本当に…メディアの解説は、いい加減ですね。昨日、予てから指摘していた当座預金に対する付利金利のマイナス適用が決まりました。黒田さんは…男を上げましたね。通常、経営者も、政策担当者も後の事を考え、行動が鈍るものです。故に現状維持になりがちで、冒険せずに追い込まれてから行動を起こすわけです。追証になると…自分の行動を見ると分かりますね。どうにもならなくなり…、切った所が…底値と言う事は良くあります。
ソフトバンクの孫氏も、スプリントの買収などしなければ…苦労はなかったのです。しかし違いますね。いつも一所懸命に全力投球するから、新しい活路が開かれるのです。ケネディクスの宮島さんのような経営では…精一杯の努力をしていませんからね。逆に、いちごは格下ですが、一所懸命に限界に挑んでいるように見えます。この違いが…5年、10年経つと立場が入れ替わる訳です。ユニクロは、最初は馬鹿にされていました。安かろう、悪かろう…確かに価格は安いが、恥ずかしくてユニクロで買った商品など着ていられない。そんなイメージだったと思います。時代はデフレ時代です。マックは100円のハンバーガーを売り出していました。時代の流れにどう乗るかで…明暗が分かれる実例です。ニトリも、このデフレ時代で大きく伸びました。
一方、カタルが高校生の頃、あれは1年生かな? 当時、親から山水のオーディオセットを買ってもらい試聴版に、今、日経の私の履歴書を書いている小椋佳の「青春」と言うアルバムが付録で付いていました。あの当時の小椋佳は…無名でした。アルバムも…なかったですからね。でも良かったですね。その時から…カタルは彼のファンでした。いつしか有名になり、寂しい思いをしたものです。売れて嬉しいのですが、同時に一人占めできない寂しさがありますね。マイナーだから、応援のし甲斐が在ったのです。メジャーになると…一般化しますからね。株式投資に…この感覚は似ています。あの当時は、たくさんのオーディオメーカーが存在していました。山水もそうですが…みんな消えましたね。パイオニアぐらいかな? 残っているのは…。コダックは消え、フィルムが残った事例と同じですね。時代の流れを活かし…常に変化を畏れては駄目なのです。
カタルの人生哲学が正しいとは言えません。何故なら…失敗しているからです。でも悔いはありません。あのまま証券マンを続け、地方証券の役員で一生を終える人生もありました。事実、会社を辞めて歩合になって食えない時に、元上司が東京まで来て、カタルを飲み屋に誘い「社長が戻って来いと言っている。良いポストも用意するから戻らないか?」と誘われたものです。でも…武士は喰わねど、高楊枝の口です。アナリスト試験を受けたり…苦労しました。2年間程度かな…証券営業活動の無駄を知り、国会図書館が職場になったこともありました。何故、こんなに駄目な時代が続くのだろう…と、様々な歴史を調べたのです。
本当に…安倍政権になり、初めての転換なのです。しかしチグハグな政策も散見されます。おそらく村論理の勢力も多く意見対立があるからでしょう。日銀の政策決定会合でも、意見が割れている様で…本当にこいつらは、末端の人間の苦しみを知っているのかどうか…疑わしく思います。何故、自殺者が3万人もいるのか?(最近は減っています)何故、ブラック企業が存在するのか? ブラックバイトの背景は、何処に問題があるのか? 政策担当者は、真剣に考えたことがあるのでしょうか?
カタルは毎日、名刺を100枚から200枚程度配り、土曜も日曜日も夜もなく…家族サービスもしないで働きました。それでも食えなかったのです。どんなに努力をしても株式を買わせると下がるばかりの時代が長く続きました。失われた時代の原点は、資産デフレですね。如いては…期待インフレ率が低くなるために、人々から夢を奪うのです。つまり「やる気」がない人間が蔓延するのです。フジテレビの日枝、新日鉄の三村など…村論理の世界で生活している連中を見ると吐き気さえ覚えます。こいつらが…時代の進化を止めている主犯です。会ったことはないから、客観的な見地での感想に過ぎません。
他に、いっぱい居ますね。腐るほど…ぶら下がって努力もしない人間が…、悔しかったら、カタルも東大法学部に入り、村論理で生活すればいいんだ。…まぁ、その通りです。一所懸命に勉強して、東大法科で、大蔵省に入れば良かったのでしょう。小川さんのように証券局長から、事務次官を経て、渡り鳥生活も…良いかも知れませんね。色んな人生がありますからね。しかし村論理では、本物が上に居ないから…日銀のマイナス金利の適切な解説が出来ないのです。
何故、この時期を選んだのか? 経団連の榊原さんが…述べていましたね。賃上げと設備投資に影響を与えると…狙いは、此処にあります。村田の副社長が為替にふれていました。もし何もしなければ…115円を割れていたかもしれません。一気に賃上げムードなどお題目になりますね。折角の…法人減税の前倒しが、死に体になります。これでも現状の賃上げは限られたものでしょう。なんとか…株価を2万円台に戻さないとなりません。幸い為替は121円台です。もっと戦略的に誘導をしないとなりませんね。金曜日の大幅プラスからマイナスへの変化は、おそらく…ヘッジファンドが売り仕掛けをしたように感じています。しかし年金基金などが買いに傾いたので、引けに掛けプラス転換したと思っています。単なる推測ですよ。
