マイナス金利を考える

今日は…これから出かけるので、簡単に解説する事にします。補足として、明日、追記するかもしれませんが…ごめんなさい。何しろ、田舎から友達が上京したので、これから出かけるのです。今回のマイナス金利適用を、カタルは強く支持しています。その理由は、此方のグラフにあります。如何ですか? 貨幣乗数効果が、ドンドン落ちていますね。故に新日鉄の三村さんは、今、日本商工会議所会頭をなされていますが…彼が言うように追加緩和をしても、カネ余りで貸し出しは伸びないから…無駄だと述べていました。これはある意味で真実です。もともと名目GDPが伸びないのですから…、貸し出しが伸びるわけではないのです。何故、このような心理になったかと言えば…布石があります。

マネタリーベースとマネーストック、貨幣乗数の推移

    マネタリーベースとマネーストック、貨幣乗数の推移

 

もともと「失われた時代」が長すぎた為に、希望が日本人の心から奪われ、前向きな発想がなくなったのですね。バブル期を想い出すと分かりますが…桃源社や秀和などの新興成金が倒産するのは分かります。しかし村論理が蔓延り、本来の市場経済の浄化機能が働かずに…強引に不良債権処理に踏み込んだのが、小泉首相と竹中平蔵の立案した政策だったわけです。権力を行使して…不良債権処理を急いだわけです。まさに劇薬です。UFJなどが消えましたからね。この弊害が長く尾を引きます。未だに…そうなのです。故に「流動性の罠」に、どっぷり嵌り、日銀の限界説が生まれます。

しかし期待インフレ率が高まれば…貸し出しは伸びます。資産価格を上昇させれば、いいわけです。株が高くなると分かれば…信用取引をして株を買うように…絶対に未来に上がるなら、誰だって借金をしても買いますからね。資産価格が上昇すれば…潜在的に保有する地価などが上がり、僅かな可処分所得の増加でも、貯蓄に回さずに消費に向かいます。この好循環を生み出そうとしている訳です。だから…日銀は僅かですが、リートと株のETFを買っている訳ですね。

例えば、リートにしましょうか…日銀がリートを買う事で、利回りがドンドン下がります。これまでは6%程度のものが…5%、4%と下がると…商業ビルの開発が増えますね。今なら観光客の増大で宿泊施設が足りませんから、星野リゾートのようなホテルリートが…どんどん生まれます。建設ラッシュになると…当然のことですが、建設資材が不足して増産します。H製鋼や小型棒鋼などセメントも必要になりますね。高橋カーテンウォールの好業績を見れば分かるように…ようやく、本格的な需要が生まれてきたのです。これはQE1からの量的緩和により経済が浮上してきたわけです。

ところが…米国はテーパリングを模索し、2年半が経過、そうして利上げに踏み切りました。つまり世界の流動性は失われ…、お金が減り、物が余りますから資源安になっている訳です。でも需要が落ちた訳ではありません。世界の人口は増え続けています。インドネシアも5%程かな? 中国だって落ちたとはいえ…6%以上は伸びています。インドもそうですね。シェールガス投資などが盛んになった所に…イランの制裁解除などが重なり、更に金融規制ですね。問題は此処なのです。金利ではなく、物理的に金融デリバティブの行動を縛ったので…保険機能が失われ仮需が消えたのです。そうして実需だけの世界に変えたのですね。

イエレン氏は、この仮需が強すぎるからバブル状態だと思っており、正常化の道を模索している訳です。しかし彼女の目指すものはリーマンショックでも大丈夫な金融システムを目指しています。その為に、過度の自己資本比率規制を掛けているのです。問題は此処なのですね。普段、金融機関は監督指導されている訳です。常に検査があり精査されているのに…戦争のような異常事態を基準にして、備えようとしている規制の在り方が問題なのですね。清貧思想も良い所です。常に戦争なんか…ありませんからね。リーマンショックのような物は20年とか30年に一度、起こるかどうか…。それも金融機関は、いつも検査されているのです。この間違いが、今日の世界景気の減速の主要因でしょう。

