アーカイブ:2021年10月24日

頭の解剖(考え方のプロセス)

物事の観方には様々な見解があります。世の中は広いもので…想像もしない解釈が成り立ちます。その見解が正しいかどうか…は、未来図の展開で結果は変わりますし、不確定要素が多く…何が新しい展開を生むかは分かりません。

例えば…昨年、中国はオーストラリアから石炭の買い入れを止めました。この背景は、色んな原因があるのでしょうが…理由は、何かと敵対するオーストラリアへの制裁です。背景は古いけれど…こちらの報道で理解が深まるようです。

中国は自身への影響が少ないと判断をすると「強硬策」を採用します。ここに脱炭素化が世界の流れで…中国もその流れに乗る方針を打ち出しました。2060年までにCO2の排出を実質ゼロにすると…述べたからです。今のような電力不足の状況を考えてなかったのでしょう。国内炭の生産を増やすにも炭鉱事故が多発し…それに国内炭は品質が悪いので、あまり効率的ではありません。だから年初に国営の石炭企業が倒産しています。

この電力不足問題がネットで揶揄され習近平体制の批判に繋がっています。故にこの方針に対処する政策を相次いで実施しています。習主席は山東省の会議で「石炭と電力の安定供給に取り組む」と明言したそうです。

この背景は10月16日の此方の報道があり、米国とLNGの安定供給に向け協議していたようです。きっと価格はかなり高いのでしょう。そうして…10月21日のこちらの報道です。別のメディアの報道で、この記事の信頼性が増します。

基本的に一つの事象はいくつかの流れを生みます。LNGの契約をすれば…それを運ぶLNGの運搬船の契約も必要になります。日本郵船の最新のLNG船が就航しますが…フランスのトタル向けの長期契約です。

このような報道は間接的ですが…海運相場に影響を与えます。「市場の整合性」の話を解説しているのですね。たぶん中国はオーストラリアからの石炭の輸入も再開するのでしょう。此方の報道です。つまり「ばら積み船」の海運市況を示すバルティック海運株指数の上昇の後押しになります。習近平氏が山東省の会議で発言した内容が様々新たな事象を生みます。

色んなニュースを自分の頭の中で組み立てて…その影響がどういう形で波及して…企業業績が変わるのか? それを先読みするのが株式相場です。分かりますか? 

でも、このような発想の時間軸は1年近く早い可能性があります。方向性は正しくとも…実際の相場に直ぐに現れる場合と…1年後に生まれる場合もあるのです。相場の面白い所でもあり…難しい所です。

この「市場の整合性」の話が、本日の主題ではありません。

何故、カタルが封印してきた「難しい相場」を、まもなく解除して本格的な上昇相場に移行すると考えているか?

この理由はテーパリングの開始ですが…相場を見ても分かるように…昨日は物価連動債の推移を観ましたね。今年の春の高値を超えました。しかし本来は、金利高は株式の運用コストを引き上げますから…マイナス要因の筈です。

ここが株の面白い所です。カタルは昔の人間なので…公定歩合と言う表現を使いますが、通常は2度程度の引き上げでも、株価はどんどん上がります。それ以上に好業績になる為です。基本的に景気が過熱するから金利を上げる訳ですから…金利上昇期の株式相場は強いのです。

金利の上昇、下降でも局面により…見方が変わります。これから金利を引き下げようとするときはまだ株価は下がり続けます。通常は必要コストが下がるから…株価は金利の引き下げで上がる筈ですが…利下げの初期は、まだ危ないのです。こんな事は常識のイロハですが…皆さんはあまり理解が進まないようです。

今の米国株市場は新しい体制に備えポジションの変更が終わったのでしょう。約1年間の体制転換に要する時間が掛かりました。今までの流れに溺れないようにしましょう。

新しい流れを感じてください。カタルの船株の傾斜はこんな見方がある為かも知れません。「一過性の海運相場」と言う認識は、間違っているような気がしています。やはりカタルは古くから慣れ親しんだ…「PER論」の基準は崩れてないと思っています。

