アーカイブ:2020年12月

イナゴ族を考える

一般的には…景気変動の波はキチン循環、ジュグラー循環、クズネッツ循環、コンドラチェフ循環の4つの波があると教わりました。順番に生産や在庫の話のキチン循環、設備投資のクズネッツ循環、そうして建設などの構造物の波であるクズネッツ循環、最後に、産業革命や今回のクラウド、サブスクリプションなどのサービスに代表される時代進化のコンドラチェフの波です。この時代革新は、インターネットの発展で一気に変化しています。脱炭素化やDXなどを含め、インターネットのおかげで、人間の思想が大きく変化しています。

アメリカ第一主義を掲げるトランプ氏の誕生や、ブレグジットなどは、グローバル化の反動で「揺り戻し」なのでしょう。たぶん…やはり地球連邦構想に向かうのでしょう。この所RCEPやTPPなどへの中国の参加意欲を見ると、米国との覇権争いも絡み、興味が尽きないところです。

株式相場を考えるためには、バックグランドは広範囲にわたり、様々な基礎知識がないと理解が進みません。カタルには異常に見える現象が市場には沢山あります。

昨日も書きましたが、「ロビンフッター」や「イナゴ族」を批判するのは誰にでも出来ます。

此処で…知らない人に、解説が必要かな? ITバブル以降、時代の進化が早くなり、株の「値動きだけが信条」の目先投資をする人達の事と…カタルは理解しています。実際は、もう少し解説が必要ですが…兎も角、その投資法は「順張り」と呼ばれる「モメンタム投資」です。株価が上がる方向性なら買い続け、株価が下がる方向性なら売る市場の株価に沿った投資法です。

実はカタルとは、少し投資法が違うのです。今回、ロコンドを手掛けて、初のイナゴ族との協賛相場になったので、彼らの心の一端を知る機会になりました。

高い授業料ですが…そのおかげで、カタルは少し成長をしているのでしょう。以前、カタルは財務省から慶応の大学教授になった小幡さんの「テスラ批判」の原稿を、紹介したことがあります。此方だったかな? テスラ株は髙過ぎるという批判です。しかし現実は…今年も他の多くのGAFA株は2倍程度の上昇ですが…テスラは5倍以上かな? 

このような現象は、市場にはたくさんあります。例えば…こちらが新しい話です。ドイツ銀行は「冬が来る」と述べています。この「スノーフレイク」(SNOW)は、今、一番注目されている企業の一つでしょう。でもデーターウェアハウスの話が絡み、データを管理して応用する会社と言う位置づけでしょう。何しろ…PSRが、100倍を超える評価なのです。テスラなんて…もんじゃないですね。

つまりカタルが今回、ロコンドの失敗を通じて…学んでいるイナゴ族の考え方の話です。批判は誰にでも出来ます。人間は、自分だけが正しいと思い込む動物です。だから…ヤフーの掲示板をみると、誹謗中傷が溢れています。ロコンド株を手掛けないと、カタルはこのレベルの噂話は信じないし…サイトを見ることもなかったのです。でも彼らの考え方を学ばないと、これからの市場動向は理解できないとも思っています。

確かにロコンドの失敗は痛かったのです。ピークから比べると…話にならないほどの損失を抱えて、先週はその反省をしています。でも同時にこの対価は貴重な経験を生んでいます。情報と言うのは、このように…お金が掛かるものです。

机上論では、決して、この「感情」を味わうことは出来ません。

それぞれ…人間には、今、自分が許容できる損失の額は違いますから、一概に金額を言っても、人により感じ方は様々です。1億や10億程度の損失は、笑い話のような金額の人も居ます。逆に、数万円の損失でも…非常に重く受け止める人も居ます。自分が置かれた立場で、感じた方は様々なのです。だからストカーが生まれ、殺人などの犯罪に及ぶこともあります。

人間は自己中心的、だから他人の気持ちになってレポートを読まなければなりません。カタルは読者の人に、「賢い投資家」になって欲しいと願っています。その為の基礎知識を、馬鹿レベルのカタルでも、理解できるように噛み砕いて日々のレポートで説明をしています。

冒頭に景気循環の話を持ってきたのは、市場には様々な景気循環が流れ…如何に稼ぐか? もっとも…今、お金を稼げるのは旬は、何処か? その投資先を探して世界中の人が右往左往しています。

ロビンフッターやイナゴ族は目先の鞘取りをします。だからモメンタム投資に傾きます。この感覚と配当利回り投資の感覚は、別次元の話です。自分が数十億円持っているなら、1%の違いで10億円なら1000万円違いますから大きいですね。ですが…100万円や1000万程度では、配当利回り投資を選択するかどうか…。

