毎年…年末になると今年1年を振り返る訳ですが…今年は、とても良い年でした。一番は、実質成長と言うデフレ社会から、名目成長を重視するインフレ型社会への転換が、明確になった事です。カタルは、昨年7月7日の日経新聞の馬場記者が示した「失業率と消費者物価」関連のグラフを見て…、「これだ!」…と、ピンと来ました。
それまでは…何故、日銀がこれほどの大規模緩和の金融政策をやっているのに、なかなかデフレからインフレに転換しないのは、おかしいと思っていました。「流動性の罠」に陥っている理由が、分かりませんでした。でも失業率の長期的な視点比較をみると…失業率3%でも、名目時代は悪い方だったのです。
今朝の日経新聞にも、世界の中央銀行が量的緩和を実施して、マネタリーベースを増やしている様子が掲載されています。通常、お金の元を増やせば…必ずマネーサプライは増えますが…いくらマネタリーベースを増やしても、なかなか市中にお金が還流しませんでした。貨幣乗数効果が低下している為です。
この原因を、カタルは厳しい金融規制下にある為と…考えて来ました。折角、世界中の中央銀行がお金をばら撒いても、その手下である世界の金融機関は、自己資本比率を高める為に、総資産を圧縮するわけです。つまり、まるっきり…真逆の金融政策が、同時に進行しています。中央銀行が、金融機関に替わりリスクを取っても…駄目でした。
でもようやく…最近、この厳しい金融規制をクリアする時間が経過し、日本、米国、そうして遅れていた欧州も、水面上に顔を出してきました。
その様子はWTI原油価格等が示しています。昨年2月に30ドルを割れ26.05ドルとなり、今年6月は景気の底割れが懸念され、40ドルを割れるか…どうかの価格水準でした。カタルは、この現象を見て仮説を立てます。金融規制が、厳しいが故に、金融機関の総資産の圧縮から、世界の経済活動が鈍り価格が下落していると考えていました。
様々な指標から、景気回復も指摘されていましたが、イエレンFRB議長は、賃金の上昇率と言う概念を持ち出し、辛抱強く…実態経済の回復を待ちます。
カタルは盛んに、この頃は、ダリオ時間とイエレン時間の話をしていました。ダリオ時間は1929年の大恐慌後にニューデール政策などを通じて、景気は一旦回復しますが、それを見て金融を引き締め、財政投融資を絞ると…途端に、景気は再び悪化し、第二次世界大戦に発展しました。
その二の舞を、懸念したヘッジファンドのダリオ氏の警告を、カタルは「ダリオ時間」と呼んでおり、順調に景気が回復して、テーパリングや利上げなどをするFRBの時間推移を「イエレン時間」と表現して、長く相場を解説してきました。
もしイエレン氏が、賃金の上昇などを待たずに、利上げを急ぐと…たぶん景気は失速してリーマンショックの後遺症が残っているので…景気状態は二番底を、叩きに行ったのでしょう。しかし流石、米国です。日本の三重野日銀総裁のようなアホとは…違いました。彼女は良く景気状態を観察して、金融引き締めを辛抱して、賃金の上昇を待っていました。
今でも物価が、なかなか上昇しないのは、「謎」だとされています。しかし…カタルは、来年は警戒をしています。今度は、必ず、世界中の中央銀行がお金をばら撒いた「咎め」を受けるのではないかと思っているのです。この時期は、ずれて…再来年になるかも知れませんが、急速に物価は、上昇するのではないかと疑っています。
この理由は…金融機関が自己資本比率規制などの基準をクリアして、ブレーキを解除してアクセル踏むためです。そうすると…有り余っているお金が、一気に市中に流れ込みます。此処では…日銀に眠る、当座預金残などの推移が、注目されます。
まぁ今から、来年の話をすると、鬼が笑いますから…又にして、今年の振り返りを続けます。基本的に…今年10月に16連騰を、歴史上、初めて成し遂げたのは、未来の株高の狼煙だと思っています。それから、一気にデフレの関門である22750円を打ち破りました。この意味は…非常に重要です。日本経済が、新しいステップに入ったことを物語ります。
この新しいステップとは…何か? 社会は一気に、スマートコミュニティー入りするのでしょう。安倍政権が、いつキャッシュレス化を、宣言するか? 此処に焦点が絞られます。
早くしないと…様々な規格の仮想通貨が生まれ…社会が混乱します。日本の政策官僚の無策ぶりが、分かります。電子カルテもそうですし…遺伝子データなどの整備も遅れています。能力のない馬鹿官僚が、如何に…上に君臨しているか分かります。だいたい…ビットコインなどが一般化する前に、日銀が仮想通貨を発行すべきだったのです。今は、みずほや三菱など独自開発を進めており、乱立する気配です。
金融庁が監督官庁でしょうが…馬鹿の集まりです。本当に…我が国の金融政策を考えると国民が苦労するわけです。何故、真の実力者が、上に居ないのでしょう。まぁ、年末なので…批判はこの辺にして、新しい時代の世界競争に勝てるかどうか…は、仕組みの構築進展度に影響を受けます。何れ…必ず、後追いを迫られますから…その前に先手を打ち規格を統一させてやれば…経営資源の分散が免れ、効率化が一気に進むのです。
株価が一度、バブル化して…反省を迫られ、社会変革が起るのかも知れませんが…今のところは、この進展スピードが、どちらが先か分からず、混沌としています。
