アーカイブ:2021年8月15日

1万円相場の鐘は鳴る

木曜日に…船株相場の検証の為に、カタル自身、商船三井から幅を広げ…御三家(郵船、商船三井、川崎汽船)の株を実際に買ってみました。郵船と商船三井の寄り値は買えましたが、買えなかった川崎汽船は、後場寄りと大引けで買ってみて…初めて川崎汽船の「決算短信」を見直して、金曜日は川崎汽船だけを合計で4000株買いました。

もう…♬「どうにも止まらない」…山本リンダ状態です。

昨日は市況産業株の「特性」を考えました。もともと伸び続ける業界(産業)はありません。必ず、競争相手が現れます。成長が見込めるなら…資金力には敵いません。本日の日経新聞にベトナムのスマフォで…乱立する「決済アプリ」の話が載っています。

基本的に、この業界も「資本力」の問題です。日本ではペイペイが勝ち組になりましたが…弱小企業の「Origami」がメルペイに吸収されました。でも、このメルペイも駄目でしょう。

大手の資本力で競争を勝ち残るのは「アリババ」も同じです。ソフトバンクの孫氏は、あの段階で大規模な増資に応じて…多額の資金を出しました。ハロー効果(後光戦略)と呼ばれる手法です。早期に、市場支配を確保するために多額の先行投資をします。「ペイペイ」を観ると分かります。しかし日本人は、この手の博打と言うか…投資が苦手です。中国のCATLは1兆円増資です。これじゃ…パナソニックが勝てる道理がありません。

米国では利益より売り上げの伸びを重視して、その伸び率が高ければ、たとえ赤字でも…市場は支持し経営を支え続けます。アマゾンの成長を支えたのは、そんな国民感情です。しかし…日本人は駄目です。石橋を叩いても…渡らない「国民性」です。もう完璧に「負け組根性」が染みついています。「画一化教育」の弊害です。

日銀がチビチビした量的緩和をしても…批判する国民です。もっと大胆な行動をすれば…「時間軸」は変わります。しかし国民全体の総意を重視するから…「時間闘争」と言う無駄な時間を浪費します。これをカタルは…成田空港の開港に反対した百姓に加担した過激派の連中を揶揄して、「成田闘争」と呼んでいます。結果は明らかです。ですが少数派の意見に配慮するあまり、無駄なお金と時間を浪費する意味です。

しかし企業の内部留保は積み上がり…既に「時間ですよ」…の鐘は鳴るのです。

コロナ禍は「蒙古襲来」を撃退した「神風」と、同じ効果を発揮します。日本は「神の国」を実感させます。デルタ株の攻撃を受け、感染者は「うなぎ登り」です。相場は再び恐怖に怯え…慎重派は相場の下落を考えます。日経平均株価の下落を予想する投資家も多いようです。

この環境下で生まれた船株相場(海運株)の舞台は整いました。

急騰する船株に「二の足を踏む」投資家と、目先の収益を基盤に…株を買い上がる積極派の「がっぷり四つ」の「仕手株相場」が開始されます。

良識派は短期的な一時的な相場を連想するし、株価上昇だけを見て、この急騰相場に二の足を踏む投資家も多いでしょう。株価が上がれば、上がるほど…盛り上がる「大相場」の開始です。気象庁の嘘の報道ではありませんよ。船株相場は「50年ぶり」の大相場になります。三光汽船の時は、実に、株価は50倍になりました。

昨日も検証をしましたが、市況産業の相場の多くは、株価は安値から10倍以上になります。今回は、過去に例がないペースの「増額」度合いです。

こんなケースを、カタルは今まで観たことがありません。初めての体験です。

カタルは今年66歳、大学2年生の頃から株式投資を始め相場を観察しています。そのカタルが、こんな事例を観たのは初めてなのです。それ程…信じられない数字が並びます。その様子を纏めました。(パソコンの方はマウスに付いているクルクルを、Ctrlキーを押しながら回すと拡大画面になります。スマフォの方は指を広げると拡大画面がご覧になります。)

