かたる:いったい…今年は、どんな年になるのでしょう。楽しみです。昨年は東証が始まって以来、年初から6営業日連続の値下がりでスタートし、どうなるかと心配したものですが、今年は例年通りの展開になりそうで、ほっとしています。
東京の正月は穏やかな天気が続きました。本日も青空ですね。風もなく、そんなに寒く感じません。新年は毎年、何か良い銘柄がないかと…探すのですが、今年は、そんな努力をしませんでした。むしろ、大発会から利食いを先行させてスタートしました。何しろ、昨年末は、損出しクロスを敢行したので…手持ちは利食い玉ばかりです。
昨年、大納会で指摘した三菱UFJは747円台ですね。大納会は寄り付きが707.1円からのスタートで、大引けは720.2円でした。買い過ぎた分を本日は利食いしました。ただ単に余分に買ったから、売っただけの話で…相場観とは違いますからね。カタルは貧乏人で、大納会は寄り付き、前引け、更に、約束をしたので…大引けも買った次第です。これで800円台に入れば…証券マンの人も満足でしょう。何しろ、昨年は「馬鹿になったものが勝つ相場」と、三菱UFJを現物沈潜しろ…と言い続けましたからね。
昨日も書きましたが、黒田日銀総裁も述べられていますが…消費者物価指数は既に上昇気味になっています。9月までマイナス圏でしたが、10月は+0.1、11月は+0.5%の上昇でしたね。これは原油高を受けての実績でしょう。この後、円安効果も加わる筈です。まだどのような形になるか分かりませんが…金融規制が緩和されれば、強引に自己資本比率を上げる作業の必要性がなくなり、その分母になる総資産の圧縮が必要なくなります。故に世界経済も名目の経済に入ります。つまり物の価格が、上昇する名目成長率重視の戦略が必要になりますね。
インフレになると…当座預金残の312兆円や、企業の現預金残の246兆円、合わせて558兆円の資金が、一斉に動き出します。わが国のGDPが504兆円ほどなので…その大きさが分かります。怒涛の如く…資金が市場に溢れます。
もう一つが、昨日、指摘した完全失業率の数字です。既に3K(きつい仕事、危険な仕事、汚い仕事)などの業種は、人手不足です。これに保育や介護の低賃金もそうですね。都心では時給1200円の看板も見かけました。リクルート調べでは、首都圏の平均は1044円だそうです。可処分所得が増えると、物価が上昇しやすくなります。
ユニクロの戦略が、再び変化するのかどうか…。株の世界では通常、本格的に動き出す前に予兆と言う現象が見られるケースが多く、先ずは事前準備をして、それから本格的な上昇相場に移行する展開が見られます。ユニクロは一度、製品価格を引き上げましたが…売り上げが落ち込み、再び値下げしましたね。今度はどうなるのでしょう。
今年の注目点は…この物価動向です。故に昨日はケネディクスの株価だけを観ていれば…日本の景気動向が分かると述べました。大量の資金を消化できるのは、不動産しかないのです。資産インフレを経済に取り入れないから、長い「失われた時代」が形成されたのです。
宮澤喜一は、所得を上げて、家を年収の5倍程度で買えるようにはせず、税制など含め、地価を下げる政策を採用したのです。金余りで、未来の値上がり分まで見込み、120%貸しをしているような状態で、事前準備もなしに…政策の急ブレーキを踏んだわけです。だから日本中の銀行が、不良債権の山を抱えました。
これが失われた時代の原点ですね。今は…どうでしょう。嫌がる馬に、水を強引に飲まそうとさせていますが…当座預金残には、僅か0.1%の付利金利を求める始末です。貯まる一方なのです。とうとう日銀は、マイナス金利を適用しました。それでも資金は動きません。貨幣価値を下げれば…いいのです。その為には、物価を押し上げることです。これから年金生活者は、大変ですよ。でも日本国の借金は3%程度の物価上昇なら…何れ、自然に消えて行きます。政策の大転換ですね。
昨日は、日経新聞の小さな記事を紹介しました。安倍首相は「ワクワクする社会を目指す」と述べています。希望とは、何か? 「3丁目の夕陽」と言う映画ですね。昭和30年代の時代の再来です。一所懸命に頑張れば…明日の暮らしが豊かになると、実感できるようになるのです。毎日、毎日、下がり続ける株式の世界と、毎日、毎日、上がり続ける世界と…どちらが笑顔の溢れる世界になるのでしょう。
「債券よ、さようなら…株式さん、こんにちは」の「グレートローテンション」とは…そう言う希望が、溢れる社会の事ですね。当然、地価は上昇します。資産インフレ効果を受けるのです。株屋を経験すれば、分かります。日本の国で、仕事で稼いで、金持ちになった人は、ほとんど居ません。みんな土地成金ですね。その人たちも、この失われた時代で…みんな、おかしくなりました。銀行の口車に乗り、マンションを無理して建てたら…みんな、銀行に持って行かれました。
今年は「馬場レポート」が、活きる時代の筈です。この意味は失業率が3%を切ると、消費者物価の上昇が加速すると言うものです。加えてトランプ政権の誕生で、米国金利は上昇し…株屋にとって好条件が揃っています。
三菱UFJの株価の前に、棒が一つ付くかどうか…その実現は、いつになるのでしょう。それでも2006年の水準に戻っただけの話ですね。三菱銀行の最高値は、バブル期の1987年の4350円です。この最高値を抜いて…初めて、日本経済は立ち直ったと言えるのでしょう。安倍首相の政策運営の手腕に期待する限りです。
船長が、正しい認識をしているなら…、必ず、経済もその方向性に向かいます。バブル崩壊の切っ掛けを作った宮澤喜一などの多くの戦犯は、既に消えましたが…時代の変化とは、そんな流れなのでしょう。ロスチャイルドなどのユダヤ資本は、世代を超えた投資をすると言います。
投資の世界は、大きな変動が、狙い目なのですね。その為には、充分な下準備の期間が必要なのです。日本経済の「失われた時代」の期間は、およそ30年です。30年間も、大地を肥やせば…きっと良い作物が実る筈です。大発会に接し、皆さんは、どんな気持ちで臨んだのでしょう。儲けようなど…と言うチンケな気持ちではなく、投資家、それぞれが、日本をどうしたいか?…そんな風に、投資活動に臨んでほしいものです。
正しい政策を選択すれば…経済は活発になり、人々は豊かになります。豊かになれば…不満も消え、寛容な社会形成が実現され、どんどん希望が生まれます。希望が生まれると、ワクワクする社会が、やがて誕生します。互いに…今年も頑張りましょうね。
楽しみな…1年の始まりです。パチパチパチ…。