デフレ脱却の動き

NY市場の不振は、この所…際立っているように見えます。以前なら、中国の影響が少ない米国は、もっと強く見えて良い筈なのに…、かなり弱く見えますね。上海総合株価指数の動きは…おそらく個人が信用取引の拡大で経済指標を無視して買い上がった為の報いなのでしょう。中国はリーマンショックの後、大規模な公共事業投資を実施し、大量の過剰生産設備が生まれました。この調整は容易に進みませんね。地方政府の無秩序な行動が無駄を多く生みました。

PM2.5を見れば分かります。世界陸上の開催に合わせ、青空を取り戻そうと操業規制を実施し、更にナンバープレートによる自動車規制も実施されていると言います。この古い生産設備からの転換である、効率化の構造改革は容易でないようです。更に習近平政権の粛清が輪をかけ、経済発展を妨げている様に見えますね。ただ中央政府は困難な中でも比較的しっかり政策運営をやっており、今の所、不動産業の企業業績は大きな落ち込みはないようです。銀行の不良債権増加が日経で話題にされていますが、今の所、気にする数字ではありません。GDPを7%から5%へと軟着陸が出来るかどうかなのでしょう。国内消費の伸びが注目点ですね。一人っ子政策の後遺症は深刻で、日本なんて…もんじゃないのです。しかしまだ時間的なユトリが多少はあります。

NY市場の動きをみると、やはり米国は独自の動きのように感じます。市場動向を見れば…明らかに、1937年問題が潜在的に影響していると思われます。カタルが懸念している「偽りの景気回復」なのでしょう。リーマンショック時の落ち込みで溜まった潜在需要の消化が影響していると思っています。米国もスマートコミュニティーへの転換が進んでいますが、経済全体を引っ張るような力強さは、まだ生まれていません。でもグーグルやアップルなどの存在は力強いですね。

最近、予防医療(予防介護)の重要性が認識され始め、地方自治体が医療費の増大を防ぐ為に、運動などの支援活動をするようになっています。検査を実施し、更に病気が悪化しないように改善指導するアプリ開発は高成長が見込めますね。アップルウォッチは、ある意味で有効に思えます。このスマートコミュニティーの潜在的なアイディアは、たくさん存在しベンチャー企業の優位性が光ります。

日本経済は完全な踊り場で…黒田さんが求めている「デフレ脱却」が鮮明に…市場では見られませんね。しかし本日の日経新聞に載っていたように…国土交通省調査の地価動向報告を見ると分かりますが、確実に、効果は広がり続けています。その様子が次の表で分かります。残念ながら、資料が、最近のもので2003年~2007年時の回復の様子が分かりません。あの時は、もっと急角度に回復したのでしょう。カタルが何故、1937年問題を盛んに採り上げ…話題にしているか? つまり金融機能が、経済活動を引っ張るからですね。金融が弱ければ、経済も弱いのです。金融が強ければ…必ず実態経済は力強く上昇します。

2003年からの回復は、リーマンなどの積極的な金融機関が利益を求め、日本の不動産界に参入したのですね。当時、竹中平蔵は経済財政政策担当大臣として権力を振るい、大手銀行の不良債権を目の仇にして…過剰な権力を振るって、不良債権を強引に減らしてきました。その為に大手銀行は膨大な損失を計上したのです。時間を切った削減目標だったために、そこに合理的な経済性を無視した価格形成が生まれました。時価が100万円のものを10万でも…投げ売りしたのです。その美味しい利益を求め、多くの外資が日本の不動産界に参入しました。此処で成長したのがダヴィンチやケネディクスですね。

経済の構造と言うか…、世の中の論理として…、先ずは兆しがあり、それから実体経済に移行し稼働して行きます。相場に金融相場と言う理想買いがあり、次に業績相場と言う実態評価が訪れるように…。ケネディクスは100円割れから800円を付ける理想買いの相場を、先ずは演じたのです。そうして今は、実体評価に変わり始めています。毎期、増額修正されていますね。

今回の商業リートの公募は…不動産プールの受け皿拡大ですよ。利益の素がプールされるのですね。証券マンなら、この意味は分かるでしょう。労せずに預かり資産が増えるのです。証券会社の経営者なら、投信の残高が拡大するのです。分かりますね。その大元を支えるのが、地価動向や賃貸料の推移です。如いては日銀の金融政策なのです。なかなか実体経済に波及しない動きですが…確実に輪が広がっているのが、国土交通省の資料からも分かりますね。1989年から2003年が一番底、2007年から2010年が二番底のイメージですね。ようやく…長かった失われた時代と言う扉を開けるのですね。

地価動向報告
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地価動向報告

今までの我々が稼ぐ利益は、過去のバカ政策の整理の為に消えました。償いは終わったのです。長~いトンネルから、ようやく抜け出せ、本物の成長期に日本は移行したのですね。ROE経営定着の意味は、未来に向けた利益の蓄積が始まったのですね。ただあまりに長いトンネルだったために、途中で人々の世代交代が起り、なかなか全体に火が付かないのですね。希望を失った日本国民の現状を見れば分かりますね。僅かな国立競技場の建設予算も否定するのです。ブラック企業が生まれ、雇用の質が劣化しています。日経新聞などを読むと…有効求人倍率が23年ぶりに大きく改善しているとか…言いますが、本物ではありませんね。政府が賃上げ指導しているようじゃ…まだまだ本物ではありません。

先ずは三菱UFJの株価が、純資産価格の1093円をクリアしなくてはなりませんね。それからですよ。日銀は必要なら、更に量的緩和を拡大しなくてはなりません。完全なバブルが生まれるほど…過剰な行動が必要なのだろうと思っています。シャープが倒産の危機にあるような経済状態が、そもそも異常なのですね。確かに過剰投資でしたが、その過剰投資が活きるような経済環境が、新しいスマートコミュニティーの時代を創設するのです。明日は個別株の動向を見てみようかな…と考えていますが、どんな内容になるか…明日の朝にならないと…人間の気持ちなど、簡単に変化しますからね。それでは、また明日。



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