でも日本は先に駄目になっており…健全なのですね。本日の日経新聞に、国際比較で…上場企業の増益見通しが載っています。内需は好調なのです。話を発展させると…焦点がボケるので…戻しますが、実態景気とマネーの関係は、鶏と卵の関係に似ています。実態経済を良くして、マネーを伸ばすのがケインズなどの古典経済学の考え方で、マネーを増やし実体経済を押し上げるのが、シカゴ学派のマネタリストの考え方です。要するに相互作用が働き、両者を刺激するのが良いのだろうと考えています。日銀は、何だって出来るのです。インフレにする事は不退転の決意があれば簡単です。自らが株や土地を買って、資産価格の上昇を定着させれば…やがて皆が追随します。だって借金をして商業ビルなどを買った方が、転売して儲けられますからね。事実、いちごHDは、ケネディクスの1/4程度かな? …のAUM残高しかありませんが、利益を多く上げているのは、このためですね。ケネディクスは保守的なのです。一度、倒産の危機に遭い、懲りている為です。

日銀はマネタリーベースを増やしているのに…マネーストックの伸びが鈍いから、今度はその要因である当座預金残高に、影響を与えようとしています。カタルならマイナス金利を全ての当座預金に対し掛けますが…ワンクッションを置いたわけですね。銀行にも資金移動の準備期間を与えたのが、今回のマイナス金利適用です。しかし既存の大部分の資金に対しては、これまで通り0.1%付利金利を適用していますから、イールドカーブのフラット化による運用の鞘の縮小はありますが…マイナス金利導入により銀行の収益が直ぐに大きく落ち込むことはありません。むしろ果敢にチャレンジする事が収益機会を増やす方向に働くと思っています。

シャープを見てください。ホンハイのテリー・ゴウさんは、5日に高橋社長と会い交渉の90%は乗り越えたそうです。(でも交渉事は…最後の1%が難関なのです。)たった1日ですよ。でもシャープは1か月と暢気に構えていますね。救済なのに…高橋と言う社長は、本当に駄目な奴ですね。優柔不断な人間が、大会社を経営をしている器ではないですね。このスピード感が、ビジネスでは…大切なのです。日本人が大きく劣っているのは…時間の概念ですね。なんでも…与えられることに慣れ切っています。自ら、積極果敢にチャレンジしませんね。ラオックスの展開を見ても分かります。

中国人は、後先考えずに…儲かると、分かると驀進しますね。だから今の中国は過剰生産設備なのでしょうが…。でも日本人は…この失われた時代の中で果敢にチャレンジする闘争心を失いましたね。ダイエーの中内さんのような人が、戦後の復興を支えたのです。しかしその現役世代が消えて…、三村さんのような世代になり…おかしくなりました。今は…あまり好きではありませんが、楽天の三木谷さんのように、経済界に噛み付く人間が出て来ており、日本も変わろうとしています。シャープのケースを見ても分かるように…今は日本の端境期ですね。だからパラダイムショックで…価値観が大きく変化しているから、意見対立が激化するのですね。日銀の無能論と言う…バカな目先論理が生まれるのでしょう。

マネタリーベースの内訳推移

マネタリーベースの内訳推移

 

だからこそ、マイナス金利の適用と言う劇薬が、必要なのですね。多くの経済アナリストは名目GDPの600兆円は無理だと言いますが、資産価格を上昇させると…一気にGDPも2割程度は、直ぐに上昇しますね。実体経済とマネーの関係は、鶏と卵と同じように、どちらが先に存在するか?…と言う関係なのです。故にマネタリーベースに溜まる当座預金にマイナス金利を適用して…そのお金を含め、未来に増える分を、実際に、市中に回す戦略が必要なのですね。それがマイナス金利適用なのです。

マネタリーベースとマネーストックの伸び率推移

      マネタリーベースとマネーストックの伸び率推移

それでは、何故、円高になり株安になるのでしょう? おかしいですね。この辺りは、明日に…しましょうかね。まぁ、今日は此処に掲げているグラフを見て…それぞれ読者が自分なりに意見を纏め、考えると良いのでしょう。それでは…また明日。



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