あるいは…真相は、誤解かも生まれたのかも知れません。付利金利がマイナスになると、250兆円の金利収入が消えるから…銀行は大変だと勝手解釈したのかも知れません。0.1%でも、2500億円です。これがマイナスだと、合計で5000億も…違いますからね。三菱UFJは安値を更新して2億4千万台の出来高を伴い、最後はマイナスでしたが、安値の572円から609円と…良く戻りました。緩和報道直後はプラス圏になっていましたが…直ぐに売られましたね。しかし13時過ぎには…落ち着きます。本当はプラス展開させるべきだったのです。カタルも買おうとしましたが、ケネディクスで忙しく…手が回らなかったのです。目先はマイナスかも知れませんが…プラス効果の方が大きいですね。当座預金より、有利な資金運用ができます。米国債が買われ円安になっているのを見れば…分かります。最後は期待インフレ率が高まり、金融業にとっては…プラスなのです。
筋論からすれば、一気にマイナス適用すべきですが…。ワンクッションを置き、銀行団にも時間的な余裕を与えた訳です。今度、一気にマイナス適用されたら大変だと…運用を真剣に考える銀行も居るでしょう。これでマネタリーベースの大半を占める当座預金残高253兆円が、マネーストックに変化し貨幣乗数効果が高まります。前回、カタルは付利金利の撤廃を訴えていました。QE2の時ですね。量的緩和ではなく…付利金利の撤廃が先だと考えていた訳です。
理由は、経済に効くのはマネーストックの増減なのです。基本はジャブジャブにお金を刷る訳です。自然に期待インフレ率は上がります。インタ‐バンク市場の当座預金に…いくらお金を貯めても無駄ですからね。この様子に金曜日の相場は、良く反応しています。日経225の陽線率推移の上位銘柄の一覧です。不動産株が並んでいますね。東急不動は前からカタルは積極派だと述べています。渋谷だけでなく銀座など、他に先駆して動いていますね。株式市場は、良く出来ています。「1300兆円の逆襲」を狙って、政策が打たれています。その様子の一覧です。
問題は金融庁ですよ。不動産融資に対しヒヤリングをしていますね。政策に一貫性がないのです。ノルマを掛けて不動産融資を増やすなら分かりますが…正常な状態か調べると言う事は、不動産融資を減らせ…と受け取られないからですね。この辺りの微妙な空気が、景気の中だるみ現象になって、表面化しているのでしょう。日銀がいくら薪をこめ、火を大きく燃やそうとしても、金融庁が上から「じょうろ」で、水を撒くようなものです。政策に一貫性がないとなりません。
同じような事が、シャープの問題ですね。シャープは一度、ホンハイから裏切られているから…産業革新機構案に傾きますね。当然の選択でもあります。しかし論理的に見て、どう見てもホンハイの方が有利ですね。しかしWSJの報道によれば…あの金額は新株の資金で既存株主の買い取りではないと報道されています。TOBを掛ければ、スッキリしますが、水面下でやり取りをしているようじゃ…銀行団もホンハイに賛成できませんね。何しろ日本は、村論理の国で、「江戸の仇は長崎で…」が、日常茶飯事です。
でも、もしTOBを掛けられれば…銀行団は株主代表訴訟があり、ホンハイに軍配を挙げざる得ません。ホンハイが勝利すると…一気に日本市場に新規の資金が流入します。大量に…世界中からのお金が日本に集まり、アジアの戦略拠点になります。資本規制が掛かるような共産圏の中国に、多額の投資は出来ません。シャープ問題は「黒船来航」のような…案件なのです。この選択を誤ると…、日本の時間は、また止まります。失われた時代が、続く可能性が出てきます。政策判断は…難しいですね。
安倍政権は公言すればいいのです。市場原理に従い処理をすると…。公に述べれば…、水面下ではなくTOBと言う形でホンハイは行動します。そうなれば、銀行は上場企業だから、有利な方を選択するわけです。これが市場原理ですね。公明正大に…公の場での処理を望む次第です。この問題は2月では片付かずに…3月一杯まで揉めそうです。一体、どうなるのでしょう。当然の話ですが…時間切れで…資金ショートからの倒産もあり得ます。だから面白いのでしょう。ハイリスクですからね。世の中、上手い話はありません。TOBが掛けられ、200円も300円も相場ですが…逆に時間切れで、倒産のリスクもあります。
それでは…また明日。マイナス金利適用の本当の狙いは「賃上げ」の促進でしょう。如いては可処分所得が増大され、消費が伸びて、消費税の引き上げが円滑に進みます。故に日銀が買っている国債も、財政インフレではなく、テーパリングを模索できるかもしれません。日銀は無限で…なんでも出来るのです。馬鹿だけが…自己規制に縛られるのです。法律なんか、勝手に変えられるのです。それでは…また明日。