相場の焦点2

さて…昨日の「相場の焦点」の続きの補完をして…僕らの知識を補いましょう。株価波動論のエリオットは、3つの上昇波動(上げ相場)と2つの調整波動(下げ相場)で、一つの大きな波が形成されるという考え方です。

カタルもこの考え方を、概ね、支持しており…常に相場を考える上で気にしています。相場の解釈は難しく…景気循環の中で、僕らは今、どの場面に立っているか? この立ち位置の時間軸が問題になります。この時間軸の解釈が、なかなか…難しいのです。

昨日は、米国の雇用統計を観て、株式相場が下がったことから…カタルは相場の時間軸がインフレから景気動向に移っているなら、逆に、雇用統計は歓迎されて…株価が上がっても良い筈だと述べました。

でも本日になり、米国株の株価解説を読むと…別の材料で下がったと解説されています。一番はロシアによるヨーロッパへの「嫌がらせ」…と言うか、天然ガスの供給制限です。此方の解説です。もう一つが、米国の市場が3連休になるという時間リスクの話のようです。「時間リスク」を気にするほど…の弱い相場だとも言えます。

ドルが基軸通貨としての価値を担っている以上、米国の金融政策は、世界経済にも大きな影響を与えます。スリランカやトルコ、アルゼンチンなどの新興国と言うか…弱小国の経済が困難な状況でも米国の政策に影響を及ぼしませんが…お仲間のG7であるイギリスが物価上昇において甚大な影響を受けている状況は、米国の政策にも影響を与えます。

イギリスのシステムを理解していませんが、この10月から電気とガスの大幅な値上げが始まるとされています。ドイツもロシアへの依存度が高く、苦しんでいますが、フランスは比較的に軽微です。イタリアはECBの方針転換で、国債価格は揺れています。基本的に今回のウクライナ侵攻は、米国に「優位な状態」を作り出しています。カタルは作為的な関与を、米国は選択したと疑っています。円安ではなく…「ドル高」なのです。

でもこの状況は、デフレ圧力が強く…日本国民の意識改革に「一役」かっています。

日本にとって、原油などの資源高からのインフレ圧力は、決して…悪いものではありません。今でも企業物価は、なかなか消費者物価に転換されていません。しかし食品を中心に始まった値上げラッシュは、電気料金にも影響を与え、日本でも忘れていた「物価上昇の概念」を日本人の心に刻み込んでいます。最近になって、ようやく…賃金も上昇を始めています。

日本の人口ピラミッドをみると…団塊の世代の影響は大きいのです。労働参加者は急速に減って行きます。この世代が続々…「要介護者」に変化します。今回の旅行でも思いました。カタルは67歳ですが、この旅の参加者は皆さん、70歳以上の「段階の世代」でしょう。豊かな世代です。多少、「失われた時代」の影響を受けた世代ですが…夫婦で豊かな時代の恩恵を受けている世代です。でも、若者は必死になって働き、税金を納め、医療・介護費用の負担者になっていますが、高齢者は優雅に遊んで暮らしています。この現象が終わりを迎え、急速に社会環境が変化を迎えます。

今回のロシアによる侵攻は、日本人に心の変化を与えます。

既に色んな条件が整っており(516兆円もの内部留保など)、後は「切っ掛け」待ちなのです。変わりますよ。ようやく…新しい時代の扉が開きます。苦節33年間、一度も高値を取れなかった日本株ですが、今回は全ての条件が整っており、ロシアのウクライナ侵攻に起因する資源価格の高騰からの物価高は、日本経済にとって悪くない環境です。

日経平均株価の月足推移

むしろ…日本人の「心に響く変化」を与え、日本人は、目覚め始めています。米国株の動向と日本株を比較すれば分かります。日経平均株価の月足と…金利裁定機能を代表する銘柄である日本製鉄の月足を掲載しておきます。

日本製鉄の月足推移

相場の時間軸の考え方は、難しく…一つの現象による「市場の反応」を観て、自分の立ち位置の検証をします。今回、カタルは「非常警戒モード入り」を下しましたが、予想に反する2日間の米国の株価動向を受けて…相場観を修正しよう…と「考え直したステップ」を、皆さんは「知る機会」を得ました。

