アーカイブ:2018年1月28日

時間軸の変化

金曜日のレポートでは、小野薬品の日足は良いけれど、週足は今一で…。逆に、東邦チタンの週足は良いけれど、日足は、今一と述べて対比させました。その様子を実際に見てみましょう。  

読者の中で、自分の目で実際にチャートを比較して、カタルの言葉を、検証した人は居るでしょうか? カタルはニュースを見ても、気になった材料は、自分で独自に調べます。日経新聞のグラフなども、自分でデータの発信元に行き、データをダウンロードしてグラフを作成します。  

小野薬品の日足(250本)

人間と言うのは、感情的な動物で、実際に感じる事は、些細なことで変わります。たぶん味覚なども、日々の体調で変化しているのでしょう。チャートも同じです。採用する期間により、見方が大きく変わります。同じ銘柄で…業績内容は同じなのに、何故、チャートの本数を250日間のものと450日間のものでは、人間が受ける感情は違うのでしょう。(上の小野薬品は250日で…下の小野薬品は450日です。)  

小野薬品の日足(450本)

例えば…この小野薬品の日足(450)は非常に綺麗に見えます。ようやく…底値圏からの離脱が始まるように見えます。ところが…下の週足はどうでしょう。日足だけ見ると大きく反発する動きに見えますが、週足を見ると…前回、仕掛けたシコリが強く…うまく高値を奪回するのは、なかなか難しいようにも感じます。  

小野薬品の週足

 

東邦チタンの日足

一方、東邦チタンは如何でしょう。日足は、確実に…かい離調整を強いられ、此処から更に、どんどん上がるのは難しいように見えますが、下の週足を見ると…これだけ、株価が上がったにもかかわらず、相場は、まだスタート地点に見えます。  

東邦チタンの週足推移

この事は非常に重要なので…読者に皆さんも、自分のものにしてください。  

時間軸を変えてみるのです。カタルは何度か、レポートで、このことを指摘しています。日経新聞だけに限りませんが…記者も同じです。勿論、カタルが書いている…このレポートも同じことです。書き手は、基本的に自分の主張が正しいように…データを加工します。ねつ造とは言いませんよ。 

研究者がデータの数字を変えたりするのは完全にアウトです。先日、iPS細胞の研究論文で、山本助教が「論文の見栄えを良くしたかった」とデータのねつ造をして、社会問題になっています。でも同じことなのです。記者も、自分たちの見方が正しいように…グラフの採用期間を変えたりして…あるいは、横軸と縦軸の比率を変えたりするわけです。  

要するに…僕達は、いつも見えない意図により…誘導されていると思っていいのでしょう。CMを見て、コカ・コーラを飲みたくなったり、アイスを食べたくなったり…僕らの心は些細なことで、常に揺れ動いています。  

カタルは、株を買うにあたり…常にその事を考えます。だから日足を見て…週足を見て、さらに月足で…という具合に株価位置を確認します。それから過去の業績推移です。出来れば…出来るだけ長い方が良いのです。データは豊富な方が良いです。20年、30年…多くの企業業績は、せいぜい10年程度しか…公開されていませんが、なるべく過去の数字が分かると…より一層、精度は高まります。  

出来るなら…その業績が生まれた社会環境を熟知していると…尚、良いですね。故にカタルは1985年のプラザ合意の辺りから…の「日本の政策」の誤りを、度々指摘しています。もしあの時に、円高を利用して…中国などのアジア地域へ、グローバル化路線に向かっていたら…こんな体たらくの「失われた時代」など、なかった筈です。如何に、大きな流れの…大勢観の方向性が大切か、分かります。  

カタルはビットコインなどをみて…国家の在り方の変化を感じています。国家と言うのは、いったい、何なんでしょう。今、米国で投資用のE-2ビザが問題化されています。エストニアの事例もあります。米国第一主義で…米国は税制改正をしましたが、これにより国内投資が活発化し、TPPの参加復帰が言われています。このような事象は…国家の在り方を考えさせられます。(まだ考え方が、カタル自身も纏まってないので…ヒントの指摘です。)  

要するに…大きな方向性のデッサンが、如何に大切か…分かりますね。  

カタルは、よく和光証券の元副社長の小川さんの話を出します。彼は業界通との評判でした。カタルは現役の頃の社長から、小川さんを紹介され、挨拶に出向いたのです。  

そうしたら…開口一番、「カタル君、残念だったね。株は、当分駄目だよ。今回は証券不況なんて…もんじゃないよ。銀行がやられているから駄目だ。だから田舎に帰りなさい。」と諭されたのです。  

カタルは心の中で「この糞おやじ、俺が歩合で食えないようでは…証券会社が潰れるわ」と毒づいて、いたのです。でもそれから山一証券は、1997年に、倒産(自主廃業)します。あれは1991年の夏の話です。  

如何に、大勢観の方向性が大切か…分かります。  

今、様々な事象を見ていると…国家の存在も、いずれ消えるんじゃないか…と漠然と思っています。国家予算ではなく、市場原理で…お金が動きますからね。故に今回の減税により、これから米国回帰で起こる投資行動が、大きな分岐点になるようにも感じています。  

この事は…半導体相場にも、設備投資のファナックなどの動きにも影響を与えます。一応、カタルは「シンギュラリティー」は、もう少し先じゃないか…と思っていますが、一気に開花を迎える可能性もあります。そう考えないと…アマゾンなどの株価は正当化させません。 

話が飛び…この辺りのレポートの内容は一般読者には難しいかな? カタルの頭の構造を上手く伝えることが出来ません。なにしろ…この辺りの考え方は、カタル自身が混とんとしており…纏まってないからですね。だからヒントなのです。  

1985年のプラザ合意と同じように…今の時代も、とっても大きな方向性が変わっている現象なのかもしれないのです。凡人はそれから6年も経って、実際に社会が変化しているのに、小川さんに、その変化を指摘されても…、俺が食えないで、世の中が成り立たないと思うわけです。あの時に、素直に小川さんの諫言を聞き入れ…空売り相場を継続させていれば…今頃はバフェットに並んでいたかもしれません。  

分からないのですね。チャンスが来ても…凡人には、見えないのです。今日は、日足と週足の比較を通じて、自分の価値観が、どう変化するか…。常に、いろんな見方をしないと…株式投資は、なかなか儲からないという話を…展開しました。それではまた明日。  

栃ノ心、初優勝おめでとう。やはり人が喜ぶ姿は、何故か…自分も楽しくなります。他人批判をする社会より、称賛する社会の方が…楽しいのです。寛容な社会は、いつ訪れるのでしょう。 



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