自然の摂理の「インフレ」

実は読者から、こちらのサイトを紹介してもらいました。でもテレビは翻訳が付いておらずカタルには理解できませんでしたが、翻訳して、本文を読むとコンテナ船の混乱から米国の物流が円滑に稼働してないことが分かります。

同様の事例は、多く散見されます。金曜日に読んだ記事の中で…次のようなくだりがありました。「米菓子大手モンデリーズの従業員のストライキなど労働問題、貨物輸送問題が、供給不足につながりつつあるとの見解を示している。」と言う話です。この問題の背景は「またモンデリーズが委託する外部の製造業者や物流業者が、従業員の採用やトラックの確保・積み込みに苦労しているという。」と言うのも影響していると言います。

つまり海運の輸送運賃の高騰は、様々な問題を生んでいます。此方の報道も、その一環でしょう。このゾンビ船の話題は面白いです。

この輸送コストの上昇が物価高にも波及し…FRBが主張する物価高は「一過性」と言う解釈が正しいのか? いよいよ…その「解」が明らかになります。ようやくECBはステルステーパリングを採用し、国債の購入を減らします。基本的に様子を見ながらテーパリングを実施したわけです。

しかし…MMT理論やDXなどの時代変化の「効率化」が、物価高を打ち消しているとも言えます。解釈は難しいのです。

世界の中央銀行の総資産推移(武者リサーチより)

日本はETFの買いでも分かるように、基本的に欧米ほどドラスティック行動を取りません。カタルの認識では、かなり…日銀は頑張っているとの解釈でしたが、今回の欧米の中央銀行の対応を観ると…日本の劣化は明らかです。やってはいるが…成果は目に見えて上がっていません。武者さんが提供した世界の中央銀行の資産残高推移を観ると分かります。

それでも…時間の経過で2013年から2021年ですから、8年以上をかけて、ようやく少しマネーストックが伸びてきました。これまではマネタリベースしか伸ばせずに、マスターベーションのような自己満足の世界から、コロナ禍により…日銀は助けられましたが、株価を観ると…今一つの成果です。この辺りの動向も、なかなか…31年前の38915円の高値を抜けない日経平均株価に影響を与えています。

本日は、この物流の影響もありますが…基本的には、世界の中央銀行が、これほどお金をばら撒いたことはなく…何らかの影響が出ると言う漠然とした感覚が、米国の相場観にも大きな影響を与えています。120兆円を超えるレバースレポの取引額なのです。

先週のコラムでは「遅れたテーパリング」をレポートしました。もう一度、このレポートと合わせて読むと理解が進むと思います。(右のコラムをクリックするとコラムだけの表示になり…下の「PAGE NAVI」の数字を押していくと…過去のコラムだけが読めます。あるいは…先週の日曜日のカレンダーをクリックしてください。)

カタルは馬鹿なので、なかなか理解が進まず…故に、何度も繰り返して…同様の事例をレポートしています。しかし東大法科卒の記憶力は良いのです。頭の良い人は「このバカ、又か…。何度も、同じことを述べている」と…カタルの評価は下がります。でもカタルは一般的なレベルだろうと思っています。

仲間は東大卒から、最低でも早慶かな? 明治が居ましたね。やはり頭の良い奴は、記憶力も良いのです。たいがい…一度、聞くと忘れません。でもカタルは友達の子供の名前など…何度、聞いても覚えられませんからね。同じ質問を繰り返すから、こいつは痴ほう症か…と思われるのでしょう。

さて本日の課題は、WSJのこちらのレポートが「スタグフレーション、投資家が今知るべき事柄」と言うものからの派生です。 このレポートは読めない人がいるかもしれませんから、内容は下記のものが中心です。

「この1966年から1982年までの17年間のインフレ率は、戦後のそれまでの期間と比べて非常に高く、国内総生産(GDP)の実質伸び率は非常に低かった。例えば消費者物価指数の上昇率は年平均6.8%であり、1947~1965年の1.7%の4倍だった。1966~1982年のGDPの実質伸び率は年率でわずか2.2%であり、1947~1965年の同4.5%の半分以下だった。」

米国では長い期間、消費者物価(CPI)の上昇に対してGDPの成長が劣っていました。つまり賃金は上がらずに物価だけが上がる時代が続いたのです。基本的に、このような「スタグフレーション期」に陥る確率もあります。今の中国は、これから…このスタグフレーションの可能性があります。8月の卸売物価指数(WPI)は13年ぶりの9.5%上昇したそうです。此方にグラフがあります。

基本的に…我々の生活は消費者物価(CPI)に影響を受けますが、このWPIの動向が遅れてCPIに波及されると言われています。一般的には株価と同じで、卸売物価指数(日本では企業物価指数)は、消費者物価指数の半年前の動きだと言われており、先行しています。

米国のPPI動向の推移

そこで…昨日発表された米国のPPI(生産者物価流指数)の動向が此方です。このPPIとWPIの違いは分かり辛いですが…輸送コストなどや流通マージンを抜いた、生産者の出荷時の価格動向だそうです。

なんだか…経済統計も色々あって、面倒な話ですが…PPIもWPIもCPIも物価の話で時間軸のズレが多少あるのでしょう。カタルも嘘をレポートできませんからネットサーフィンをしながら、自分の知識を補っています。

こうやって、毎日レポートしていれば…自ずと、経済学者のようなレベルになるのでしょうが…でも性根は、「いい加減な人間」ですからね。

そう言えば…川崎汽船の「エフィッシモ キャピタル マネージメント ピーティーイー エルティーディー」が大量の株を買った報告書の提出は6月8日なのですね。カタルが船株を買う時に日経新聞を読んで…商船三井を高配当の観点で、株を買ったのですが…。

