アーカイブ:2021年2月14日

相場の黒潮

今日は「潮流」の話をしましょうか…プロの証券マンは、常に手数料を考えて行動をします。顧客の儲けもそうですが…まずは自分自身のノルマの達成、グループの課題、支店の課題…と言う具合に身近なノルマの消化に追われます。カタルが入社した当初の募集ものの目標は100万円、200万円の可愛いものでした。それが一人前扱いになり、通常の1000万円、2000万円に引き上げられます。

日々の株式の手数料以上に、投資信託などのノルマの消化は大変です。場合によれば…毎週、締め切りが到来します。この目標額が、バブル期は1億、2億に跳ねあがります。通常の企業の売り上げが10倍なんてありえませんからね。でも証券界はそれが現実でした。このノルマですが、自分の分だけなら消化できますが、他人の分を毎回、自分がやるようになると…仕事がアホらしく感じます。毎回です。ボーナスの査定は僅かな違いですよ。一体、だれの為に…ノルマを消化するのでしょう。

バブル期の証券会社は狂っています。今の証券会社が、どうなのか…現実を知りませんが、今の相場環境で月間の株式手数料が1000万以下の人は、反省をしなくてはならないでしょう。それほど…良い相場で全面高です。

これでノルマが達成できなければ…はやくこの業界から足を洗って別の道を模索したほうが良いように感じます。ようやく…ここまで来ました。カタルが希望を胸に上京し、新規開拓をして毎月10名ほどの新規顧客をつくりますが…全滅です。毎日、株は下げ続け…ダラダラと呆れる政策です。

この失われた時代の「肥やし」が、ようやく効いてきました。いよいよ始まります。

歴史的な大相場です。こんなに条件が揃うことは、もう二度とありません。前にも話していますが…すべての景気循環が上向きに動き、しかも力強く…躍動感が溢れる時代変革なのです。

本日は相場論の話を、少ししましょう。これは既に会員向けに前から述べています。2018年の失敗で、思い出深いのは…「古河電工」と「東邦チタン」ですが、ここでは被害が大きかった東邦チタンを取り上げましょう。

当時の景気循環のキチン循環(在庫循環)は、既に下降波動でした。故にカタルは2018年の春はディフェンシブ・ストックの「小野薬品」を取り上げていました。この狙いは見事に成功します。年間、倍増の目標を達成して後半相場に取り組みます。本来なら、キチン循環は下降していますから、「空売り」の相場です。しかしカタルはその流れに逆らいます。下がることを前提にして古河電工を買ったりしていました。

東邦チタンはMLCC(積層セラミックコンデンサ)と言う電子部品の材料である超微粉ニッケル(ニッケル粉)を作っている会社です。スマフォなどの小型集積の為に部品は日進月歩の開発です。この為に、このMLCCが大きく伸びることは2018年の時点では既に分かっていたのです。今日の村田製作や太陽誘電の株価上昇は前から決まっていました。

東邦チタンの収益源のもう一つはスポンジチタンです。チタンと言っても色々です。この分野は大阪チタンが世界でもトップ水準ですが…MLCCをもつ東邦チタンが良いかな?…と2018年当時は考えていました。

しかし…チタンは翌年ボーイング737MAXの墜落で外部環境が激変します。あの時点では、最適に思えた選択でしたが、株を買った後に状況が変化してマイナスになりました。これは…あの時点では分かりません。

ずっと追い風が続くとは限りません。故にカタルは東邦チタンから撤退をしました。IIJも携帯電話料金が大きく下がるので…格安スマフォの利用がこれから減ります。だからIIJを成長株の「ラッセル組」から外しました。現在残されたラッセル組は「ロコンド」と「グロームHD」です。他は…循環ですよ。

この話から分かることは、如何に市場に流れている「潮流」に上手く乗るかどうか…が、株式投資では勝敗を分けると言う事実です。よく漁師が船のエンジンが故障して遠くに流されますが…黒潮の流れに上手く乗れば、その成果は加速度的になります。「相場の黒潮」に如何に乗ることができるか? 証券マンは常にその流れを追うわけです。

村田製作(6981)の日足推移

この流れを年末の時点で予測しています。「節分天井、彼岸底」と言う格言を使い、カタルは2月になると株は全面安になる展開も視野に入れていました。だから村田製作の1万円手前で…売りを勧めています。

ところがカタルの想定を超えているから、相場の修正を述べています。年末の相場観の修正を迫られたわけです。それが2月7日に書いた「ケセラセラ」です。2012年の52週線との乖離は実に47%でした。2月7日時点では、この乖離は24%でした。