日本人は特に慎重です。だから現預金残高が1031兆円も低金利で眠っています。ゆえに長引く「流動性の罠」に嵌ったのです。

しかし…成功体験が「大胆さ」を生みます。行動力を生むのです。ケネディクスの宮島さんが、何故、オープンハウスと違い、一番、旨味がある時に大胆な行動を選択できなかったか? それは金融庁の間違った政策方針により、非条理な経験がトラウマになった為と考えています。あの金子さんが債務超過に陥ったのです。ケネディクスも同じです。ですが…選択は「紙一重」なのです。

今の金融環境なら…ダヴィンチは救われていたはずです。お金と時代進化の話をモデルナのワクチン開発の話しを通じてカタルはしています。

お金があれば…開発要員を10人から200人、300人体制で開発できますから、当然の話ですが…開発スピードが上がります。効率化を目指すDX投資は、そういう事です。カタルが語っている「ROE」投資は、そういう事なのです。ですが…日本人は村論理に縛られ、その「枠組み」から出ようとしません。検察のゴーン逮捕をカタルは批判しました。確かに彼も悪いのですが…。

何故、パイオニアの指名解雇の話を、何度も…カタルが持ち出すのか? 1993年にはグローバル化が進行していたのです。鄧小平の南巡講和は1992年の話です。

この辺りの歴史認識がないから、日本人は「失われた時代」を長く過ごしています。政策官僚は自分が正しいと思って…テスラ株の高騰を批判します。慶応大学の小幡さんは財務官僚の出身です。

でもカタルは現場の叩き上げ、一応は証券アナリストの資格を持っていますが、そんなもんは何の役にも立ちません。現場の経験で追証の痛みを味わってみないと本当の経験は出来ません。机上論では意味がないのです。

ITバブル当時のソフトバンク(9984)の日足推移

ITバブル期のカタルの失敗、今、あの当時のソフトバンクのチャートを見たら…カタルの記憶も、いい加減です。自分でソフトバンクの株を1000株だと思っていましたが違ったようです。1997年末の最安値は1670円です。その近辺で…カタルは自分自身で「ソフトバンク」株を買ったのです。ですが…生活が苦しくて株を売り生活費に充てました。

だからITバブルの前哨戦の1999年も、顧客にソフトバンク株を勧めていました。カタルの記憶では1万円だと思っていましたが、記憶と時期が合いません。人間の記憶など…いい加減なものですね。確か9月頃まで売り買いを続けていました。そうして…年末のソニーなんかがストップ高をする市場に付いて行けず、2月の198000円を付けるソフトバンク株を眺めていました。

顧客で、一人だけ…300株かな? いや1000株だったかな? 「ソフトバンクは売らない」というから…、顧客でソフトバンク株を持ち続けていた人が居ました。あの最高値を見ただけの顧客です。その後、子会社のソフトバンク・テクノロジーだったかな? 親会社を売って変えたのですが…これも失敗でした。あの先生は…どうしたかな? 今頃は、きっと有名な外科医になっているのでしょう。

このITバブル当時に…イナゴ族が誕生します。新しい感覚の投資層です。小手川君なんかも、その一人なのでしょう。今回はグロームHDをラッセル組の参考銘柄に掲げています。日本の医療界を変える素質を持っています。たった3000株だけですがカタルは持ち続けています。先日、短期投資で500株、もう500株の合計で1000株を買いましたが、その内、500株は追証なので直ぐに売りました。

ですが…このグロームHDも、この時期のソフトバンクと同じ感覚です。10年、20年と株を持ち続けたら…株式分割で持ち株が増えて、大金持ちになるかも知れません。ですが、カタルには、その時間がもうありません。もう棺桶行きです。

本日、紹介している、これから下がると指摘されている「スノーフレイク」も株価がもう少し、下がり続けたら…面白そうです。成長株なのかもしれません。これからの時代は、データの価値が飛躍的に高まります。日本人だけです。情報の価値観を理解してない馬鹿は…。これじゃ…世界競争に勝てません。

カタルが先週の株式教室で「カタルの失敗」を書き、こうやって少しずつ進化をしています。テスラ批判は、誰もが簡単に出来ます。しかし人類の価値観が、そもそも…尺度が大きく変化をするから「時代革新」なのです。50年に一度、100年に一度の大きな体制転換です。カタルは「明治維新」のようなものだと思っています。だから黒船来航から西南戦争の時間を当て嵌めました。

11月から…明らかに海外投資家の日本株に向けた視線が、変わり始めています。だから29年ぶりの高値更新になっています。

景気循環の話(NYダウ=日経平均株)、時代革新の話(ナスダック=マザーズ指数)…自己中心的な考え方を、自ら手で破壊しないと、新時代の相場に付いて行けないのでしょう。ロコンドの損は痛かったのです。

その損を経験して「学び」を得ています。上手く、この経験を活かす事が出来るかどうか…ITバブル期のソフトバンクのチャートを見て、イナゴ族の考え方を学びましょう。

これから…会員向けの原稿を書きますから、たぶんアップは午前様でしょう。会員の方は、明日にでも原稿をお読みください。



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