島倉千代子の「人生いろいろ」

色んなニュースを見ていますが…やはり今の相場を語るような材料が見渡せません。可能性は新ココム規制から、中国が米国債を売り、EUにもトランプ政権が拒絶され、「ドルの信認」が崩れるパターンです。これなら今の相場の状況は…当たり前です。

一方、ナスダック指数から弱気相場に突入しているように…ハイテク、所謂、FAANG株(FB=フェイスブック、AALI=アップル、AMZN=アマゾン、NFLX=ネットフリックスまたはNVDA=ネヌビディア、GOGL=グーグル)などのスマートコミュニティー関連株の「期待値」が異常に高まった反省だけなら、今の市場は、明らかに売られ過ぎです。

何しろ、ゴルディロックス相場の再来と言うか、揺り戻しも視野に入れたのです。この理由はアンケート調査であるISMが月始めに発表され、過去に類がないほど…強いからです。米国ではFRBが述べるように労働環境の改善から消費が堅調です。GDPの70%を占めるのです。

WSJより

でもドル高によるドル債務問題が浮上し、世界景気の減速は鮮明です。故にSP500の企業業績の伸び率は、以前の2ケタ増から8%程度まで低下しています。アナリストの業績予想の変更に占める増額修正比率は、昨年末の70%越えから40%を割れるほど低下しています。(グラフは此方の記事から=米株急落、市場がただした投資家の間違い)

それにも拘らず…FRBが金利を引き上げたのは、何故なのでしょう。インフレ懸念は全くないのです。理由の一つが過剰な債務問題です。ROEを上げるためには…借り入れを起こしての事業拡大が欠かせません。借り入れコストより、企業収益が良ければ…基本的に業務を拡大させた方が得です。この動きを咎めた可能性があります。

問題は借り入れコストを上回る…企業業績の成長が続くかどうかなのです。日本のバブルが崩壊したのは、金利コストではなく、資産価値…そのものをマイナスにした為に、大量の不良債権が発生しました。馬鹿な…秀才の宮澤喜一などは、地価を下げる為に過剰な増税を実施しました。今の中国はどうでしょう。政府は空き家対策で、この過剰在庫を吸い上げています。全く逆ですよ。だから成長が止まりません。

市場経済の基本は、資産価格を下げない事なのです。そうすれば…名目経済が続き、国民は元気になり…安心して消費をします。日本は長い失われた時代を通じて、国民を清貧思想のどっぷり漬けてしまいました。古い「おしんこ」のようなもので、今は、水抜きをして塩分を抜く作業をしています。これが「流動性の罠」の状態ですが、ようやく食べられる程の塩分値に下がったイメージです。

この借り入れ問題は、世界の中央銀行が量的緩和でガンガン緩めた為に、その副作用が警戒されていました。だから世界金融の要である米国がテーパリングを実施して金利を引き上げています。だからドル債務問題が浮上しました。アルゼンチン、トルコが悲鳴を上げても…更に引き上げたのは米国内にも貸し出しが急増していたからです。

ここに来ての株安は異常に膨らんだ…これらの「期待値」を修正しているだけの話なのかも知れません。だってFAANG株のPERなどは異常値だったのです。PER100倍越えはザラに存在しました。この辺りで…「本物」と「偽物」を分ける必要性があります。市場はその様な企業を区分する場でもあります。

それなのに…日本は、弱者も救済する政策を実施して来たから、当然、整理が長引きます。株価の調整に「値幅整理」と「時間整理」があるように…、日本は時間整理を選択して強い痛みを避けました。その為に「失われた時代」が誕生したのです。

カタルはパイオニアの指名解雇事件を、良く引き合いに出します。1993年に起ったのです。必要ない社員を解雇しようとしましたが、社会、所謂メディアから強い批判を浴びた為にその選択が出来なかったのです。当時は、まだ終身雇用が常識でした。

市場経済は、そもそも弱者を排除し、本物を残し…成長を加速させる場です。人類がより速く進化するための道具なのです。日本は、その市場原理を否定し、みんなで渡るから、水準がドンドン劣化します。何処に基準を設けるか? 難しい問題です。

今回のゴーン事件の本質は、此処にあります。世界基準の年棒20億円を認めるか? それとも産業投資機構の田中社長の1億円の報酬が高い…と否定するか?

問題の根源は、此処にあります。ところがメディアは此処を突かないで…ルノーとの政権争いを面白おかしく報道します。論点がずれています。

だからカタルは東京地検を批判しています。確かにゴーン氏はお金に汚い人間なのでしょう。でもね。この程度のものなら、注意程度で乗り切るのが、昔の日本の「村論理」なのでしょう。産業投資機構の高額報酬問題もそうです。スルガ問題も、何もそんなに目くじらを立てるほどの事件ではありません。

だって今の日本は「流動性の罠」に、嵌ったままなのです。故に政策幹部は、高い次元で行動をする必要があります。折角、日銀が時間をかけて…育ててきた芽をつぶすような行動はやめるべきです。正義は何処にあるのでしょう。

今回のFRBの行動は、株屋のカタルにとって受けがたいものですが…ある意味で理解できる行動です。識者は、みんなそう思っているでしょう。中には未来のバブルの芽を先摘みする行動ですから、称賛する人も居ると思います。

どちらが正しいのか…。結果は、未来で明らかになります。今日はこれから出かけるので、こんな感じで終わります。良いですか…物事の考え方は多様な見方が存在し…どれが正解か…など分からないのです。分からないものをいくら考えても仕方ありません。故にカタルはいつも前向きにポジティブな行動を取ろうと思って、上京して歩合生活を歩みました。

同じ失敗なら、常に前を向いて生きようと思っているのです。正解など状況がコロコロ変わるから分かりません。あとは自分が、どう生きるかの問題です。

自分に人生ですから、それぞれが、好きなように生きればいいのです。カタルは死を迎えた時に自分に対し、後悔して死ぬのではなく、良く頑張ったな。…と思いながら死を迎えたいと思い、親父の死を切っ掛けに、サラリーマン生活に見切りを付けて歩合サラリーの世界に飛び込みました。

今も同じ気持ちで生きているから、いつも強気のカタルレポートになっています。古い読者ならカタルの信条を、御理解いただいていると思います。

それでは…また明日。



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