これで…残り2つの選択肢が浮上します。

一つは…昨日書いている流れです。米国の金利高から、邦銀株を中心とする金融株の力強い株価上昇です。TOPIXの株価が強いのはCTAによる仕組み取引だと言います。彼らは継続する力はありませんが、相場の方向性を印象付けるリーダーです。

もともと…村社会構造意識が強い日本を、海外投資家は低く見ていました。だから彼らのポジションはガラガラです。しかし日本株のパフォーマンスは悪くないですよ。この後…このシナリオが上手く軌道に乗り、海外投資家がCTAに続く…行動をとるかどうか…。この後の条件の進行度合いで、このシナリオの成否は決まります。

ですが…今、流れが来なくても、何れ、この路線は再び訪れます。

要するに…誰も未来図は分からないのです。ですが…この流れは前から存在しており、何れ必ず訪れます。その潮流が、何処を流れているか…と言う話です。

もう一つは、皆さんが好きな個人投資家向けのマザーズ銘柄の復権相場です。このグループは昨年の9月から調整を続けています。カタルはここでは「NPC」(6255)を取り上げて解説をしています。本当は「ロコンド」だろう…と思っていますが、何しろ、挫折をしています。

「謎」の株価下落です。

カタルには、この相場は理解不能でした。市場参加者が、如何に見る目を持ってないか…本当に市場参加者は、バカだと思います。GPIFも日本生命も東京海上もみんな馬鹿の寄せ集めです。よくこんなバカばかりを揃えます。

確かにルールがあるのは分かります。カタルも法人出身です。規則で東証一部だけとか…黒字企業で配当を実施しているところだけとか…。株は全く駄目で、債券もAAA以外は投資しては駄目と言うところもあります。

ですが…規則って、何のためにあるのでしょう? 

前例の判断がすべて正しいのでしょうか? 

今は時代変革期を迎え…価値観が大きく変化をしています。今回のワクチン騒動を見てもわかります。日本人と言うのは、こんなにバカな集団なのでしょうか? 

しかし日本料理は素晴らしいです。たった一度の経験ですが…京都の吉兆での舟遊びを兼ねた夕食は素晴らしい…価値のあるお金の使い方です。今でも…あの思い出は鮮明です。あれは…カタルが書いた本が売れたので、手伝ってくれたK君の奥さんも含めて招待して…かみさんと4人での会食でした。

一流の世界は、やはり凄いのでしょう。京都は「拘りの世界」のようにも感じます。今でも、一度、暮らしてみたいと思っています。仙台も好きです。仙台はあまり行ったことがありません。…話を、戻しますね。

要するに…いつも人気になる素地がある市場の流れ…つまり「潮流」を探しています。今、市場は、この銘柄が人気になり(例えば…国際優良株の村田製作など)、この銘柄の株価位置がこの位置だから、そろそろ限界を迎える…とか考えている訳です。これは村田製作が1万円の手前で休むと思っていましたが、実際は違いました。

ですが…3Qの決算発表が終わりました。この3Qは大きくの企業が通期の数字を増額修正するポイントです。よく覚えて置いてください。これが日本人の習性です。

日本電産のケースは、稀ですよ。永守さんのような行動はとれずに…大概は事前に「布石」を打って…「言い逃れ」の余地を残す行動をしています。だからみんな通期の数字が見える「3Qでの増額修正」になります。しかしこの期に及び、まだ増額修正をせずに、3Qの実績より低く通期の予測を変えないところもあります。企業カラーが分かります。

ですが…この増額修正は、カタルが、昨年、自動車株のスミダコーポなどを打診買いしていた6月の時点には、もう決まっていました。何故なら、あの時は既に、中国の自動車販売は底を打ち反転し始めていたからです。カタルはその兆候を見逃さずに…チャレンジしていましたが…なかなかこのグループの株価は立ち上がらずに推移していました。

そこに…、ロコンドの株価が下げてきて、3割乱高下に向かったわけです。これが昨年の「カタルの失敗」です。僅かな読みの違いです。あと少し早く…スミダが上がっていたら…ひょっとしたら、村田などの…「路線」を利用していたかもしれません。

潮の境目の読みは、非常に繊細で難しい…ものです。

今もそうですよ。だから会員レポートでは推奨株を取り上げないこともありました。カタルに自信がないのに…銘柄を取り上げ続けて、良いものかどうか…。ですが、本当に株が買いたいと思う衝動に駆られることは、非常に稀です。いつも…ある程度の路線で妥協点を見出して行動をしています。

本日は相場の潮流の話をしています。市場に流れている「黒潮の流れ」を的確に見極めて…その流れに身を任せ続ければ…あっという間に、使い切れないお金が残りです。今日は「潮流の話」をしました。



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