このように頭の中の相場の時間軸を、常に修正して…未来図の相場を描いています。この頭の中の描写と実際の相場の現象を検証して、「すり合わせ」をする過程が面白いのです。ピッタリ、自分の頭の中の描写と、実際の相場がマッチする時間が長ければ…長いほど「あちら側の世界」へ近づきます。あと一歩だとは思うのですが、今回の時間軸の選択を観ても分かるように、なかなか…「一筋縄」では行きません。同じことです。個別株評価も…。

カタルは今回「久々」…でしょう。「Jトラスト」(8508)と言う「お気に入り銘柄」に出会って…この「思い」は傾斜しています。当然の話ですが、金曜日も595円まで買っています。正直に言えば、カタルの想像を超えた調整幅です。

本来の目途を658円前後の…あのストップ高ラインで「下げ幅」は止まると思っていました。しかし外部環境が変わりました。この間に、米国株は6月からの反騰相場が終焉を迎え、再び、調整色を強めています。外部環境、つまり「市場要因の悪化」です。

jトラストの日足推移

基本的に、このような環境下で「仕掛ける」のは…大きなエネルギーが必要になります。前回の高値が636円でした。そうしてストップ高のした日のVWAPは646円です。だから…カタルは658円前後が下値の目途になると当初は考えて行動をしていましたが、思いのほか、外部環境は悪化し始め、「市場要因」が劣化しています。

この影響により、金曜日は600円を割れた株価が示現しました。まだ分かりません。故にのんびり…構えて買い続けています。金曜日は605円と600円、595円の買い指値が刺さりました。さて来週じゃ…ないね。今週は何処まで買えるでしょう。ようやく…カタルは「本気モード」に入ります。ここから下がるなら、他の株を売って「一本買い」体制に入ります。

カタルは時々、このような馬鹿になります。皆さんは…カタルには過去の失敗が沢山ありますから、真似をしないように…しましょう。投資と言うのは、無理をせずに、様々なケースを想定して…対処すれば良いのです。自説に「拘り」を持つ必要はありません。

3回程度、買って駄目なら一旦は、時間を置きましょう。既にカタルは720円前後から買い下がっていますが、この戦略は、完全に間違っていました。利食い出来るものは、早めに利食いをして、反転を待ってから…再び、始めても良いのです。

今回は「Jトラスト」独自の…個別の調整波動もありますが、市場要因の悪化も株価に影響を与えています。事実、カタルは、金曜日には売りたくもない「BASE」を、さらに損切りをして…信用の枠を空けて、Jトラストを6000株だけですが…更に買い増ししました。もし更に大きく下がるなら、別枠の投資でも、もう5万株ほど…買っても良いかな?…とも思っていますが、株価次第です。

通常の調整幅は、既に…超えています。

この原因は個別株要因と言うより、市場要因の劣化で調整幅が大きくなっているものと思われます。下値なんか、神様ではないと分かりません。でも株価を丹念に観察していれば、この変化は分かります。金曜日はチャンスでした。でも仕掛け筋は、手を加えていません。まぁ…ノンビリ構えれば良いのでしょう。あとは個人の「力量問題」だけの話になります。

株式投資の難しさは、「銘柄の選択」ではありません。自分の「心の問題」です。カタルは755円の高値で「Jトラスト」を買ったとしても、年内に再び…利食いのチャンスが来ると思っています。ですが…世の中は、何が起こるか分かりませんから、自分に足枷を嵌めて、行動を縛る必要もあります。こればかりは一人一人が、自分で決める問題です。大人の対応をしましょう。

残念ながら、まだ底入れの「兆候」は表れていません。相場と言うのは、反転をして株価が上がらないと…確認は出来ず、駄目なものです。どっちでも良いと…ノンビリやりましょう。「他人は他人、自分は自分」です。その他大勢の人と同じ行動をするのではなく、自分独自の世界観を大切に持ちましょう。また明日。

会員の方は、今回の土曜日、日曜日に関連する補完を、会員レポートで、具体事例などを提示します。深夜までかからないと思いますが、夜半にお読みくだされば…と思っています。



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