アーカイブ:2018年11月24日

期待値が失望に変わる時

米国も完全に「期待値」が剥がれ弱気相場に転換したイメージです。この期待値は希望とも言えます。名目時代の成長を支える重要なアイテムです。人間は目標があると…それを達成しようと努力を続けます。そうして目標達成と言う、成果を得られると更なる希望が生まれスケールがどんどん大きくなります。

しかし自分の希望通りに現実が流れる道理がなく、なかなか上手く行かないのが現実です。でも中には…それを達成する人が居ます。テスラのイーロン・マスク、日本ではソフトバンクの孫氏などはそのタイプなのでしょう。

でも成功者と脱落者は、僅かな違いだろうと思っています。所詮、人間の能力は大きな差がある訳ではなく…努力して準備をして待っていて、そのチャンスが来た時に、どれだけ頑張れるか? あとは「運」でしょう。

頑張るテスラ

苦戦を続けるFB

今年前半のテスラは叩かれ続けていました。今でもそうです。でもマスクはがんばっています。フェイスブックのザッカ―バーグは苦戦しています。FAANG株の多くが崩れる中でテスラ株は、比較的、頑張っています。見事に目標を達成したからです。

ソフトバンクの孫氏は、実に際どいタイミングでした。あの時の1億円の融資は、あと少し遅ければ…絶対にあり得ません。シャープの佐々木さんの支援があり、支店長の裁量が働いた時代でした。今の時代なら、たとえ1億円でも支店長の裁量でも、このような無理な融資が出来るかどうか…。

ガチガチの検査姿勢が生まれたのは…バブル期の政策の失敗がトラウマになり、金融庁が清貧思想に傾いているから、なかなか「流動性の罠」から抜け出せません。

今回のゴーン事件も…日本の文化の為でしょう。もし30億円程度の高額報酬を認める社会構造なら、こんな問題は発生しなかったのでしょう。彼の功績は素晴らしいです。でもそれを認めない清貧思想。官僚の給料が安いからでしょうか? 今の世界基準では30億程度は常識なのでしょう。ソフトバンクのニケシュ・アローラ元副社長に払った165億円が高いかどうか?

価値観と言うのは、人それぞれで違いますからね。お金のタガではないでしょう。

逆金融相場では…この期待値がぐっと下がり、小野薬やNPCの株価の上限を押し下げました。今はこの期待値は完全に消え、逆に作用しています。FAANG株の企業業績は、良い伸びです。まぁ、PERが100倍を大きく超え…期待値が膨らみ過ぎたのは、行き過ぎだと思いますが、でも決して…企業業績が落ちている訳ではありません。

SUMCOの日足推移

今回のSUMCOなど観ると分かります。四季報予想は今期の一株利益190円ですが、実際の3Qを終えた段階でも、数字は若干ですが…増額されており194円です。

22円→92円→194円なのです。たぶん他の半導体と同じように次の数字が194円後の数字は大きく落ちると観られているのでしょう。カタルは落ちないと思っており四季報の225円は維持されるでしょう。でも株価はこの伸びでは不満で…年初の株価は一株利益の300円近くを期待したから、3345円を付けたのでしょう。つまり、この株価は期待値が先行して達成されたものです。

しかし米中貿易摩擦などの様々な要因で、この期待値が薄れ、急速に株価が見直されてきました。カタルは流石に9月13日の1525円は安値だろうと思って…あの時から買っています。でも実際は10月26日に1280円を付けました。

この株価は、どう考えても…減額を織り込んだ株価です。194円の今期の数字が、来期は大きく落ち込むと言う前提でないと…1280円は成り立ちません。でもたぶん…実際の来期数字は、四季報以上の数値なのでしょう。

期待値が完全になくなり、今は過度の悲観が、市場に充満しています。

米国株を良く見ている訳ではなく、具体的な数字は分かりませんが同じようなものでしょう。30%以上の伸びを続けているスマート関連ばかりです。だからFAANGの株価も時間の問題で何れ、回復するのでしょう。

これからのFRBの政策次第ですが…過度の悲観観は、まもなく修正されると思っています。何故、カタルが進化論を述べて来たか? 理由はこのラインが止まらないと次のステップが見えないからでもあります。

故に、早くから古河電工などに注目して打診買いをしてきましたが、とうとう期日を迎え損の計上を余儀なくされています。今年、カタルは貴重な経験をしています。小野薬品やこの古河電工など…で、調整過程の相場の成り立ちを勉強しています。

たぶん多くのFAANG株も、スマート関連も企業業績は大きくは落ち込まないでしょう。古河電工の時に述べたように…落ちても「緩む程度」の筈です。そうして…再び成長路線に乗るのでしょう。だって時代の流れは決まっています。

要するに…市場に過度の期待感が先行したために、株価はその期待感がなくなるまで調整を余儀なくされます。そうして期待感が消え、あきらめの境地になり…初めて、次のステップに移行出来ます。今はこの「諦めの境地」を形成している最中です。

まもなくFRBの金融政策の変更が市場に浸透しますから…そうすると、株価は上昇を始めるのでしょう。この浸透度が問題です。カタルは「債券のフラット化」以降…ずっと一貫して、進化論を述べてきました。まぁ、今の所、中間反騰かも知れませんが…。

市場にあった過度の期待感が消え、正常レベルに下がり、それが更に減額修正をも織り込む悲観感が生まれたSUMCOの株価は、一つのバロメーターになります。古河電工は減額ですが…株価が大きく下がったほど、数字が落ちるのでしょうか? そうして次の数字も更に落ちますか? カタルは5G投資が本格して、成長路線が鮮明になると考えています。

既に株価が下落する値惚れの買いは消え…戻りの相場への期待感も消えました。この期待値は、カタルが話している全体の「市場リスク」(市場要因)の一つです。今は、この市場リスクが極端にぶれ始めているから…株価の変動率があがっています。

先日、エヌビディア(NVDA)の話をしました。仮想通貨のマイニング需要が消え2四半期、在庫調整をする為に株価は大きく値下がりし、このチャンスに空売りファンドは株を買戻し…大きな利益をあげていました。

このNVDAの伸び率は、なかなかなのです。米国は中国に負けるから…焦っています。その為にファーウェイの利用停止を呼びかけています。でもスペインは一帯一路に傾いています。EUのイタリア、要のドイツは求心力が低下し…フランスが台頭していますが、マクロンの支持率はサッパリです。

この辺りを見て地検は動いたのでしょうが…。中国の進化はすごいスピードです。5GからAIに、まっしぐらに…爆走しているイメージです。だから村田などの地位は揺るがないし…ファナックなども凄い筈です。カタルが機関投資家のファンドマネジャーなら、絶好の機会が訪れています。

来年になると…今のモヤモヤは完全に消えます。今は過渡期でしょう。昨日も話したように…カタルと同じ見方をする人が増えてきました。

あとは実際のFRBの行動を見るだけです。ブラックフライディーは所得の増加で好調との事ですが…原油価格は下落し、株式相場は安値を付けています。12月18日、19日のFOMCは、どんな決断をするのでしょう。仮に…利上げを実施しても、コメントが重要になります。日本時間では20日になります。

たぶんプロは、既に決まっている事だから、下値を買い始めるのでしょう。だから意外に底堅い展開が予想されます。でも東芝の自社株買いと同じように…なかなか上を買うまでには至りません。そんな所でしょう。

本日は、有料会員向けのレポートを書きますから、夕方にはアップされていると思いますから、会員の方はお読みください。本日のテーマは、昨日から書いている会員向けレポートの補完でもあります。



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