時間軸

米国の雇用統計が発表されNY株は大幅高になりました。これで誰も逆イールドからのリセッションを言わなくなるでしょう。基本的にはゴルディロックス相場が継続されている訳です。近年はインターネット環境が整備され、情報はクラウド上に保管され、誰もが…世界中の人が、データを観て判断が付きます。極端な話…メーカーは小売りの陳列棚の数まで、製品在庫の状況を把握しているのです。そのような状況で昔の経済尺度を持ち出し、景気循環をとやかく議論するのは、ナンセンスだと思います。この雇用統計値の大幅改善はFRBの方針転換のお蔭でしょう。

NYダウ平均株価推移

昨年末、市場は米中貿易協議とFRBの金融政策を咎め、奈落の底を体験しました。その後も逆イールドからの景気後退を支持する声が強まりましたが…FRBの適切な対処により、リセッション懸念が遠退いています。つまりゴロディロックスと言う適温相場が続いているのでしょう。リーマンショックと言う金融危機を基点にして、米国株は上がり続けています。その様子をご覧ください。

エリオットの株価波動論では、これから第3の上昇波が生まれます。

リーマン前は…ITバブルの発生まで順調な上昇を続けてきましたが…ITバブルから基本的に10年程の横這いの調整波動を経て…リーマンショックが発生して、そこを基点にして景気拡大は続いています。

既に低金利状態が続き…問題は「弱者の奢り」です。つまり借金で生計を立てる種族が多くなると…何処かで調整が生まれます。基本的に仮需を続けると何処かに歪みが生じます。その歪みが社会全体に貯まると…ガラガラポンの整理が発生します。

相場も同じです。仮需(信用取引)の買いが貯まると…人気があるうちはその打ち返し玉を市場は吸収できますが、人気などは…何れ、冷めます。恋は盲目ですから…燃えている時に、何を言っても無駄です。しかし何かの切っ掛け、又は慣れると…時間の経過でその熱は必ず冷めます。そうすると…仮需を支えきれなくなり…一気に崩落します。経済も同じです。

でも仮需があるから…想定外の現象が発生します。この仮需を上手くコントロールするのがFRBの役割です。昨年のクリスマスショックを見て…パウエルは慌てたのでしょう。トランプ刺激もあり、方向転換をしました。これで…景気は持ち直します。今はレポ金利の反乱です。この為に基本的に量的緩和状態になり…仮需が発生し始めています。どうコントロールするか?

ここで「常設レポ・ファシリティー」の話が浮上します。来年の1月にFRBがどういう態度を示すか? これが今の相場の見所に変化しています。

この単語だけで相場を理解できる人は、先ず1%程度なのでしょう。多くの人はレポ金利の話をしても、何のこと?…が普通です。その為に幾つかのレポートを用意しましたから、それをお読みください。先ずは、此方です。セントルイス連銀は今年3月の時点で、9月16日に起きたレポ金利が10%に高騰する危惧をしていたのです。下にリンクされたレポートも読むと良いでしょう。

何らかの…制度上の欠陥があるのです。だから通常は「あり得ない」現象が生まれます。株価も同じですよ。市場と言うのは、常に裁定概念が働きます。市場の整合性の話です。金利が上がると…基本的には借金は減ります。だって高い金利を払っても、儲かる商売は限られます。だからROE経営が正しいのですよ。規模の拡大より効率化の推進です。

日本には村論理があり、規模の拡大を図りました。利益率が低くても支配力、つまりシェアを重視してきました。でも儲かるとなると一斉に各社は横並びでみんな共倒れです。半導体などが良い事例です。水道哲学が染みついたパナソニックの株価が低迷するわけです。水道哲学など…日本の途上期の話です。グローバル化になり…EMS(electronics manufacturing service)が一般化し、ファブレスになっているのに…国内生産にしがみ付くなんて…。

日本のトップは「プラザ合意」の意味を、理解できなかったのでしょう。時代の流れを、読み間違うと社員は大変です。シャープの混乱を見ても分かります。日産は司令塔が不在ですから大変ですね。内部抗争に明け暮れる時間などないのです。

ヘンな方向性になりましたね。ROEは効率経営で、高い利益率の商売しか存続が出来ません。だから富士通は人員削減をしたのです。今の時代、日本には無駄が多いのです。各社が希望退職者を募集しています。

よく評論家が賃金の伸び率が低いと嘆きますが…日本の場合、働かない年功序列の「団塊の世代」が多く…この人達が退職を迎えていますから、急速に効率化時代に突入するのです。これも…カタルが日本株は大きく上がる原動力になると思っています。邦銀の希望退職もそうですね。朝日新聞社の退職報酬はすごいね。6000万円だって…流石、大手です。でも日経の方がたぶん…高給です。

また話しが飛びました。「常設レポ」の話でした。来年にならないと分かりませんが、どういう仕組みを残すか…此処に焦点は絞られます。此方のレポートが参考になるかな?

要するに…市場で儲けるのは、大変なのです。簡単、素人が儲かると思ったら大間違いです。カタル自身も空売りをしませんから、駄目です。片手落ちになります。でも相場が上向けば…それなりに…必ず当て続けることが出来ます。

何しろ…歩合外務員で真剣に人生を歩み辛酸を嘗めてきました。サラ金地獄から特別税務官に査察を受けるのです。税務署は恐いですよ。何を言っても無駄です。ハニックスの社長は国税前で…「抗議の自殺」をしたのです。やり過ぎだと思いますが…恣意的な判断が通用するのが村論理です。

SP500のロングチャート

今日は何か話題が飛びますね。要するに…様々な世界を見て、総合的な判断が欠かせないのでしょう。最後に…SP500のロングチャートと日経平均株価の長期のものを載せておきます。カタルが期待する「肥沃な大地」を実感できるでしょう。何故、日本株市場が金融相場の色彩が強く、力強い相場になるか?

日経平均株価の長期罫線

スチュワードシップコードからコーポレートガバナンスの話が背景に流れています。だからこそ…463兆円の内部留保が活用され、名目時代が加速するのです。この辺りの理解が進まないと…なかなか相場が理解できません。業績が好調でもリストラをするとか…これはROE経営が浸透している現象です。

一気に…「失われた時代」の30年分、溜まったマグマが爆発する相場がやって来るのです。その現象を示したロングチャートです。相場も経済も人生もみんな一緒です。基本的な道理を考えて物事を真剣に見つめれば…自ずと結論が導き出されるのでしょう。

本日はこの後、会員向けレポートを書きます。会員の方は明日にでも…お読みください。上手く書けると良いのですが…。「レポート」もなかなか難しい。



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