外貨準備高推移は此方のページ為替推移はこちらのページのデータを用いました。)これを探すだけでも…大変なのです。

中国の外貨準備高と人民元とドルの為替推移
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       中国の外貨準備高と人民元とドルの為替推移

日経新聞も…、WSJにも、中国からの資金流出が伝えられ…悪戯に混乱を煽っています。しかし…同時に良識的なレポートも発見しました。カタルは新見さんのレポートを支持します。良いレポートですから…読むと良いですね。

基本的に昨日述べたような「レビー時間」が、市場を席巻しています。(読めなければ此方を…)中国は共産国家なので、中央指導部に政策の決定権があります。日本の場合は霞が関の官僚が、これまでは国家指針を決めましたが、最近は政治主導に変化し始めています。中国は共産党首脳部が決めますね。上海総合株価指数が大きく揺れるのは、個人投資家が主導している為です。日本のように機関投資家や外人投資家が、株を多く持っている訳ではありません。日本だってGPIFによる年金運用が、始まったのは最近ですからね。

昔の日本株も個人投資家が主体でした。それを野村証券が、株式持ち合い運動を展開し、銀行と企業の株式の持ち合いを始めました。それも適正価格ではなく、異常な価格までつり上げたのです。よって必然的にバブルが崩壊し村論理が破たんしたのです。バブル期のPERは異常に高く50倍は…当たり前の時代だったのです。今は世界平均並みの20倍割れですね。今の上海総合株式市場の乱舞は、さくらインターネットのような…個人好みの小型株の値動きに似ています。

色んな知識の下準備がないと、メディアの煽りに心が躍ります。メディアの基本は、スクープですね。つまり視聴率や発行部数を伸ばすために、必要以上に人々の心を煽る表現を用います。関心を引く為です。週刊誌を見れば分かりますね。くだらない記事を大げさに表現し、部数を伸ばそうとしています。NHKなどの国営放送も似た面があります。日経新聞は、兎に角、商売、商売の会社です。賢い投資家になるためには、サングラスをかけ自分の眼を守る必要があります。カタルは30年以上におよぶ…株屋人生のなかで数々の失敗を重ね、日経新聞などの…いい加減な記事にずいぶん騙されてきました。その度にお客様のお金を減らしてきたのです。

確かにレビー氏の言うとおり、中国のGDP比率…つまり固定資本形成比率値は異常です。この数字には、日本の公共事業投資や企業の設備投資の数字が、纏まられているようです。しかし日本の公共事業だって、近年はヤンバダムや諫早湾などの問題点が指摘されていますが、ずいぶん長い期間を掛けて…社会基盤を整備してきました。カタルの実家の下水道整備が終ったのは、バブル期だったかな? つまり戦後1945年~1975年辺りまで、道路や鉄道、電力などの社会基盤の整備が必要だったのです。この期間は約30年ですね。中国は日本の10倍もの人口が居る訳で…、もし単純に考えると、日本のような状態になるまで300年もの歳月が必要になります。しかし実際に外貨準備は増えたのは、上のグラフからも明らかなように…2000年代に入ってからです。金融デリバティブの破たんが2007年ですからね。

多少、外貨準備は減ったと言っても、依然、中国は世界一の債権大国なのです。最近は国内資産が海外資産に…変化しているだけです。賢い中国人は、国内資産を海外に移している訳です。この理由はオバマの清貧思想ですね。昨日のイエレン時間などに関連しますが、カタルは、米国は偽りの経済回復だと考えています。だから、失業率が低下している割に、なかなか人件費が上昇しません。日本と同じ構造です。日本は、もっとひどいですね。売れている車は軽自動車ばかりです。バブル期は「シーマ現象」と言う高級車がブームになったのです。今の米国は、まだ、ましですね。一応、価格の高いピックアップ・トラックが主体です。

それでも、カタルは偽りの景気回復と述べているのは、自動車はリーマンショックの影響があり、必要に迫られており、製品寿命から買い替えを迫られていますが…なかなか住宅建設などが、回復しません。移民を受け入れている米国なのに…人口は増えているのです。カタルは過度の「金融規制」が、金融機関の利益を圧迫している為と考えています。オバマの清貧思想の為です。NY市場の株価が下落している理由の一つは、長期金利が、なかなか下がらない為ですね。この解説をすると…また時間が必要になり、興味のある人は此方の記事を参考にして下さい。(ただし読めるのは…会員のみかも知れません。)宣伝をするわけじゃないけれど…日経新聞に比べ、WSJの料金は安いですよ。本来の世界基準はこんなものでしょう。日経だけが異常に高いのです。

今の市場は、中国が共産党の独裁色が強い為に、生じる現象だと思っています。オフショアとオンショアにおけて、(オフショアとオンショアの解説は此方を…)価格差のある人民元相場に於いて、アービトラージュ(裁定取引による鞘抜き)をした外国銀行業者が、業務停止命令を受けました。1月7日の報道ですね。イギリスのスタンチャートやシンガポールのDBS、そうしてドイツ銀行などです。確か…日経新聞(8日朝刊の3面=きょうのことば)にも、関連記事が載っていました。市場経済に於いて、当たり前の行動をしたのに…中国は国家権力で、その鞘抜きを出来なくしました。この混乱が尾を引いているものと思われます。

しかし昔、シャドーバンキング問題が、市場で話題になりましたが、今では…すっかり影を潜めています。カタルが想像したように…地方政府債務が債券に変化し…市場ルールに則した形で処理している為ですね。国有銀行が、それぞれの銀行が抱えるシャドーバンキング債務を買い取っており、地方自治体は社債を発行している為です。

日本だって…地方債は溢れています。同じことです。中国は市場原理に則した形で変化を遂げている訳です。今回の為替問題も、悪戯にメディアが煽っているだけで…確かに外貨準備は減り、資産が海外に移転しています。その為に元の持ち出し制限をしています。しかし基本的に…、中国は世界一の債権大国であり、貿易は減っているとは言え、黒字を続けています。ロシアと同様に、全く問題ありませんね。ロシアの方がむしろ問題です。数年で資金が切れるでしょう。

固定資本形成だけに依存する経済状況を、長く続けることが出来ません。確かにレビー氏の意見も一理ありますが、中国は、とにかく広いのです。彼の場合は…極端ですね。良くデータを見れば分かります。中国の消費は、既に伸びており、GDP構成も正常な形に推移し始めています。四季報オンライのレポートを書いた新見さんの資料を見れば分かります。このグラフの中で小売売上高推移が重要です。中国は独自の統計で見づらいのですが…。この推移は重要です。

だからカタルは、今回の下げは、8月、9月の二番底相場と見ています。つまり、下値は割れないと考えています。週明けの相場は、多少混乱するでしょうが…それより、来週は、むしろ次の段階を…模索する展開になると考えています。さくらに負担が掛かり過ぎており…危険な兆候です。明日は、その辺りの個別株を見ながら…新しい展開を考えてみたいと思っています。それでは…また明日。



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