今は、まだ…この話は早いのでしょう。先ほどの原油価格ですが…、グレンコアは、この間に、良く生き延びましたね。一時は、もうだめだと思っていましたが…。首の皮一枚で命拾いです。2013年5月にグレンコア社は資源メジャーのエクストラータ社を合併しましたが、金融規制強化の影響をもろに受け、瀕死の重傷でした。2016年初めから…株価は5倍以上になりましたね。正にピンチはチャンスです。その様子を、チャートを付けておくので実感して下さい。
まだ…カタルも、よく調べてないのですが…最近、よく話題の載せている安川電機の話ですが、このような事例は…かなり他に、存在するんじゃないのでしょうか? カタルは失敗しましたね。何故、安川を選択しなかったのでしょう。
ファナクばかりに気を取られていました。先日、横河ブリッジを見ても…そう感じました。どうも…小さな銘柄ばかりを、見ていたようで…反省をしています。
まだ高値を抜いてはいませんが、この間に、カタルは「夢テク」を主軸に置いて、商いをしていましたから、明らかに…負けています。設備投資も、内需も、規定路線だったのです。お金がないと言うか…。貧乏人の「性」と言うか…。充分な目配りを欠いていたように感じています。
現場に身を置いていれば…、仲間が、何処からか…情報を手に入れて来ており、耳にしている筈ですが…。やはり一人での情報収集では、限界があるのかも知れません。有料会員向けのお年玉銘柄も…気付くのが遅れました。800円台では拾えていたはずですが…実際の買ったのは4ケタ乗せからです。
もう少し精度を上げないと…読者からの支持は得られません。
ケネディクスを始めとする「1300兆円の逆襲」相場の本格化は、これからです。少し…セコイ奴との…印象もありますが、宮島さんは、そんなに駄目な経営者だと考えている訳ではありません。彼の真価は、来期から分かります。通常、誰もが、先ずは、内部基盤を固めます。それから足固めを完成させ、積極的な攻撃に転じるのが通常の経営者です。
過去最高利益を更新するのは時間の問題でしょう。カタルは、一株利益が100円台に乗せる場面があると考えています。やはり在庫であるAUM残高は、非常に魅力的です。
一方、サンフロンティアの売り上げ推移と、営業利益は、順調に伸びており、これぞ…名目時代の利益成長の経営だと言う印象です。今回は、僅か14%の希薄化ですが…2013年にも公募を実施して、それを糧に成長を続けています。その年の営業利益は21億でしたが、翌年は45億、58億、73億、93億で、来期の予想は110億円です。凄い数字の伸びですよ。これが…名目時代です。
保守的な経営選択をしたケネディクスの宮島さんを、一時、カタルが批判したのは、このような時代背景が、存在している為です。だから来期以降、宮島さんは、同じ業種に身を置き、豊富なAUMから利益の源泉は、選び放題なのです。故に、きっと、カタル達の期待に応え、一株利益100円台を成し遂げると考えています。その後、コンセッションの華が開くと…株価は1万円の幻想も、未だに持っています。株と言うのは…何が起こるか分からないのです。
故に、ケネディクスは、いつでも買い場で…常に、買い増し方針なのです。一時的な株価のブレは、なかなか読めません。今回も770円で売って、690円で買えば…多額の利益計上のチャンスがあったのです。
でも貧乏人のアホなカタルに、多くの期待を寄せられても、皆さんの期待に十分応えられません。しかし…4年も、待ちに待った…名目時代の躍動感の第一歩を、2017年は踏み出せた年になったことは、やはり嬉しい限りです。
カタルは、前に日揮を取り上げたことがあります。7年間ほどかけて(仕掛けが1年早かったのです。)…最初、株価は8倍程度になりました。それからリーマンショックを経て、株価は時間がかかりましたが、13倍以上になっています。最安値から見れば約20倍ですが…。
「1300兆円の逆襲」と言うのは、それ以上に…相場のスケールは非常に大きなものです。何しろ、失われた時代は、20年以上続き、30年と言っても過言ではありません。そのギャップの修正が、ようやく始まり…「流動性の罠」に4年間も嵌っており、ようやく、このジレンマから抜け出せたところです。時代観を考えれば…相場はスタートしたばかり印象です。
まぁ、皆さんの考える時間推移ではありませんが…、バフェットもそうですが…大金持ちと言うのは、時間を超越できる人だけが…成し遂げられる領域なのでしょう。株式投資と言うのは、そんなものなのでしょう。
さて…設備投資など観ても分かりますが、来年はバラ色の展開です。しかし、いつもそうですが…片手に強気の剣などの武器を手にしたら、もう一方の手には、様々な市場の試練から、身を守る盾を手にして…戦うのが道理でしょう。バランスのとれた「心のユトリ」を大切にして、来年からの相場に臨みたいと考えています。
何分、1人の手作業で、自意識過剰のカタル君の戯言なので…皆さまの期待に応えられない部分も、多かったと思いますが…、読者各自が、カタルの勝手解釈のレポートを消化されて、活かされることを望んでいます。来年は3日から、レポートをスタートさせる予定です。
本年一年間、ご愛読を頂き…誠にありがとうございました。
皆さま、良い年を、お過ごしください。