今日は祝日ですから、相場がありません。いつものように遅い…書き出しです。小さい頃のカタルは金曜日の夕暮れ時が、一番好きな時間でした。何故なら、翌日の土曜日は半分だけ学校に行くと…翌日は、日曜日でお休みだからです。休みは、うれしかったかな?
でも社会人になり、相場がない日曜日は、嫌いでした。ですが…今度は金曜日ではなく土曜日が好きでした。何故なら、午前中に相場が終わり、午後からは仲間と麻雀ができます。それでも…相場がない日は、寂しかったのでしょう。
よく休みの日に…会社まで株式の専門誌を取りに行きました。家で、その新聞を読んで勉強をしていました。日刊投資や株式新聞、株式市場新聞、日本証券新聞、証券新報かな? 当時は、なんと…株式の専門誌が、5紙もあったのです。あまり内容のない新聞ですが…それでも5つもあったとは…驚きの時代です。
常に同期で、一番になる為に…自発的に日曜日も新規開拓をします。サラリーマンですが…陰に隠れて努力を続けてきました。そうして毎回、僅かな賞金、毎月の新規開拓のトップは5000円だったかな? それを獲得するのです。
証券業の場合、だいたい月に10人程度が限度でした。その中で、良い顧客に育つのは1/100程度かな? 大概は株式で失敗をして、損をして消えていきます。常に人気株ばかりを追うからです。
ようやく、「名目時代入り」したらしく…株で、何億円も儲けたという話を、良くメディアで聴くようになって来ました。でも下手糞のカタル君は200万円から始めたお金は、確か…今年は1300万円からのスタートです。5年ほど経過して、この成績ですから上手いとは言えません。
でも老婆心ながら…日本でも、何故、こんな株価を付けているのか? 分からないケースが多く存在するようになっています。
日経新聞が堂々と…その株の話を掲載しています。本日はファナックや安川電機の話がスクランブルに登場をしています。でも…両社とも、この時期の設備投資株は割高な評価を受けるのは当然ですが…しかし、カタルには、既に買えない株価水準になっています。
何故、日経新聞がこんな報道を繰り返すのか? よく理解できません。きっとバカ記者なのでしょう。今の市場の焦点を理解してないように思えます。市場の焦点はテーパリングや米国の金利の話…または「デュレーション」の話です。CTA(商品投資顧問)は大規模な仕組み取引を実施しています。だから…こんな現象が生まれます。この解説を会員レポートでは触れています。皆さんへの公開は、もう少し後になったら…何れ、機会があったらします。
折角、休みの日に読んでくださる方に、「基本的な投資概念」を本日は話します。株式の指標の中で代表的なものはPBRとPER、更には「配当利回り」なのでしょう。近年は、これに資本効率を意味するROEと言う尺度が一般的なものでしょう。
PBRは純資産価値に対して、株価が何倍に評価されているか?…と言う基準です。野村証券株は一株当たりの純資産価値(株主資本)は913円です。これに対して…株価は、この所、上がったと言っても632円ですから、PBRの基準は0.69倍です。つまり解散価値より割安に評価されています。
これには理由があります。リーマンショックの時に、金融株は自己資本比率規制を設けられ、高い自己資本比率を維持しないと営業活動が出来ないために、浮動株式が大幅に増えたのです。だから邦銀株を含めPBRが低くなっています。しかし論理的には1倍以下の株価は割安です。
逆に日経新聞に掲載されている安川電機にしましょうか…、安川の一株純資産897円ですので株価は5600円ですからPBEは5600/897=6.24倍です。野村証券の0.69倍と比較して明らかに割高な評価です。
一方、収益力を見る利益に対する株価はどうでしょう。
野村証券の一株利益は3Q段階で98円ですが、安川電機は53円です。通常は通期で見ますから…本当は4Qの利益がこれに上乗せされますが…まぁ、野村証券は予想を開示していませんから、3Qの実績で比較します。
そうすると野村証券は632/98=6.4倍、一方、安川電機は5600/53=105.6倍まで株価は買われています。この意味は企業が現状の利益を出し続けて、何年で資金が回収できるか?…と言う意味です。野村証券は6年半ですが、安川電機は105年もかかることになります。配当還元率が100%で…この時間ですよ。
次に配当利回りを観ましょうか…。これは期末で見るべきでしょうが…両社とも中間配当を実施していますから、それで見ると…野村証券は20円ですから632円に対して3.16%です。一方、安川電機は5600円に対して26円ですから0.46%です。
基本的に、如何に日経新聞の記者が書いている記事が、偽物か…分かります。このスクランブルの記事を読むと…これから海外投資家が、「優良景気敏感株」を買いに来るようにも、解釈できるような記事が掲載されています。
ですが…ソニーや村田製作を掲げるなら分かりますが、割高なファナックに安川とハーモニックドライブを掲げています。自分で株を買ってみればいいですね。この記者が自分のお金で、これら3つの株を買って…1年後に儲かっているかどうか…。
ソニーの数字を見ると、かなり割安に見えます。いくらコロナと言う特需があったとしても。3Q段階で既に一株利益は852円なのです。しかし株価は11990円ですからPERは11990/852=14.0倍です。3Qの実績ですから単純計算で852/3+852=1136ですから、PERは10.5倍です。約10年で投下資本の回収です。企業が30年続くなら投資の価値はあります。同じ引き合いに出すなら「ソニー」を出した方が、良いように思えます。ソニーは映画とゲームと言う「物の価値」観ではなく「文化の価値」観を有する会社です。
