小型株の時代

クラウドファンディングが…一般的になって来ました。先日、WBSを観ていたら、なんと大企業のソニーが、クラウドファンディングを利用して、製品を開発していると言います。その完成品は此方…グラス・スピーカーと言うものです。この一見、灯りにしか見えないものがスピーカーで音を出すと言うのです。音楽が気軽に聴けるのです。スマフォを使って音量や明るさなどを操作すると言います。

時代は、スマートコミュニティーで、様々なチャレンジが可能になって来ました。ヤル気さえあれば…色んなことが出来る時代になってきたようです。近年、日本でもベンチャー企業に対する見方が大きく変わりつつあり、カタルが何度かレポートで登場させているAI開発の「プリファード・ネットワークス」だけでなく、スペースXのような夢のある宇宙開発も、ベンチャーレベルで可能になって来ました。例えば、実用化が始まる「アクセルスペース」は、スカパーや物産などから資金調達し(既に19億円を調達)、小型衛星を2022年までに50機打ち上げると言います。

このような事例は非常に重要で…銘柄の選別にも、大きな影響を与えます。カタルが総資産経営的なトヨタの行動を批判しているのは、何も自前資金で、一から構築しなくても既存のベンチャーを活用した方が、時間は大幅に節約できると思うのです。それでGMの事例などを盛んにレポートしています。フェイスブックが、VR分野で注目を集めるヘッドマウントディスプレイのオキュラス・リフトを買収したりしています。アップルも同様の動きですね。

ところがトヨタは、人材をスカウトし、研究所の設立からスタートです。このスピード感の違いを、日本の総資産経営と批判しています。全て自前で構築しようとしています。時代は他社の優れた技術の活用です。効率化社会とは…ROE経営とは、このような違いを言います。日立を嘗て、盛んにカタルは批判していました。日立も全て自前主義でした。近年は、少し変化をしていますが…それでも遅れています。失われた時代は、このような非効率な経営が問題とされるのです。故に日経新聞社は、編集者自身が変革を求められますね。何故、GMがクルーズを買収した背景を、追わないのでしょう。日本には「ZMP」がありますね。

保身の為に、現預金残を積み上げる…日本企業は、なんと246兆円も現金があるのです。GDPの半分は、いくらなんでも積み上げ過ぎです。お金が死んでいますね。お金が活発に動き回れば…経済は活性化するのです。この感覚が政策指導部に必要になりますね。先ずはメディアが変わらねばなりません。失われた時代の主因は、メディアの保守的な姿勢です。そうして国民教育ですね。画一化した教育改革が欠かせません。

おそらく…、時代は小型株の乱舞が、続くのではないかと思っています。その意味は世界の潮流ですね。例えば…そうですね。カタルが上京した頃…新潟の会社であるトッキに惚れこんだことがあります。なんと20年以上も前の話です。この会社は有機ELの製造装置を研究開発していました。有機ELは実験段階では、昔から可能だったのです。故にソニーの出井さんが薄型テレビに出遅れて…ソニーの凋落に繋がりました。彼はもっと早く実用化段階を迎えると思っていたのですね。ところが大量生産が、なかなか出来ないのです。歩留まりが悪く、製品として売り出せないのです。このトッキは有機ELの蒸着装置を生産しています。トッキは技術がありましたが資金がなく倒産寸前な所、キャノンに救われたのです。その為に…現在はキャノンの子会社ですね。このキャノントッキはサムソンと共同で有機ELの製造装置を確立させてきました。日本のメーカーは全滅ですからね。

ここでシャープが、今度、名乗りを上げます。ところが既にサムソンとキャノントッキは密接な関係で、この蒸着装置を今注文すると…2年待ちだと言うのですね。発光材料も同じ状況です。出光興産や住友化学などが提供していますが…韓国メーカーのLGなども強いですからね。この辺りの背景がどう改善されるかにより…シャープの相場も変わりますね。お金があれば…買えると言うものではありません。キャノンは20年も前から投資している訳です。ベンチャーと買っても…この時間感覚ですね。総資産経営の自前主義が良いのかどうなのか…。近年の開発は、全てそうです。007もカーナビメーカーやルネサスエレクと共同開発ですね。何でも、そうです。分かりやすい事例が…医薬品かな?

有望な薬などを発見するとしますね。でも薬になるまで紆余曲折で10年~20年程度の開発期間が必要になります。例えば臨床試験が開始される「サンバイオ」のサイトカインにしましょうか…この会社は、再生細胞薬を研究しています。脳こうそくの患者にサイトカインと投与し、麻痺した身体が動かせるようになると言うものです。巨人の長嶋名誉監督も直るかもしれません。この会社には富士フィルムも出資しており、膝関節の再生が出来るかどうかの研究を、J・TECと共同で始めましたね。

ガン治療も同じです。カイオムのオプション契約のようなものですね。小野薬品は違いますよ。既に実用化されています。オプジーボを開発し、当初は悪性黒色腫のみの適用でしたが、今度は患者数が多い、肺がんにも適用拡大されており、今後、腎臓がん、頭頸部ガン、胃がん、食道がんなど広がって来ます。論理的には、全てのガンに効くと思われます。ただ遺伝子の関係か…効率的な効果を発揮する患者は、およそ20%程度だと言われています。

何故、こんな話を始めたかと言えば…、日銀が追加緩和を見送り、次の焦点はサミットになり、財政政策に焦点が当たっています。現在、安倍首相は欧州を訪問しており、財政出動に批判的なドイツを説得できるかどうかですね。しかし…カタルは今回のサミットに向け、安倍さんは一所懸命にやっていますが、オバマ政権は、既にレイムダック化されていますから、画期的な展開にはならないと思います。

だから一部で指摘され、今回、株価が上がりましたが…直ぐに金融相場に移行できないと思っています。金融相場へはマイナス金利が効いており、既に移行し始めています。しかしスタート段階の相場であり、助走している段階では株価の上昇は鈍いのです。逆に旬を迎えている相場は、乱高下をするのですね。

カタルは熊本大地震以前の相場展開に戻るのではないかと思っています。つまり個人投資家が儲かっていた小型株相場が、連休明けに訪れるのではないかと思っています。ただあまり長い時間ではなく…短命のような気がしています。5月11日が小野薬品の決算発表ですね。小野薬の利益はこれから溢れてきます。新工場も建設しており…世界が舞台ですからね。既にPER100倍ラインですが…どんな会社になるか。ITバブル期の光通信やソフトバンクは、こんなバカな…と言う株価から、更に異常な株価になりました。景気循環のサイクルが相場を支えるようにも見えます。

この辺りは微妙で…連休明けの相場を観察しないとなりません。本当は並行して動くと良いのですね。小型株相場が循環しながら…金融相場が同時進行する動きですね。この辺りはイエレン時間との兼ね合いがあります。まだイエレン時間は、確認されていません。一部では、もう一度、量的緩和に追い込まれると言う見方もあります。要するに誰も分からないのです。故に「相場は相場に聞け」と言う諺が、今ほど…必要になる時はないですね。

ざっと…雑感を述べました。今日のメインは…ベンチャー企業が、脚光を浴びる時代背景だと言う事ですね。スマートコミュニティーの世界は、既存の考え方に囚われない異次元の発想が新しい扉を開くと思っています。良く大企業病とか言いますね。株式市場は時代の流れを反映するものですから…小型株優位の相場になると思っています。



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