新年、明けましておめでとうございます。
東京は年末から良い天気が続いており…本日も青空です。きっと雪国は雪模様なのでしょう。カタルのマンションのベランダから東京ゲートブリッジ越しに東京湾を挟み千葉(袖ヶ浦)まで見えるのです。この時期は空気が澄んでおり、遠くまで見渡せます。相場の未来もこのように見通せると良いですが…今年は昨年のような反省をしたくないものです。
「人間は現在しか見ないが、天は未来を見る」と言う諺を結びに選んだ…ペンス米国副大統領のハドソン研究所での演説を切っ掛けに、市場は米国の本気度を反映させた転機になったと言われています。確かに…市場の動きもその仮説を裏付ける事象を示しています。その全文翻訳は…此方です。
年末に中国PMI指数は景気判断の分かれ目となる50を割れ49.4になり上海総合株価指数は下げていました。一方、米国は急速に利下げを織り込んだ債券相場になって来ました。10年物金利は2.661だそうです。丁度、このペンス演説前後は3.2%前後になっていたので、50ベーシス以上も利回り低下しています。つまり確実に新しい時代を暗示しているのでしょう。ただイールド・スプレッド(2年債と10年債の利回り差)は逆イールドにならずに差は拡大し始めています。
多くの人が語るシナリオの中で、2015年から2016年の動きに似ていると言う説もあります。例えば此方のレポートです。此方は有料版です。内容はFRBの利上げ動向の話が綴られています。2015年末の市場動向に似ていると言うものです。そこでその当時のNYダウ平均株価の動きを付けておきます。
昨晩の引け後、アップルの企業業績の下方修正が行われ、引け後に株価が急落していると言います。中国の販売不振などを含め…前年割れをしているのです。一方、半導体のサムソンも在庫調整に入りました。急速に逆金融から逆業績の様相を示しだした市場は、完全な弱気市場の色彩を強めています。兎に角、良い材料に反応せず、悪い材料には些細な事でも…敏感に市場は反応を示しています。まるで昔の実質成長時代の日本株の様相です。
株と言うのは変化率を、売り買いするものです。このような環境下ではマイナス要因を過剰に織り込みます。 カタルはFRBの利上げを「期待値の剥落」と前向きにとらえた見方を昨年披露しています。今ではこの期待値は、市場には微塵も感じられません。逆に大きく不安感が増幅されているように感じています。みんなが疑心暗鬼になっている様な有様です。
一昨年末から昨年の年始は逆に…、減税、財政支出と…景気状態が良いのに更なるアクセルを全開しましたから、カタルはレパトリ減税がスマートコミュニティー投資に繋がり、一気に新時代が開花すると期待感を膨らましました。しかし現実は米中貿易摩擦問題の炎上から、投資意欲は大きく減退したままです。つまり減税は不発になりました。そうして財政支出、国境の壁問題は棚上げ化しており、むしろ政府機関の閉鎖で、懸念材料に転換しました。面白いものです。
株式投資で言う「仕掛け」が上手く決まらずにアダになり…その為にシコリ感だけが残った印象です。そんな相場に見えます。仮にFRBの利上げ政策が正しく、期待値だけが剥落しただけなら…この後、市場は売られ過ぎた「値戻し相場」が始まります。
でも直ぐに全値戻しは難しく、下値圏の壁を上回り…どの程度まで戻せるか? その戻り相場の出来により、今後の相場展開も影響を受けます。当然のことですが、値戻し率が高いほど新高値相場に発展する確率が高くなります。市場には「半値戻しは全値戻し」と言う諺がある程です。
既に米国金利(10年物)は50ベーシス以上、利回りが低下していますから、金融政策より米中問題に比重が移っているのでしょう。年頭所感を見ると…習近平氏は台湾問題などに強気を堅持し、負け犬がキャンキャン吠えている様な印象も持ちます。確実に中国国内の景気は落ち込み始めています。自動車販売の整理は大変でしょう。各社は伸びを見込み、既に設備投資を実施しており…過剰な生産能力が存在しており、この設備投資の減損処理が免れない印象です。だから自動車は、当面…買えませんよ。
自動車もスマフォも駄目なので…世界の景気動向は減退を避けられません。サムソンのような生産調整だけで済めば…御の字です。市場の下落度合いをみると…その程度(生産調整)の動向では終わらないことを示しています。
もうアップルの減収減益は株価に織り込んでいるのですが、まだ株価が下げています。今回の下げ相場を主導し…先駆するアップル株の動向は、これからも様々な指標になります。この株が、どんな悪材料にも反応しなくなれば…しめたものです。今回の減額報道は、その為の試金石になります。ここでもう一度、アップル株のチャートを見て置きましょう。
今、鶴見です。なんと…驚くことにカタルの母校の東海大学が「箱根駅伝」で総合優勝を初めて達成できるかどうか…。とても今年は縁起が良いですね。苦労した平成と言う年号は変わるし、何か…ワクワクする1年になるのかもしれません。
こりゃ…日本国は新しい年に、名実ともに…大きな変化をしそうです。でも優勝候補の青山学院大学が2位に浮上しています。どうかな…逃げ切れるかどうか。
昨年のカタルは僅差でプラスになりましたが…本当の実態は大幅な赤字なのです。何しろケネディクスが崩れました。企業業績は間違いなく良い筈ですが…市場は全体相場の市場リスクにさらされました。
昨年の年初は今年と逆に期待感が先行し、今年は、年初から不安が増幅してスタートします。こんな激変を迎えるとは…昨年初め…誰が考えたのでしょう。あの弱気レポートを出し続けたモルガンスタンレーさえ…SP500の年末予想は最低予想とは言え、2750だったのです。でも実際は2500です。結局、だれも昨年末の急落相場を予期してなかった訳です。
カタルは、今年「ROE経営」が確立される年になると思っています。デュポン式をみると分かりますが…日銀はゼロ金利政策を継続しています。一方、企業の売上高経常利益率は8.52%~8.25%なのです。つまり借り入れを増やし…投資を増やすと利益が拡大する構図です。
日本と言う国は、兎に角、無駄が多い国です。村論理で協調性が重視され、みんなで切磋琢磨ではなく…妥協を強いられる社会構造でした。でもゴーン事件はこの試金石になり、東芝の車谷さんの決断は、不退転の決意を感じさせる自社株買いでした。
今後も、この手のニュース(事象)は継続して追っていくことになるでしょう。日銀の売上高経常利益率の推移は、確実に日本企業が変化している様子を示しています。だから日本株は大きく下がる道理がありません。
市場では中国の減速が日本経済にも打撃を与えると言うものですが…TPPから日欧のEPA…さらには、この後にRCEPも控えています。アセアンの成長は日本経済にとって大きなアクセルになります。此処に三井住友の動向が加速されます。三菱UFJの株価推移もアップルと共に注目されます。データサイエンスの価値の認識度が進み…日本のスマート化も加速されます。
良い材料が沈み、悪材料が浮上する年初の所感です。悪材料にも打たれ強くなるか、どうか…。年初の相場の見方は、アップルのような業績悪を、どの程度、既に株価は織り込んでいるか…を見る相場になるのでしょう。
円高が加速していますが、市場参加者は少なく…空白地帯です。もう株価は峠を越え…下値を確かめている最中でしょう。この後は、「戻りを試す」動きになりますから…その波動の先頭を攻めれば良いのでしょう。それでは…また明日。本年もよろしくお願いします。