決算数字を考える

決算についての感想を、この時期に述べるのは…あまり意味がありませんが、幾ら期首とは言え、一応、通信簿ですからね。一般的な注意点として…再生などのケースでは、大幅な赤字に陥ることがあります。大きな改革になれば、なるほど改善に時間を要します。その為に大幅なリストラクチャリングを敢行する場合、上場企業によってはMBOなどで上場廃止にしてから、大幅な改善に取り組み、新しい体制が軌道に乗ってから再上場するケースもあります。「すかいらーく」などは、このケースでしたね。

上場企業の場合、経営者は、どうしても四半期ごとの利益配分を考えます。しかし小さな会社は、季節感の変動が大きなのは当たり前です。大企業のように引き出しがない為に、調整が効きません。企業によっては…4Qに売り上げが集中する形態もあります。企業には、それぞれ癖がありますから、長く観てないと分かりません。

更に…同じ売り上げ増でも、自社の努力であげた売り上げと、M&Aによる売り上げ増加も意味が全然違いますね。同じく売り上げだけでなく、利益もそうです。M&Aは時間価値を早めますが、同時に東芝や日本郵政のようなリスクも存在します。簡単ではありませんよ。事前調査は入念にしなくてはなりません。折角…買収したのに、隠れ借金が存在していたなど…ザラにあります。売り上げや利益も一期限りのものか…継続的に生まれる利益なのか…この評価も全然違います。ケースバイケースですから、一概に…一括りする事が出来ません。

でも長く企業を観察すれば…ケネディクスも癖が判明します。もともとケネディクスは意欲的な会社だったのです。しかしダヴィンチを見て苦労したのですね。明日は我が身…と脅えたのです。だからダムに水を貯める経営判断は理解できない訳ではありません。カタルには不満ですが…カタルだって年末に損切りクロスを連発して利益調整をして、新年は利食いからスタートしましたからね。ある意味で、人間は皆一緒です。

利益調整の話では、ケネディクスの場合は、開発物件の完工を調整します。期待される日債銀はケネディクスの相乗り物件で、妙味は大きくありませんが、この5月に竣工の予定です。六本木のホテルは、1Qか、2Qのどちらに利益を組み入れているか分かりませんが、この3月でした。期待できそうなのが…横浜の開発物件です。これはいつになるのか…。少なくとも…2~3年以上は先の話でしょう。その竣工まで継続的に株を売り買いしているかどうか…。そうすれば…ひょっとして、その時の株価は1万円台になっているかもしれません。

どうもCREの株式購入や、自社株買いの時期を見ると、ようやく普通の状態に戻ったのが…昨年の秋なのでしょうね。通常は、ユトリが生まれるから自社株買いや新規投資を活発化させるわけです。だから…やはりスケールが大きな相場が、長く展開されると考えています。故に、カタルは大切なことは、目先の数字ではなく、マネーストックの増減推移と述べています。このクラスになると…自社の力で、何とかなる水準ではありません。日本国の政策動向が、利益の源泉であるAUM残高1兆7641億円(1兆1634億円)の評価に大きな影響を与えます。10%の増減で1764億円ですからね。すごいでしょう。だから時価総額は低すぎます。まるでデフレ社会の評価のままですからね。此処にギャップがあります。

さて期待している「働き方改革のクラウドワークス」を見てみましょうか…。正直に言えば…あまり褒められた数字ではありませんがマズマズかな? やはり…キュレーション問題の影響が、あったと思われます。その事に触れられていますね。その中で2Q総契約額は15億7百万円、前年比で33.7%増となっています。このキュレーション問題は一時的な現象ですが、その悪影響を凌駕して…この数字ですから、たいしたものです。問題は、一般企業の売り上げにあたる営業収入です。この伸び率が、僅か6.7%増なのです。総契約高比率を見ると23.09%です。だんだんクラウドワーカー間の競争も、激しいのでしょう。

この手の株に利益水準などを求めてはいけません。だから、あとは見なくていいのです。ケネディクスのAUM残高と同じで…クラウドワークスの場合の利益の源泉は、総契約額の水準の伸び率が問題にされます。もう一つは、働き手であるクラウドワーカー数ですね。この増加率は…合格点です。一時42%増、45%増と減速傾向が見られましたが、ここに来て、再び51%増となっています。この水準は…成長株の評価の範疇になります。