海運株の各社の増額修正の推移の一覧

このオレンジが日本郵船です。水色は商船三井、緑は川崎汽船です。その増額修正の経過と先日の第一四半期決算の発表時の数字です。

日本郵船は5月10日今期の見通しを発表して、9月の中間期の一株利益は515円に…今期末予想は829円と発表しましたが、7月1日に中間期の数字を1628円に変更して今期末予想を2072円にしました。

しかし…その僅か1か月後の8月4日に第一四半期数字を発表して、その僅か四半期の利益が一株当たり894円になり、更に9月期の予想中間期の一株利益を2072円に増額して、更に今期末は2960円に修正したのです。僅か3か月で829円が2960円ですよ。実に3.57倍です。こんな事例をカタルは過去…知りません。僅か3か月なのです。

この背景には、何があるのでしょう? 

2017年10月に不採算部門のコンテナ船部門を、3社の統合でONEに集約しました。その合理化効果もあり今回の相場の波に乗り…「投資利益」が生まれました。ONEの1Q時点での利益は2559百万ドルです。その分配金が利益の源です。

この関与率は、郵船が75%で…商船三井、川崎汽船共に87%でした。しかし…発行済み株式総数の違いで郵船は一株利益を666円押し上げ、商船三井は756円、川崎汽船は実に945円も1Q時点で…寄与しています。

今回の決算で驚くのは…このバカ相場が2Qも続き、北米へのアジアからの運賃から推察すると、更に37~44%も1Qと比較してアップしています。既に、この期間は半分が過ぎました。次の改定時は…たぶん…9月末には分かります。この水準が横ばいなら…凄いものです。表の一番下にONEの北米航路のアジアからの北米の運賃表を掲載しました。

今回の決算発表で若干、ユトリを持って中間期の予想数字を打ち出していますが、概ね、各社はこの値上がり分を反映させた数字を発表しています。

問題は10月から12月、つまり3Qで…そうして、来年の第4四半期です。ですが…クリスマス商戦が終わりますから…下期に数字がさらに押しあがるかどうか…は疑問です。

たぶん1Qの数字より、若干、「下回る」と読むのが妥当なのでしょう。でも…株価がPER3倍以下の市場評価で、妥当かどうか…ですね。川崎汽船は、僅か1.75倍です。この意味は投下資本を2年も経たずに…回収できるという意味ですよ。

通常、株式市場は、最低でもPER10倍程度で評価します。つまり10年分の利益を、株価で表現します。利益の質が高く…継続的な積み上げ型の数字なら、最大PERの評価は100倍程度まで評価することもあります。未来の100年分の利益を買うのです。

売り上げ成長が高いと…PER評価は、どんどん上がります。だからカタルはロコンドの売り上げ成長度合いを見て、昨年の初めに株を推奨したわけです。本当は…自律成長が一番望ましいですが…M&Aでも構いません。

例えば…「小売り業」でもそうです。店舗を次々に構築して売り上げを伸ばします。老人介護の「チャームケア」(6062)の成長を支えているのは、この施設の拡大戦略です。この経営戦略が、この会社の成長を支えています。カタルが介護の「ツクイ」を推奨株としたのは、団塊の世代が続々と75歳以上の要介護年齢を迎え…日本では唯一の成長産業だからです。基本的に施設を作るのは、先行投資が重なりますが…訪問介護市場も大きく伸びるから、業界シェアで2番のツクイを推奨株にしたのです。しかしTOBになりました。

基本は売り上げの伸びです。ロコンドは捨てたものではありません。今の市場評価は低すぎます。

話は逸れましたが…PERの意味を理解しているなら…今の海運株の評価は低すぎる筈です。たった2年や3年間の投資期間で、投下資本を回収できる株価です。あり得ないバーゲンです。ただ今回は好条件が重なりました。コロナに…スエズ運河の座礁事故など…。このバカ相場は一時的な現象と思われますが…来年の春まで続く可能性も、現時点では否定できません。加えて高配当の実施です。