この理由は、これまでの過程でしょう。ソニーはご承知のように赤字に転落して「ものを言う株主」のサードポイントに狙われて…虐められました。つまり赤字の悪い時期が長かったために、「浮動株」が吸い上がってないのです。だからソニーは、本来なら…「自社株買い」を実施すべきでしょう。
ここでソフトバンク(9434=通信)の話をします。この会社は前期の一株利益は99円でしたが、85円の配当を実施しています。この還元比率が「常識」的な水準です。
潜在成長率が見込めるなら内部留保をして…配当をせずに、自社株買いを実施するか?あるいは…更なる業容の拡大を図る為に投資をすべきです。この目安は、売り上げに対する営業利益率の水準です。製造業の場合なら10%程度なら配当をすべきでしょう。逆に20%、30%なら内部留保に回して…本業の拡大をしても理屈は合います。
ここで赤字の新興企業の場合は、売り上げの伸び率が重要になります。今のテスラはそうですね。少し前のアマゾンも赤字体質を散々批判されましたが、高い売り上げの成長率でした。
基本的に「潜在成長力」の高い会社は、配当も自社株買いもせず、業務拡大に向け資金を使うべきです。ですが…良い投資先が見つからなければ、自社株買いの選択になり、最後に配当です。
逆にアップルのような高い利益率の場合、低い金利の社債を発行しても…自社株買いを実施する方が、「資金効率」は良いですね。
ソフトバンク(9984=投資会社)は、低い金利を利用してレバレッジを利かせて…投資を実行して成果を生んでいます。今の投資環境を、上手く利用しています。ジャブジャブの資金ですから…これを活用してAIに集中投資をして成果を上げています。
ところが日本の多くの経営者は、株主の還元比率が非常に低いのです。野村証券などは、あまり成長が望めませんから…もっと総株主還元比率が高くていいと思います。ですが…30%もの配当は必要なく、本来は配当をしないでも…自社株買いを実施すべきです。
しかし…金融業は、「自己資本比率規制」の問題があるので…ある程度の資本が必要なのです。この辺りが難しい。製造業とは少しニュアンスが変わります。
JTの減配報道がありました。JTは構造改革を実施するためにリストラを敢行しています。その為に通期の一株利益予想は135円になりますが、130円も配当に回すわけです。ほぼ利益の全部を配当として…株主還元します。
株価は決算を受け1990円ですから、130/1990=6.53%です。
減配でも…高い配当利回りです。仮に企業業績が横ばいのまま推移すると…19年ほど経過すると、投下資本を回収できます。配当には20%課税されますから、実際は104円ですから、1990/104=19.13です。
株式投資の原点は、このような考え方で成り立っています。ですが…日経新聞が書くような記事が、世の中にあふれ…その報道で株価が乱高下します。
自分がどんな基準で株式を判断するか?
しっかりとした「基準」を自分で理解してないと、新聞記事に騙されるかもしれません。世の中の情報は、自分が精査する能力が必要です。ファナックは安川よりまともですが…カタルにとって、同じように割高に見えます。ですがスクランブルに、もし…ソニーや村田を掲げていたら、ある程度は納得します。
村田の株価水準はPER30倍だったかな? 通期の予想一株利益は337円で、やはり1万円の株価を割れてきており9668円ですからPERは28.6倍です。ファナックや安川は、これからどんどん良くなると言われても…限度と言うものがあるでしょう。
この村田も前回、「メトロサークの量産化」の失敗で、ソニー程、深刻ではなかったのですが、機関投資家が、株を買えない時期がありました。だから機関投資家のもとに浮動株が集まってないので、株価評価が低いのでしょう。ソニーもそうなのです。
基本的に、このような過去の時間背景が「株価評価」にも影響を与えます。
株式投資を良く知らないと…多額の損失に追い込まれ、自殺の選択をするようになります。先日、ゲームストップ事件で損をした若者の遺族がロビンフッドを訴えていました。このような結果になるから…皆さんも無理な投資をせずに、自分の力量を守らないとなりません。
基本的に「投資」と言うのは、「投資資本の回収」を前提にして…投資をするものです。
日本の場合、これまで低い成長なのに、配当もせずに…内部留保を貯めこんでいました。475兆円ですよ。馬鹿水準です。そのお金を銀行預金するなら、株主に還元をすべきです。だから潜在成長率が乏しい企業(産業)は、最低でも50%程度を、株主に還元すべきです。成長率が、ある程度見込めるなら…自社株買いを選択し、その潜在成長率が見込めないJTや通信のソフトバンクのような場合は配当を選択すべきです。
これが市場論理です。
低い配当で内部留保を蓄える前田道路などはTOBをされて当然です。経営者は説明できる資金の使い方をしないとなりません。これからの時代はM&A時代の幕開けです。だから野村証券は、どんどん活躍期を迎えます。
ようやく…名目成長を重視する経済が定着をします。都心の不動産(地価)は、一時的にコロナ騒動で地価が下がっているところもあります。チャンスですよ。カタルに、お金があるなら…マンションの一棟買い考える時間です。
それでは…本日はこの辺でお終いです。