カタルがクラウドワークスに求めるのは…昨日の原稿で書いたクロスマーケティングの話で書いたグーグルが買収したデータサイエンスの懸賞サイト「Kaggle」のクラウドワーカー版ですね。

データサイエンティストの世界では、およそ世界中から30万人以上の人がKaggleに登録していたそうです。日本でも…様々な分野で優秀な人間の囲い込みをする必要性があります。だから懸賞サイトのような競技はゲームとか…いろんな分野で必要になります。経営者は、常に…世界を見つめないとなりません。直木賞で食べる出版界のようなものですね。最近は本屋大賞とか…色々あります。

だからインド、ロシア。出来れば…イスラエルなども含め、優秀なプログラマーの囲い込みが出来てない地域でも、早めに行動に移さないと駄目ですね。何故、グーグルが買収したか…。この意味は、非常に大きいのですよ。

最後に株価が低迷しているユビキタスを解説しましょうか…カタルの感覚では、今年の後半から来年の筈ですね。長年開発していた車関連の売り上げが増加してくるはずです。今期は先日買収したエーアイコーポレーションの売り上げが加算されます。だから決算短信のように売り上げが激増します。1124→2470予想ですね。この買収によりQBの販売増効果が生まれるかどうか…ですね。この推移が注目されます。ただ今の所、エイムの買収も活かし切れていません。自社開発だけでは限界を感じ、買収路線に舵を切ったようですね。

クロスマーケティングのように…M&Aの場合は、経営者の力量が問われます。一般的なケースでは、先ずは統合される側の社員は不安を抱きますから、軌道に乗るまで大変です。M&Aの評価は通常2年~3年程度、掛かります。どうやって社員にインセンティブを与えるか…上場企業なのでストップオプションの選択肢もあります。その場合は、クラウドワークスのように…利益目標の達成で、転換できる条件が望ましいですね。現状は信用買い残が、このクラスにしては高水準が続いています。だからカタルも株価位置は下値圏なので、本文でも推奨したかったのですが…見送りを続けています。

ただ今年はチャンスですね。一般的に、売り上げ増は内容を知らない人にとって魅力的に見えます。この売り上げ増を見ると…成長をイメージしますからね。そこに黒字転換が見えると…一気に人気化します。ようやく…下積みしていた開発成果が、来年にかけ生まれますから、チャンスが続くはずです。カタルはQBにしても、この会社の疑問は「売り方」にあると思っていました。だから今回のエーアイコーポレーションとの合併で、一気に華が咲かないかな?…と淡い期待を抱いています。株価位置は下値で、これ以上は叩きようがありません。だからカタルは、買い増しも検討しています。

JTECは既に述べています。親会社におんぶですが、曲がりなりにも黒字化を達成し…いよいよ「ジャック」は、開花時期を迎えます。数字の心配は消えています。問題は伸び率です。もし「ジャック」の適用条件が緩和されれば…、株価は一気に、すっ飛びます。おそらく5倍から10倍の可能性があります。

一般論として、今の時期の業績数字は、あまり関係ありません。この時期に増額など期待する方が馬鹿ですね。期待できるのは、早くて3Qの発表時期、又は1―3月の年初です。

自分で発表されている数字を、追う事です。そうすれば…企業が発表する説明会の資料の作り方の矛盾も見えてきます。出来れば…長く推移を追い、そのポイントを押さえておくと良いのでしょう。自分自身で数字を見て、株価の反応を追う事によって、自分自身の相場術と言うか…キャリアの蓄積に繋がります。ただ単に…株価だけを追っていても意味がありません。

必ず、自分が買っている株くらいは、数期、出来れば景気変動の一巡、日本の場合は2003年を底に2007年頃がピークで2011年頃がダブル底、そうして浮上中ですね。だから10年以上の前の数字を追うのが、理想です。そうして株価と関連付けて行きます。この作業はなかなか手間がかかります。企業によっては…10年も資料を掲載してない企業もあります。

例えば…クラウドワークスの場合は、こんな感じですね。一応、カタルが付けている資料を掲載しておきます。

クラウドワークスの四半期別業績推移



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