商船三井は、この9月に300円の配当を実施します。僅か1か月半で…4.1%も貰えます。年率なら32%の投資効率です。郵船は200円ですから2.48%で年率に換算すると19.9%です。約20%です。凄いですね。川崎汽船もたぶん…配当を実施する筈です。既に利益余剰金は1307億円もあります。配当を実施しない道理がありません。

いくつか…船株を買いにくい理由があります。先ず、第一は決算短信を観る人が少ないという事ですね。おそらく…この事実は、まだ一般化していません。情報と言うのは徐々に広がります。通常、株価が上がっているのは分かりますが…四季報の数字を信じます。その四季報数字は、前期末の表示のままです。順番に日本郵船、商船三井、川崎汽船を提示しておきます。

日本郵船(9101)の四季報数字
商船三井(9104)の四季報数字
川崎汽船(9107)の四季報数字

この数字が9月15日に発売予定の四季報で大きく変わります。このインパクトは大きいですね。更に買いにくいのは、カタルが当初感じたように、株価に対する嫌悪感があります。10:1の「株式併合」の事実です。カタルは証券マンでしたが、調べるまで…この事実を把握していません。

デルタ株感染が広がり…投資に「二の足を踏む」中で、株価が急騰する船株相場は、条件が揃っています。仕手化するのでしょう。

株価が休まずに急騰するほど…株価に対する恐怖心は増して行き、実態を知らない人は「利食い」を急ぎます。つまり…当分、ガンガン強気が優勢だという事です。

郵船の信用買い残は増配発表もあり先週は382万株から628万株へ、でもその前に発表した商船三井は301万株から279万株に減りました。川崎汽船は257万株から323万株です。この違いはたぶん…決算発表時期の違いでしょう。ただ目先は回転が効いており、以前に株を買った株主が株を売り、カタルのように事実を知った投資家が新規に参加しています。

この増額報道を見て…通常はPER5倍から10倍程度に評価するのが普通でしょう。相場が2年以上続いているなら買い参加しませんが、まだ、15か月ほどです。あと半年は安全パイでしょう。問題は9月末です。次の料金発表の改定時期に数字をどう発表するか? 

配当を取るか…それとも、その前に利食いをするか? 悩ましい問題ですが…今はまだガンガン強気です。川崎汽船のPER1.75倍で、再来年の春まで…株式を持ち続けるなら、株価がタダになる計算です。あの日、カタルが4500円の上値で指値をしたのに、株を買えなかった原因は、「海外ファンド」の買いでしょう。

外人投資家は良いと思ったら、思い切って…株を買います。そうして浮動株式がだんだん枯れて行きます。故に、株価と言うのは天井圏になると…どんどん株価上昇確度が高くなります。つまり株価の上昇率は、更に上がっていくのです。これから…株価が「ストップ高」する場面が、見られるかもしれません。

何故、今回の船株を「ITバブル」と比較をしたのか?

ITバブル期の時は、こんな株価上昇が続き…年末にかけて株価が加速して、更に2月にかけて一気にソフトバンクは198000円ですよ。光通信は241000円なのです。海運株がその時期にPER評価で10倍になっても…何も驚きません。あり得る話です。だからカタルは「博打」を承知で、果敢に買い増しの実行に動いています。

皆さんは、「自己責任」で「博打相場」を承知で、投資に臨まなくてはなりません。全ての選択には、それぞれ…それに見合った「リスク」があります。株価がここから2倍、3倍は当たり前…。場合によれば5倍、10倍になる可能性があるという事は…それなりに「リスク」があるという事です。でもカタルは、こんな増額修正は初体験なのです。だから果敢に挑戦を続けます。それでは…また明日。



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