アーカイブ:2021年10月3日

運命の巡り合わせ

最近の報道は「インフレ観測」ばかりが目立ちます。一番の代表事例は電力問題などです。欧州のガス不足は深刻のようで、ロシアの責任とか言われますが…実態は、ロシアのウクライナ侵略に対する米国の経済制裁も関連しているようです。パイプライン建設などで圧力を掛けました。

米国の勝手な行動変化を苦々しく思ったのは、米国第一主義を掲げたトランプ大統領の誕生です。沖縄返還や香港返還を観れば…ロシア、中国などの主張は根底が間違っているようにも感じます。でもベトナムからアフガンなど…イラクもそうですが難しいですね。意見統一…は。なかなか…理想通りに事態は進展しません。

日本も同じです。若い頃はあまり実態を知らなかったため、おかみは正しい…と政策を信じていましたが、度重なる違和感を抱くようになると…政策も社会秩序の認識も変わります。

きっと…阪神大震災や東北大震災を経験された方は、人生の価値観が大きく変わるのでしょう。カタルは失われた時代を通じて、嫌と言うほど…政策の重要性を認識しています。やはりトップの指導力は必要です。ところが日本は実力主義ではない為、なかなか本物が上に生まれません。哀しい現実です。

有名な指導者が引退を決意して、後進を育てて、道を譲ろうとしますが…ソフトバンクもユニクロも日本電産もみんな失格のようです。サントリーは時代の風で助かっているのかどうか…。

株屋の世界も判断は難しく…様々なシナリオを提示することは出来ますが、どれが正しいかは…カタルにもサッパリ分かりません。だから…最後は「顧客の決断」次第になります。ベンチャリで40億円を飛ばしましたが…中には途中で売った方も多く居られました。ある北海道の顧客との出会いはネットなのですが…彼の人生を聞いて感動しました。

非常に幸運の巡り合わせでした。バブル期に…当時、手広く北海道で不動産開発をしていました。従業員もかなりの数が居たのでしょうが…自分が病気に掛かり、弟さんが居ますが、たぶん器量が足りないのでしょう。そこで自分の会社をダイワハウスに売却して、自分は残った私的資産の不動産の管理会社だけに縮小したのです。

そうした途端に…バブルが破綻しました。あのまま経営を続けていたら、間違いなく倒産だったのでしょうが…従業員はダイワハウスですから助かります。病気に罹ったのは不運ですが、まるで神様が助けてくれた事例のようです。娘さんはオーストラリアで日本食のレストランかな? 確か娘が二人だったと思います。彼は、寒い季節はオーストラリアに行き、そうして夏になると北海道に戻ってきました。その彼にカタルはベンチャリを80万株買わせていました。

株価が下がり続けるなか…ある日、電話がかかって来て、今、買い物が下値に100万株ほどあるようだから、そこに全部ぶつけて売ってくれ…と言われました。カタルは自説を述べたのですが「良いよ、もう諦める」…と言って、持っている株80万株を投げました。

他にも途中で諦めた人は大勢いました。あとになってベンチャリが消える理由が判明します。当時の金融行政は、「赤字企業には融資をしない」と言うガイドラインを作成していたのです。政策は重要ですね。

有望にも拘わらず、目先資金の数十億円程度が…準備できないのです。その後の経過を観ると、あの一時の時間だけ、助かっているなら…やはりベンチャリは立て直せたのでしょう。松本さんは優れた経営者ではありませんが、ソコソコです。創業者の小林さんは、病に掛かっていました。

あの時に、カタルが東大卒で、商社にパイプがあったら…紹介することが出来たのでしょう。あの時の日本は、商社だけが…融資と言うか…投資が可能な時代で、光通信の重田さんだけが個人資産でベンチャーの経営者を助けていました。

何しろカタルの人脈は、自民党の畑違いの大臣秘書程度です。自分自身の融資のパイプもなく…サラ金から1000万を借りたほどでした。運命と言うは、不思議な巡り合わせです。北海道のTさんは男らしい…気風の良い男でした。流石、開発不動産屋です。こっちも人間だから、顧客の好き嫌いはあります。いろんなタイプの顧客が居ます。

今回、8月から始まった「開運」相場を連日、レポートで取り上げて実践をしてきました。ここに来て初めての試練かな? と言うか…事前に一度小さな修正があったのです。その週は1週間のお休みだったかな? 今回はあの時ほどの自信はありませんが、まだ五分五分程の「可能性」が、あると思っています。

まだ分かりません。既に半分は諦めている自分も居ますが…外部環境を観ると、ここから復帰すると、ようやく本格的な「仕手戦」が始まります。ようやく…この下げで、「下準備が完了」したように思っています。果たして…空想しているような本物の「仕掛戦」に発展できるかどうか…ここからが本番です。

三光汽船の時は、専務の岡庭さんが相場の指揮を執っていました。だから株価が50倍になったとも言えます。周りは「空売り」ばかり…買っているのは大御所さん、ただ一人なのです。それ程…相場は孤独で難しいのでしょう。

北海道の顧客のTさんは、もう他界されました。この話を持ち出したのは時代の流れを感じて欲しいためです。あれだけ大儲けしていた不動産産業のピークなら…絶対に、自分の会社の売却など、普通は考えません。事業の経営を弟に譲るのが普通でしょう。でもきっぱり…大和ハウスと言う大手に会社を売るのです。その決断の「切っ掛け」は彼の場合は、病気でした。時代の風、そうして自分の個人的な理由などの運命の「巡り合わせ」です。