直ぐにある読者から、ONEからの還元金(配当)を発行済み株式で割ると、川崎汽船の一株利益が最も大きくなると言うメールを頂いたときに、この村上ファンドの「エフィッシモ キャピタル マネージメント ピーティーイー エルティーディー」が大量の株を持っている話を聞いていたのです。

ところが…カタルは金曜日の船株の様子を見て、その動きに「異質さ」を感じて背景を調べたら、村上ファンド関連のファンドが38.99%も、株を買っていたと改めて…知ったのです。でも38.99%も株を買ったのなら…もっと川崎汽船の株価は大きく上がる筈だと思って不可解になって調べたら、6月の時点で発表されていたのです。

如何に…「いい加減」に、仕事をしているか分かります。読者のメールは、魅力に溢れていますが…あまり熱心に内容を精査までしていないようです。この「ものを言う株主」が40%近くも株を持っている意義は、大きいですね。株主還元を求めて来ます。

そう考えると…船株は「一過性」の「博打株」のイメージでしたが、時間軸が延びる可能性があり、この利益の配分を巡って…未来は「ひと悶着」起きる可能性があります。そういえば…このメールをくれた読者の方は、その事も、事前に指摘していたように記憶しています。流石…世の中は広く、「先見の明」がある人は大勢います。カタルも勉強になります。

話は逸れたので…戻しますが、このインフレ率の話では、トルコやチリなど問題を抱えた国だけかと思っていましたが、ロシアも利上げをしていました。 今回は0.25%を引き上げて…6.75%にすると言います。これは…ロシアのインフレ率は6.74%だと言います。此方の記事です。

中国の恒大集団のはなしなど…合わせて考えないと、なかなか未来図を読むのは難しいのです。本日の日経新聞には一面に原油高の話が載っており、日本の「脆弱さ」が語られています。

カタルは前から、こう述べています。「社会保障費」の増大から、年金額を減らして対応するわけに行きませんが、労働人口は減っており、若者の負担率は増しています。故に、この世代間の「所得移転」をする必要性を述べています。子供の養育費負担の軽減など含めての対応です。この解決方法として、最も適切な対応はインフレです。

そうすれば働く若者の賃金はどんどん上昇しますが、年金額は物価にスライドするとは言え…遅れて、その上昇率100%と言うことはありませんから、国民の不満を軽減させた形で…世代間の所得移転させるベストのシナリオが、インフレだと前から述べています。

残念ながら、これまでの「失われた時代」に、老後生活を謳歌してきた年金族は、これから頭を使わないと、どんどん…自分の生活が苦しくなります。これが失われた時代の「ツケ」です。神様は平等で、必ず、この世代間のギャップは修正されることでしょう。

だから…今回、この後の時代は、物価高の「インフレ時代」に移行すると言うシナリオを、カタルは一番のメインに考えています。問題は、この開始時期です。その為に…今回は前もって…色んな経済指数の話を交えて、インフレを題材にしています。

カタルは…「自然の摂理」という考え方が、相場の世界、つまり世の中の整合性を考えていくと…正しい道だと思っています。「市場の整合性」と言うシナリオを考えていく過程で、この「自然の摂理」と言う…基本的な考え方を重視します。

今回の船株相場の発生は、ある意味で、この自然の摂理の結果、生まれた相場だろうと思っているのです。故に2017年に破綻した韓国の「韓進海運」は「捨て石」効果です。今の海運相場の為の生贄です。

グローバル化の進展の為に、これまでの日本は「空洞化」現象に苦しんできました。これは過去、大躍進した戦後の「奇跡の復興」の反動でしょう。終身雇用も年功序列も株式持ち合いも…だから、これからはTOBラッシュになります。新生銀行などの時代錯誤の経営者はみんな淘汰されます。

この空洞化は、村社会維持のための日本独自価格の崩壊の結果に生まれました。デフレ現象が副産物で生まれたのです。日産自動車の小型車マーチのタイへの生産移転から10年以上が過ぎ…トヨタのかんばん方式の躓きは、サプライチェーンの再考が問われています。

これだけ…デフレに苦しんだ日本は、今度は逆の時代へ転身するのでしょう。

その一つの「切っ掛け」に過ぎない海運相場なのでしょう。この路線を軸に相場のシナリオを練っていきます。そうすると…ほら、バフェットの投資戦略の正しさが分かります。関連する銘柄をたくさん挙げられます。たぶん…海運株は、その兆候の相場と考えるのが妥当な「市場の整合性」です。あまり…解説をすると有料会員の方との差別化もあります。だから本日は、この辺で終わりにします。

本日は「インフレ」をテーマに原稿を綴りました。相場と言うのは単純ではなく…市場参加者の総意で、株価が成立します。だから自分が正しいと思わないことです。常に自分の考える仮想の相場観と実際の相場の小さなギャップが存在するなら…その差異が何故、生まれるのか…それを自分に問い、その不可解な「わだかまり」を解消せねばなりません。自分の選択が正しいなら株で儲かるし…自分の選択が誤っているなら、株で損をします。

完璧に時代の流れを読めませんから、失敗を前提に行動することでしょう。故に無理をしない…「ブツブツ」投資(ドル平均法投資が類似します)を推奨しています。買う場合も売る場合も一度で行動せず、徐々に変化させると…大きな成果は得られませんが、逆に大きな失敗も消えます。自分の力量を考えながら、明日からの相場に臨んでください。それでは…また明日。



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