名目時代到来の日本

今の懸念と言うのは…何でしょう。北朝鮮リスク、カタール・サウジ問題などの中東情勢、トランプ政策、長過ぎる景気拡大期、完全雇用状態、FRBの政策ミス懸念、中国の減速懸念…思いつくままに挙げてみたけれど、皆、今、ひとつピンと来ません。ただ漠然とFRBのテーパリングは、やはり気になります。

カタルはCDSなどで膨らんだ金融需要が、リーマンショックで支えを失いましたが、世界の中央銀行が金融機関の代わりに、失った金融需要の支えを補ってきたと思っています。金融デリバティブで膨らんだ金融需要は、ある意味で不完全な形でした。それを厳格なルールに置き換えたのが…BIS規制やボルガー・ルールなどの金融規制です。このバランス問題が、「ダリオ時間」や「イエレン時間」の話しでした。

その微妙なバランスを克服して、昨年春に原油価格や半導体市況が好転し、「金融規制克服論」が生まれています。世界の中央銀行がリーマンショックを乗り越えた訳です。現状は、それ故の世界景気の拡大です。しかし…依然、金融規制は効いているから、なかなか景気が過熱しません。つまりインフレになりませんね。これは金融規制下にある為でしょう。しかし…今回のFRBのストレステストで多くの米銀は、増配と自社株買いを認められました。

この事は…非常に大きな事です。金融機関に、現状の厳しい金融規制下でも…ユトリが生まれてきたのです。つまり金融規制克服論が、加速する合図とも言えます。仮に、この仮説が正しいなら、そろそろ景気拡大はスピードを上げて、インフレになる筈です。これがカタルのメイン仮説です。

FRBのテーパリング移行は、この時間を見守りながら…慎重に進められるべきですね。慌てると…ダリオ時間に、逆戻りになります。現状は砂上の楼閣と言うか…微妙なバランス感覚で…経済が運営されているのでしょう。ECBもようやく…イタリアの下位行の整理に入りました。ただ…日本を見ても分かるように…非常に緩やかなのです。日本のデフレ脱却は、かなり厄介な問題です。少子化故…非常に鈍いと考えています。

ただ日本は、表面上、移民を受け入れていませんが、確実に外国人の導入は増えています。安倍政権の政策進行を受けインバウンド需要は増し、日本への参入障壁は低くなっています。今回のEUとのEPA締結の価値は、何れ…再認識されるでしょう。カタルは米国抜きのTPP締結に期待しています。何故なら、アジア圏の成長は、加速しているからで…尚且つ、人口が多いのです。

都民ファーストが躍進し…果たして、東京の国際都市構想が、進展するかどうか…。仮に実現すれば…これは非常に大きな材料になります。何故なら、地価を大きく押し上げます。皆さんは、なかなか現実を知りませんが…株と同じで、スター株の誕生が全体水準を押し上げるのです。現状でもようやく…鳩居堂の地価が18.7%の上昇に続き、今年は26%も上昇したのです。孫さんが買った「ティファニービル」の価格上昇が、どの程度か…推察が出来ますね。このような動きが連鎖になり…周辺のビルの価格は、上昇して行きます。

リートで問題になるのはイオンやアウトレットなどのショッピングモールなどの商業リートですね。更に温泉などもその口です。いくら利回りが良くても絶対に買えません。でも東京の商業ビルを中心にしているリートは、恐くありません。何故なら…第三者に売れるからです。しかし潰れたイオン(仮定の話)のショッピングモールなど…誰が買いますか?

日経新聞などは、2018年の大量のビル供給…金利上昇などリスクを、声高に叫びますが…現状観察の馬鹿に、勝手に言わせておけば良いのです。時代と言うのは、常に流れており、その流れに…逆らう訳にはいかないのです。日銀の指値オペに、敵う投資家は居ませんよ。馬鹿だけが、日銀が株を買って損をするなどと…言うのです。日銀は、何だって…出来るのです。

カタルが壮大なスケールでの「1300兆円の逆襲」と言うシナリオを、昔から語っている真意は、なかなか理解されないようです。世界中の資産価格は、毎年5%近く上昇しています。今では香港と東京の地価の差は、歴然としています。おそらく2倍程度の差はあるのでしょう。日本は、ずっと横ばいだけれど…世界は、毎年、上昇しています。バブル崩壊から間もなく30年が経過します。5%の複利終価を見て御覧なさい。30年で4.3倍です。

日本は土地神話、終身雇用や年功序列など…様々な仕組みを活用して、戦後の荒廃から世界トップ水準に追い付きましたが…失政が続き、「失われた時代」を経験してきました。長い調整期間が、終わりを告げます。日経平均株価38915円の奪回が、既にスタートしています。日本の場合の完成は、日銀のETF株の売却が完了して、正常化になるのでしょうが…あまりにメディアが馬鹿で、ロボット教育を受けた日本人は、メディアによる間違った方向の洗脳教育を受けているので…回復が遅いのでしょう。故に「流動性の罠」が深いのです。

カタルは、ケネディクス株が、「1300兆円の逆襲」と言うテーマの「スター株」なると思っています。自分で東京の商業ビルを…買い漁ってみれば分かります。1000億円を使うのも大変ですよ。まず、採算に合うビルを手に入れることなど出来ません。カタルの友達が、金融機関が不良債権処理を実行して売るものが多い時期でも…800億円を使い切れなかったのです。採算に合う、まともな買い方で…兆円単位の不動産が手に入るなんて…この魅力は凄いのです。何れ…カタルが述べている事が現実になります。

カタルが、何故、4年も待ち続けているか。「流動性の罠」が、あまりに深く…カタルの想定を超えるものでした。金など…どうにでもなるのです。この辺りの感覚は、一般人には理解できないかもしれません。しかし…孫さんを見れば分かりますね。たった1億からのスタートなのです。僅かな期間に、見事な手腕です。

馬鹿は100万円が、5億になる事も…163億になる事も、理解できないでしょう。しかし現実は可能なのです。中国の個人の金融資産は2680兆円だそうです。この10年で…実に9倍に膨らんだと言います。これが名目成長を重視する世界ですね。

この成長速度は、年率で25%弱の成長です。鳩居堂前の地価上昇は26%でした。ようやく…日本も名目時代に突入します。目先の調整に…怯んでは駄目なのです。カタルは、お金が続く限り…ケネディクスの株価が1000円に乗るまで…買い増しを続けると宣言しています。

失われた時代の反動を…思い知ればいいのです。カタルはこの30年近く「塗炭の苦しみ」を味わい続けたのです。政権批判を続けながら…。カタルの昔のレポートを見れば…分かります。仲間の友達は、息子が折角…東大に入学して喜んでいたのに…その息子の成長を見ずに、自殺の道を選択したのです。こんな事例は、腐る程あります。馬鹿が上に立てば…末端の国民は苦労します。インフレにして…所得の再分配をすればいいのです。遊んで暮らして…旅行三昧の老後を送っている年金生活者は…大勢います。月額で20万円以上も貰っている年金生活者の存在は、どこか可笑しいのです。働く若者は苦労して生活をしています。

インフレにすれば…問題なく再分配が可能です。日銀の指値オペは、不退転の決意を示すものなのでしょう。まもなく…目に見える形でスタートする筈です。何故なら…不動産関連3社の業績の四季報推移を、掲載しておきます。ご覧いただくと…現状の日本が実感できるはずです。自分の頭で時代を考えて下さい。それでは…また明日。

不動産企業の上位3社の業績推移(四季報より)



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