希望の誕生

米国の雇用統計発表を受け、為替は円安に振れインパクトは大きかったようです。事前予想が20万人以下となっており、実際は27.1万人となったので驚いた格好です。失業率は5.0%でした。新聞などの検証期間が短いものが多く、統計上の感覚が掴めないので、カタルは独自にグラフを作成しています。下のような格好です。

米国雇用統計と失業率推移
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米国雇用統計と失業率推移

ただ同時に、消費者物価指数の伸びは、依然、鈍いことも事実ですが、「サマーズ時間」から確実に「イエレン時間」に移行しつつあるようです。まだ一部で1937年問題の憂いが残り、「利上げは間違い」との意見もありますが…FEDウォッチ指数は69.8%となり70%水準を達成し、尚且つ、NY市場は雇用統計を受け、一時、下げましたが…結果はプラス圏です。原油価格動向は、若干緩んでいますが…、このまま推移すれば、12月の利上げは確定です。実に2013年5月、バーナンキ議長のテーパリング発言から、昨年11月に量的緩和を停止し、この12月にゼロ金利政策を解除することになりそうです。つまり…期待感が増し、市場に「希望」が生まれるのです。これを受け米国金融株は上がっているようです。

この後の仮説は、色々あります。最も恐いシナリオが…1937年問題の再来で「ダリオ時間」の到来です。市場は…再度の量的緩和を催促しに動くので…、大きく株価を下げるシナリオが存在します。まぁ、確実に訪れると…仮定しても、2度目の利上げ以降でしょうから、来年の3月以降ですね。このシナリオは…存在しない可能性も高いのです。これだけ世界規模で…世界の中央銀行が挙って、量的緩和を実施したわけですから、イエレン議長の意見が正しく、インフレが起こる可能性もあります。サウジは既に国外資産を売却している訳です。故に、現在のバランスが…行き過ぎているとも言えます。この後の原油価格の動向は重要ですね。

多くの国は景気後退が深刻で、利下げや景気対策を実施しています。しかしブラジルはインフレに苦しみ、利上げを実施しているのですね。温かい国ですから…厳格な規律を嫌います。故に財政が緩んでいるから仕方がないとは言えますが…この動向も重要なパーツです。政策はバランス感覚ですからね。シリア、IS,ロシアなどの動きも影響します。昨晩、NHKの番組で、ゴルバチョフがドイツ統合の特集番組で登場していましたが、NATOとワルシャワ条約機構のバランス問題などを見ると、ロシアのウクライナ侵攻は、ある意味で理解できますね。株価もそうですが…、やり過ぎの咎めは、必ず受けます。程々のバランス感覚がやはり必要になるのでしょう。このバランス感覚は、カタルの思考パターンに欠けている部分です。数十年に一度、起こるかどうかの奇跡を賭けるのは、馬鹿げた行動ですからね。結局、株は「システマティックリスク」の影響が大きいのですね。

だから最近はマクロ経済の話題が増えています。米国の金融政策など…。本来はあまり関係ないと思われるかもしれませんが、指数の影響が大きくなり…個別株対応できる投資家レベルは、非常に少ない訳ですね。株式投資の奥は深く…所詮、素人には分かりません。カタルレポートは、なるべく簡素化し、噛み砕いで…カタルのような馬鹿が、理解できるように解説しているつもりですが…それでも下地の知識が、必要なのです。カタルレポートの読者数が伸びないのは、内容が難しいのかも知れません。「テーパリング」…なんて言う金融用語は、一般の人は分かりませんからね。「量的緩和」の意味も、一般の人は知りません。ましてや…「マネタリーベース」と「マネーストック」の違いも、多くの人は知らない訳です。おそらく3年から5年生の証券マンは、ほとんど、金融知識もないのでしょう。だから若い人が、博打感覚で目先投資をする傾向もよく分かります。

でも経済の読みは、新明和の行動が、正しいかどうか…なのですね。村論理が強いから、販売する機会損失を気にせずに、顧客を1年も待たせるわけです。日本の雇用体制の不備が此処にもありますね。終身雇用の幻想の雇用体制が尾を引いています。パイオニアの指名解雇事件から、一体、何年、経過したのでしょう。あれは1993年の事件でしたね。既に22年です。契約社員比率は4割を超えている現実でも…、依然、社会は正社員に拘る訳です。クラウドワークスが認知されない(株価が騰がらない)のは、時代の進展スピードが、やはり鈍いのでしょう。

TPPとは…消費者側に立った論理です。最近、報道されたソニー不動産とヤフーの提携が時代の流れでしょう。村論理を適用して不動産情報を伝えない…と、村八分にしても、時代に通用しませんね。時代は利便性を求め、消費者が主役なのです。企業論理、生産者論理が正しいのではないのです。TPPと言うのは…消費者側に立った発想であり、これがグローバル基準だと言う事です。故に、医薬情報特許も保護期間が短くなるのが道理でしょう。だからジェネリックなのですね。でも医者はまだ副作用など気にして…適応していませんね。お薬の解説をする医者は、少ないのが実情です。

このような発想をすると…、自ずと銘柄が、色々…浮かんできます。このレベルが証券マンのレベルです。カタルのこのレポートが理解できないようでは…、まだまだ勉強不足です。新聞を読んだから、株価が浮かぶレベルの証券マンが、一体、各社に何人いるのでしょう。その様なスペシャリストを、はやく養成して欲しいですね。知識の伝承は欠かせません。外人投資家の騙しを逆手に取って行動する、賢い投資家をどんどん増やさないとなりません。やはり先週の予測は正しいようですね。カタルは「懐疑から楽観に」移行する時間だと述べました。

日経平均採用銘柄の個別株の26週線平均乖離は未だにマイナス圏ですが…9月29日の-14.58%から、昨日のマイナスは1.29%と縮小しています。まもなくプラス圏になりますね。そうすると…市場は明るさを更に増し、一気に楽観状態に変化します。この楽観から幸福感に移行するのは、何時なのか? 現在の所は予測できませんが…次の変化を見逃さないようにしないとなりませんね。まもなく「夢を買う」株も、戻り相場に入ると思っています。システマティックリスクとは…そういう事を示しています。それではまた明日。



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