同じ数字なのに…

そろそろ「年度末の決算数字」が出てきますが、毎度のことですが…「安川電機」が我が国の製造業の先行指標の一つになります。

案の定、と言うか…世界の情勢が分かる数字です。今は「景気後退期」に移行しているのでしょう。このような製造業の場合は、実際の決算数字より「受注動向」が大切だろうと思っています。


安川電機 のセグメント別事業

安川電機は、基本的に「設備投資」の影響を受ける会社です。製造業が好調ならロボット需要なども増しますからね。安川は、二つの面で構成されており、会社側の説明ではモーションコントロールと呼ばれる、ACサーボモータやインバータ事業で…この分野は一般の産業機械のイメージですかね。もう一つは好調を続けているロボット分野で、自動車業界がEV化に対応して設備投資を続けています。特に米国ですね。

安川電機 の受注動向

故に、安川のセグメントを観ると…米国の伸びが段違いに大きく増えています。ただやはり中国は落ち込みが大きいですね。この後どうなるか…なのでしょう。でも、なかなか中国は難しいと思っています。この中国に代わるのがインドですが…安川が、どうか知りませんが…各社はまだそれほど力を入れている様子は見られません。カタルが最も、期待してるのが…「国内回帰需要」です。この国内向け需要は「貨幣乗数効果」が加わります。

海外向けの製品は、「売ればお終い」と言うか…二次、三次の乗数効果が生まれません。ですが…国内向けが活発になると、付随する仕事量が増えることを意味しています。

国内に工場が新設されると土地を売った人にお金が入り、その人はそのお金を何かに使います。工場建設も…工場が完成して、そこで働く人の雇用が増えて、人件費が支払われ…輸送コストなど、ドンドンお金が国内で回ります。キャノンが「国内回帰」宣言をしたことは非常に大きなことですよ。

国内の需給は「失われていた時代」で、低水準の安定期でした。このタイトの状態に国内需要の復活です。この変化率ショックは非常に大きなものになります。何しろ…34年間の「焼け野原」です。日銀の黒田会見で分かるように…デフレを脱出とは言いませんでしたが、デフレの状態ではない姿になったのです。

ようやく…「普通の国」に変わる間際です。ここに…この「国内回帰需要」が追い風になりますから、「名目数字」がドンドン増えます。だから消費税が膨らむから、政府は大盤振る舞いをしても…増税を延期できます。全体のパイが大きくなるのです。上場企業の賃上げ平均は5%を超えるような勢いです。故に全体では3%を超えるのでしょう。物価は上がり…名目経済の復活です。

黒田さんのYCC(イールドカーブコントロール)問題を、植田さんが「後処理をする」と言う報道が多いですが…カタルは少し違うイメージを持っています。植田さんは黒田さんの政策の果実を「謳歌」出来るのでしょう。恩恵を受ける可能性を考えています。

黒田さんは「損の役回り」でした。彼は日本経済を支えた「縁の下の力持ち」です。残念ながら、期間内に目標を達成できなかったから…その点は評価を下げますが、マズマズ…で、その責任を全うした総裁だと評価しています。ETF買いなど…日経平均株価を上げましたからね。

株屋の基本は、株価で評価します。

株は、その裏付けがないと…株価は上がりません。時代背景があるから株価が反応をします。散々、アマゾンの株価は高すぎる。赤字なのに…。今はテスラの株価は高すぎる。トヨタとの比較で、おかしな評価…と言われますが、「市場の先見性」は、過去の歴史において証明されています。

カタルは評論家ではありませんから、実際の数字で判断をします。株価を上げる政策が正しいのです。その点、岸田さんの評価はまだ定まっていませんが、普通のイメージです。先人の功績、安倍さんの功績の「果実を得ている段階」です。

日経新聞の四半期別受注動向の変化率推移

たった一つの安川電機の決算からも「見えてくるもの」があるでしょう。この受注動向をよく見てください。中国は落ち込み…米国は製造業で復活しています。(通期で…日経は四半期の変化率評価)それに、日本も追随し始めています。日経新聞にも安川電機の数字が載っていましたが、どんな解説だったかどうか。合わせて…読むと良いのでしょう。

日経新聞の四半期別受注動向 の総額推移

日経の受注推移は、もう少し長い期間を用いるべきだったですね。そうすると…傾向が、よりハッキリします。しかも…日経は「変化率」で表示しています。カタルなら…総額表示を採用するかな? 

日本は確実に「名目数字」が伸びています。そうして米国も活発化しています。中国はどうでしょうね。アジアの中にインドが入っていると思うので…この後の「のびしろ」が期待できます。もう少し長い期間で検証すべきですが…面倒だから、ここまでにします。グラフ一つでも…自分の考え方が変わるでしょう。

要するに、グラフの「縦横の比率」を変えるとか…同じ数字でも、見た目の印象度をいくらでも変えることが出来るのです。その記者が、どのような趣旨で文章を作るか…記者の基本的な考え方が、読者に影響を与えます。だからカタルは新聞記事を鵜呑みにするのではなく…自分でデータ元に飛んで、実際に…自分で、その数字をエクセルに落としてグラフを作ってみることが、「分析」には必要だと述べています。一つのデータと言うのは様々な角度からの検証が必要です。

昨晩は、米国の雇用統計が発表されており強いのですが、細部の分析があります。黒人だと白人だとか…米国の統計データはなかなかですね。日本とは「雲泥の差」があります。

日本は情報を軽視していますが、米国は、確りした分析の下で、決断をしています。だから…ロシアの侵攻を阻止すべきだったのです。何故、許したのでしょう。

バイデンは事前に侵攻すると言う分析官の忠告を受けていた筈です。でも自国の国益に成るから天秤にかけたのでしょう。米国は資源国だし、世界一の武器の輸出国です。まぁ、あまり…深く考えるとキリがありませんが…自分は「情報操作されている」との基礎知識があるかどうか…。それによりメディアの価値観が、自分の中でも変わると思います。

今回は日経新聞の変化率のグラフと、カタルは、総額のグラフを作って、同じ数字でも印象度が変わることを示しました。馬鹿は…自分で元の数字を分析などしません。日経新聞を読んだだけで、「知った気」になっています。そこから一歩踏み出して、自分なりに理解しようとするかどうか…その好奇心が大切です。

同じような発想の講演の記事がありました。此方です。

マネックスグループCEOの松本大さんは母校の開成中学2年生に向けた講演の中で「地頭×好奇心=自分の出力量です。地頭は実はそれほど変わらない。大事なのは好奇心=頭の回転数(考えること)。毎年1割増の好奇心を40年間持ち続けると出力は45倍に大きくなります」と語った――。そうです。

今日はこんなところで良いですかね。雇用統計などを受け、「利上げの確率」が増したそうですが…カタルは、やはり「M2の変化率」を気にしているから、時間を置くべきだろうと考えています。どっちに転ぶか…まぁ、色々です。

本日は出かけるので…あまり時間がなく、会員向けレポートを、これから作成します。会員の方は、明日にでも…お読みください。



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