テスラ(TSLA)の日足推移

今回の中国の一連の出来事を見てもそう感じています。米国は新体制への企業物価指数の上昇が消費者物価の上昇に転嫁され正常な価格形成です。だから人件費も上昇しており…今度は金利高を容認して、株価も上がっています。だから今回の株価上昇は本物相場です。ですが…ずっと長く上昇しているから疲れています。テスラを観ると分かります。でも凄いでしょう。900ドル台の新高値ですよ。やはり成功者を称えるのが…「市場経済」でしょう。

価格の転嫁が正常な形で行われるかどうか…今の日本経済の一番の見所は、此処ですよ。此方の報道を見てください。この意味を良く考えないとなりません。単に日本製鉄とトヨタの争いではなく…日本の独自価格、村社会価格の崩壊からグローバル基準に移行する姿なのでしょう。カタルはそう考えています。昨日の続きです。消費者物価の原稿の続きです。

菅政権が何故、素晴らしいか?

この村論理価格をグローバル価格に…価格破壊の衝撃を日本に与えたのです。この現象はデンソーのROE経営とも…今回の日本製鉄とトヨタの関係にも繋がっています。普段から自分の頭で考えてないと…この一連の繋がりが理解できず、見えません。だからこの後、海運株が上昇した時にヤレヤレ…と利食いをするのでしょう。そうして更に株価が高騰すると、今度は空売りをするのでしょう。

同じとですが…今の野村証券株の値動きや三菱UFJの値動きを見て…鈍いなぁ~と感じている人は、全く時代の認識が出来ていませんね。このレポートは「豚に真珠」のヒントでしょう。このような仮説で物事を考えていくとスッキリします。市場の整合性が得られます。

日本郵船の株価は7000円が一つの重要な関門です。この株が3兆円の時価総額になった時に、どんな世界が見られるのかが、今から楽しみです。こんな幻想を述べて…と思いますが、様々な報道の結果、一番しっくりする未来のシナリオを語ったわけです。

本日は沢山にリンクを張ったため…この辺でカタルの原稿は終えましょう。別にリンク先を読む必要はありません。このような記事を読んで…現在のカタルの相場観は、組み立てられているというのを説明するために用いました。

データを見て…世の中の事象を繋げて、時代の流れを感じて行動をするのです。日本製鉄のトヨタ相手の訴訟は、非常に価値が高い事象なのです。この意味は「村社会価格の崩壊」を示しています。それも日本社会の頂点に君臨する企業の話題です。

インパクトは東京機械の株主総会なんてもんでは…ありません。しかしこの株主総会…株主の権利を認めないものですから、日本の裁判官は未来の日本を左右する判断になります。むかし同じような「ブルドックソース」の事件があり、その時の裁判官は罷免しなくはなりません。村社会寄りの判決でした。

あのような判決を下したので、海外投資家は「日本は後出しじゃんけん」で「異質な国だ」となって、日本への投資を止めたのです。日本が国際金融都市になれない理由の一つです。地検のゴーン逮捕も同じです。江戸・長崎の村社会論理が至る所で観られます。何も大相撲界の白鵬の評価だけではありません。

ルールは、フェアにして…歪めてはなりません。「共同冨裕」の中国と…日本は違い、立派な資本主義国家の筈です。市場原理は、お金の価値は同じなのです。使う人により価値を色分けしては駄目です。

これから裁判が行われ判決される結果が注目されます。我が国は、法治国家の筈です。村社会よりグローバル論理を…総資産経営よりROE経営を…フェアな条件で戦い、本物人間が上に行ける社会にしましょう。妬みなどは、下賤な人間の考え方です。

開かれた社会、誰もが公正な競争が出来る社会で「成功者を称える社会」です。他人非難をして…自分の憂さを晴らしても、何にも解決しません。「寛容な社会」の構築が、新しいチャレンジを生みます。その成功者を称える社会が、時代の変革を促進させるのです。

日本株が10万円のシナリオの第一歩は、先ずは1989年の高値38915円の奪回なのです。それでは…また明日。

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