カタルはある意味で、運命論者です。今回の「コロナ禍」は世界中に席巻した非常に大きな時代的な背景を持っている「転換期」を示しているように思えるのです。

開運株の運賃の高騰は…一時的なコロナ感染による港湾作業の遅延から生じた現象だと思うなら…「船株は買えません。」でもカタルの見方は違います。一時的なフロックではなく、人類の運命的な転換点を示しているようにも感じているのです。

何故、昨日、日本製鉄とトヨタの条件闘争の話を書いたか…。

この背景を語ると非常に長くなります。一時的な需給のミスマッチが発生して、車の半導体が足りなくなったのは事実です。車を生産する側は勝手なのです。トランプ大統領のような傲慢な態度で、しばらくコロナで車が売れないから…来月も半導体を買う量を減らす…と事前告知をルネサスなどにするだけでしょう。

あの先物の原油価格がマイナスになるのですよ。タンカーを用船して現物を買い取れば…採算に合うのかもしれない価格まで落ちたのです。当然、あの3月からしばらくは…誰もが「車が売れる」などと考えません。

だからメーカーサイドは、車は売れないと判断して…減産を決めます。ところが中国は…既にコロナを早めに収拾させ、5月には自動車販売が伸びていたのに、メーカー側はなかなか態度を変えませんでした。そうして中国だけでなく、米国でも販売が落ちないのを見て、慌てて…今度は半導体を買うと勝手に増やしたのです。準備をしないまま…にです。

そこに旭化成などの…車向けの半導体工場の火災などが起きます。もともと車の半導体は量が多いために、価格交渉がシビアで…利益率が低いのです。傲慢ですよ。自分達の都合で、コロコロ態度を変え…平気な顔で値引き要請をかけます。毎年、単価引き下げが達成できないと「調達打ち切り」をチラつかせ…平気で下請けを叩く連中です。トヨタって、そんな会社なのです。

だから逆説的に日本の下請けは、強いとも言えます。この問題を始め…サプライチェーンの混乱は、一時的な現象と思われていますが、半導体を始め…安全保障問題も浮上し…米中対立は水面下で激突しています。

「脱炭素化」、環境保護…と良い面ばかり並べますが、コストが上がるのが当然です。今の欧州の混乱、そうして中国でも石炭の生産側を締め付けた為に…電力不足から停電の時代になっています。

「適正利潤」の考え方が、量を重視する「総資産経営」の脱却から、利益を重視する「ROE経営」への移行が、至る所で…芽生えています。日本製鉄のトヨタへの反撃は、そういう時代背景があります。

皆さんの多くは船運賃がどうの…こうの…と表面的な現象ばかりに目を向けて…何故、この時期に船株運賃が爆発高して…こんな現象が生まれたか? 

この背景をなかなか…考えないようです。川船は小手川君が、長く持っていたのです。2012年の四季報第4集に小手川隆の名前が載っています。2453万株、当時の株価は200円を割れている水準です。リーマンショック前の投資銀行のマネーゲームの資源株ブームの時に海運市況が上がったのです。

そうして… 韓国の大韓航空グループの「韓進海運」は2017年2月に破産をしたのです。そこで…その会社の積載能力は106万TEUから51万TEUに減ったのです。この年に日本でも第一中央汽船などが消えています。数多くの船の廃棄が進んだのです。川船もご多聞に漏れず…2017年は1394億円の赤字、そうして2019年も1111億円の赤字計上です。そこから立ち上がったのです。

このような淘汰の歴史を経て…ようやく需給バランスが改善したところに、今回のコロナ騒動が生まれたのです。10年以上苦しんだ業界ですよ。たった…1年程度のブームで終わるのでしょうか?

欧州の混乱は、冬を迎え…更に激化するでしょう。米国の状態が此方の報道、そうして…原油価格の高騰が、此方の報道です。更に行き場を失ったお金はジャブジャブです。投機資金はやはりこれから動くでしょう。そうしてこちらに移行するかどうか…で明暗が分かれます。

ここに米国では此方の報道を切っ掛けにして株価が上がったと言います。これは読者からの情報です。ありがとう。やはり…なかなか、弱気論を演出しても金余りだから…綺麗に株価は下げません。

そうすると…肝心の運賃はコンテナ船だけでなく、ここに加えて…「ばら積み船」も相場に上乗せされます。ひょっとすると…驚くような利益が生まれないとも言えません。このような意見対立が、激しい仕手戦に発展するのです。ようやく…株価が下落して仕手戦の条件が整ってきました。果たして…意欲のある、手替わりする「仕掛け筋」が新たに相場に参加するかどうか…この見えない未来の読みが相場の明暗が分けます。

ついでに…「インフレリスク」ばかり伝えては、世の中の動きを、正確に伝えているとは言えません。此方のビデオは翻訳がなく、カタルにはサッパリポンですが…たぶん中身はAIの進化が効率化を産み、あらゆる面で物価が下がると言うデフレ時代の話を伝えているのでしょう。彼女の根拠は、英語版なのでカタルには理解できません。たぶん時代革新がデフレにつながると言う仮説でしょう。

ですが…たぶん、孫さんが述べているスマボ(スマートロボット)の世界を語っているのでしょう。医学業界の革新的な変化を伝えているように感じました。やはり英語ぐらい理解しないと駄目ですね。これからの時代は…中国語と英語は必須で…株屋は数学も出来ないと駄目です。

なかなか馬鹿カタルにとっては「ハードル」が高い世界です。この中では、ビデオのキャシー・ウッド(アーク・インベストメント・マネジメント創業者)だけで良いのです。彼女の発想は、いつも…なかなか面白いのです。カタルは目に触れるたびに…必ず、読んでいます。今はファンドから…資金が流出して大変ですが…。

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